疾患詳細

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#253010
Morquio syndrome B
(Mucopolysaccharidosis IVB)
(MPS IVB; MPS4B)

ムコ多糖症 IVB
(Morquio 症候群 B)
(βガラクトシダーゼ欠損症)
指定難病19 ライソゾーム病
小児慢性特定疾病 代78 ムコ多糖症Ⅳ型

責任遺伝子:611458 Galactosidase, beta-1 (GLB1) <3p21.33>
遺伝形式:常染色体劣性

(要約)
●Morquio 症候群 (MPS IV) は, 常染色体劣性のムコ多糖症である
 重篤な結果を伴うまれな型の小人症である
 ケラチン硫酸の蓄積による
●A型とB型がある
 A型:N-acetylgalactosamine-6-sulfate sulfatase の欠乏
 B型:beta-galactosidase の欠乏
●頻度
 北アイルランドでのA型頻度 1/75,000 生産児
 症状は通常は1〜3歳で気付かれる
●1929年ウルグアイの Luis Morquio (スウェーデン人1家系同胞4例) と英国の James Frederick Brailsfordにより最初に別々に記載された
●症状
 心異常
 骨格異常
 関節過動
 大きな指
 反張膝
 歯間隔離
 ベル型胸郭 (肋骨フレア)
 脊髄圧迫
 小人症
●出生時は明らかに健康である
 →脊椎変形をもつ
 成長遅滞, 外反膝が1〜2歳でみられる
 低身長 (平坦な脊椎による短躯), 短頸
 中等度の後弯または側弯
 軽度の鳩胸
 頸椎:歯状突起低形成, 環軸椎不安定, ミエロパチーと歩行障害
 関節歯間, 軽度の多発性異骨症, 股関節異型性, 大きな不安定な膝, 大きな肘と手関節, 扁平足
 あひる歩行
 顔面中部低形成と化学突出
 薄い歯エナメル
 角膜混濁
 軽度の肝脾腫

<小児慢性特定疾病 代78 ムコ多糖症Ⅳ型>
概要・定義
Morquio 症候群(ムコ多糖症IV型)は, 短胴性低身長, X脚, 手関節弛緩, 角膜混濁, 弁膜症, 尿中ケラタン硫酸(KS)・コンドロイチン硫酸(CS)の排泄増加を特徴とする常染色体劣性遺伝病である。本症はN-アセチルガラクトサミン-6-硫酸サルファターゼ(GALNS)の欠損を原因とするA型と, βガラクトシダーゼの欠損を原因とするB型に分類されるが, A型が大半を占める。GALNSの欠損によりKSとCSの分解が阻害され, 骨や角膜などのライソゾームに蓄積する
疫学
発症率は出生約50万人(日本)に1人と報告されている。

病因
ライソゾーム内でケラタン硫酸を分解するために必要なN-アセチルガラクトサミン-6-硫酸サルファターゼ(GALNS)またはβガラクトシダーゼの欠損が原因で, KSが過剰蓄積するために, 全身骨が変形する。
症状
以下の症状を認める。
① 骨・関節障害:出生時には明らかな異常を認めないが, 2~3歳までに短胴型小人症, 鳩胸, 下部肋骨の拡張, 脊椎後弯(突背), 脊椎側弯, 外反膝(X脚), 関節過伸展などが認められるようになる。レントゲンでは椎体扁平化, 第2頸椎歯突起低形成, 肋骨扁平化, 股関節異常などが認められる。靱帯弛緩のために手首の力や握力が非常に弱く, 着衣・整容・書字などに困難をきたす。動揺性歩行も特徴的である。歯突起低形成のために環軸椎脱臼・亜脱臼, 頸髄圧迫を生じやすく, 四肢麻痺にいたる例も多い。転倒や頸部の無理な伸展を契機に突然死する可能性もある。重症例では7~8歳頃に成長が停止し, 平均最終身長は110~120cmである。
② 気道障害:胸郭変形による拘束性肺障害, ムコ多糖の蓄積による閉塞性肺障害, 気管軟化, 巨舌, アデノイド・扁桃肥大, 声帯肥厚などが認められる。睡眠時無呼吸, いびき, 日中の傾眠傾向, 呼吸音の増強, 肺胞低換気, 発声障害などをきたす。
③ 歯科的異常:歯は小さく, 歯間が広く, エナメル質は菲薄で齲蝕を生じやすい。
④ 眼科的異常:角膜に微細な混濁を認める。
⑤ 聴力障害:軽度から中等度の混合性難聴を認める。
⑥ 循環器障害:心弁膜症を認める。
⑦ 知能:正常である。
診断
ムコ多糖の過剰蓄積は, 尿中ムコ多糖の定量で判定する。尿中ムコ多糖の分画から, 病型をある程度予測できるが, 最終的には, 血液あるいは培養皮膚線維芽細胞などで酵素活性の低下を証明し確定診断とする。遺伝子診断は, 診断を確定するのに必須ではないが重症度の予後判定や家族内の保因者診断や発端者の同胞の出生前診断には有用である。
① 画像診断:椎体の扁平化, 第2頸椎歯突起低形成
② 尿中ウロン酸(グリコサミノグリカン):総量の増加は軽微なので, KSの増加を確認する。
③ GALNS活性:白血球, 線維芽細胞などにおけるGALNS活性の低下を証明する。
④ 遺伝子解析:GALNS遺伝子変異
診断方法
(1) 下記の症状・臨床検査からムコ多糖症を疑う。
症状:特有の顔貌, 関節拘縮, 関節変形, 骨の変形, 精神運動発達障害, 神経学的退行, 角膜混濁, 難聴, 繰り返す滲出性中耳炎, アデノイド, 扁桃肥大, 臍ヘルニア, そけいヘルニア, 肝脾腫大, 閉塞性呼吸障害, 騒音性呼吸, 異所性の蒙古斑など。それぞれの症状は, 治療を行わないと加齢に伴い進行する。
臨床検査:全身骨X線で多発性の骨形態変化を認める。その他, 尿中ウロン酸排泄量の上昇があり, 病型により, デルマタン硫酸, ヘパラン硫酸, ケラタン硫酸などの過剰排泄を認める。
(2) 確定診断は酵素診断によりなされる。白血球, 培養線維芽細胞などの検体から, 以下の酵素の活性低下を示すことにより, 診断が確定する。なお, 遺伝子診断は, 補助的検査であり, 原則として, 確定診断には用いない。
ムコ多糖症I型: α-L-iduronidase
ムコ多糖症II型: Iduronate sulfarase
ムコ多糖症III型:  heparan N-sylfatase
 α-N-acetylglucosaminidase
 acetylCoA:α-glucosaminide acetyltransferase
 N-acetylglucosamine 6-sulfatase
ムコ多糖症IV型: N-acetylgalactosamine 6-sulfatase欠損症
 β-galactosidase欠損症
ムコ多糖症VI型: N-Acetylgalactosamine 4-sulfatase(別名arylsulfatase B)
ムコ多糖症VII型: β-Glucuronidase
※  なお, 2014年2月現在, 検査センターエスアールエルで, 尿中ウロン酸, ムコ多糖分画および血液検体を用いたムコ多糖症 I型, II型, III型, IV型, VI型, VII型の酵素診断が可能である。

当該事業における対象基準
全A  疾患名に該当する場合
治療
IV型に対する酵素補充療法が2014年にわが国で承認された。
予後
進行性で致死性の重篤な疾患である。
成人期以降
進行性疾患のため成人期には特に重症化する。酵素補充療法も病態の進行を完全に阻止することはできない。

(症状)
【一般】短幹小人症; 成人身長 82 〜 115 cm; 頻回の上気道感染症; 拘束性肺病; 軽度の肝腫; *知能正常
【神経】頸髄ミエロパチー
【顔】軽度の粗い顔貌; 下顎突出
【眼】*角膜混濁
【口】幅広い口; 歯間解離; 灰色がかったエナメル質; 頻回の齲歯
【耳】難聴
【心】弁膜症, AS; 冠動脈内膜肥厚
【胸郭】*肋骨胸郭フレア; 目立つ胸骨
【体幹】鼠径ヘルニア
【骨盤】外反股; 腸骨翼狭窄
【四肢】*関節弛緩; 外反膝; 手関節尺側偏位
【X線】骨粗鬆症; 扁平脊椎; 歯状突起低形成; 頸椎亜脱臼; 後弯; 卵形椎体骨; 高度前弯; 側弯; 管骨骨端変形; 拡大した骨幹端; 尖った第2-5近位手根骨
【検査】Beta-galactosidase 欠損 (線維芽細胞, 白血球); *ムコ多糖尿 (硫酸ケラタン, 年令とともに低下); 尿中 Chondroitin 6-sulfate 排泄
【その他】出生時は正常にみえる; 1-3歳発症; 出生前診断が可能

<その他の症状>
【一般】過呼吸
【神経】対麻痺; 下腿虚弱
【胸郭】鳩胸
【骨盤】股関節異形成
【X線】脊髄圧迫; 軽度の多発性異骨症; 頭蓋底陥入
【治療】酵素置換療法が有効との報告はない
【出生前診断】羊水穿刺で可能

(責任遺伝子) *611458 Galactosidase, beta-1 (GLB1) <3p21.33>
(1) GM1-gangliosidosis, type I (230500)
.0001 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, ARG49CYS] (dbSNP:rs72555358) (RCV000672371...) (Nishimoto et al. 1991)
.0002 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, ARG457TER] (dbSNP:rs72555359) (ExAC:rs72555359) (RCV000667074...) (Nishimoto et al. 1991)
.0005 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, 165-BP DUP] (RCV000000975) (Yoshida et al. 1991)
.0006 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, GLY123ARG] (dbSNP:rs28934274) (RCV000196532...) (Yoshida et al. 1991)
.0007 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, TYR316CYS] (dbSNP:rs72555361) (RCV000000977...) (Yoshida et al. 1991)
.0012 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, 23-BP DUP [dbSNP:rs587776524] (RCV000000983) (Oshima et al. 1992)
.0014 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, IVS1DS, 1-BP INS, +3 [dbSNP:rs587776525] (RCV000000985...) (Morrone et al. 1994; Chakraborty et al. 1994)
.0017 GM1-gangliosidosis, type I [GLB1, ARG208CYS] (dbSNP:rs72555366) (RCV000633470...) (Boustany et al. 1993; Chiu et al. 1996)
.0019 GM1-gangliosidosis, type I, with cardiac involvement [GLB1, ARG351TER] (dbSNP:rs72555372) (ExAC:rs72555372) (RCV000000990...) (Hinek et al. 2000)
.0023 GM1-gangliosidosis, type I, with caradiac involvement (GM1-gangliosidosis, type I, included) [GLB1, ARG59HIS] (dbSNP:rs72555392) (RCV000059350...) (Morrone et al. 2000; Santamaria et al. 2007)
.0024 GM1-gangliosidosis, type I, with caradiac involvement [GLB1, IVS14AS, A-G, -2 [dbSNP:rs587776526] (RCV000000996) (Morrone et al. 2000)
.0025 GM1-gangliosidosis, type I, with caradiac involvement [GLB1, TYR591ASN] (dbSNP:rs72555373) (RCV000000997) (Morrone et al. 2000)
.0026 GM1-gangliosidosis, type I, with caradiac involvement [GLB1, TYR591CYS] (dbSNP:rs72555371) (RCV000673090...) (Morrone et al. 2000)
(2) GM1-gangliosidosis, type II (230600)
.0003 GM1-gangliosidosis, type II [GLB1, ARG201CYS] (dbSNP:rs72555360) (RCV000411359...) (Nishimoto et al. 1991; Yoshida et al. 1991; Caciotti et al. 2003)
.0022 GM1-gangliosidosis, type II [GLB1, ARG68TRP [dbSNP:rs72555370] (RCV000000993...) (Caciotti et al. 2003)
(3) GM1-gangliosidosis, type III (230650)
.0004 GM1-gangliosidosis, type III [GLB1, ILE51THR] (dbSNP:rs72555390) (RCV000671053...) (Nishimoto et al. 1991; Yoshida et al.1991; Yoshida et al. 1992)
.0008 GM1-gangliosidosis, type III [GLB1, ARG457GLN] (dbSNP:rs28934886) (RCV000000978) (Yoshida et al. 1991)
.0013 GM1-gangliosidosis, type III [GLB1, THR82MET] [dbSNP:rs72555393] (RCV000624609...) (Chakraborty et al. 1994)
(4) Mucopolysaccharidosis type IVB (253010)
.0009 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, TRP273LEU] (dbSNP:rs72555362) (RCV000000979) (Oshima et al. 1991; Paschke et al. 2001)
.0010 Mucopolysaccharidosis type IVB (GM1-gangliosidosis, type I, included) [GLB1, ARG482HIS] (dbSNP:rs72555391) (ExAC:rs72555391) (RCV000174680...) (Oshima et al. 1991; Mosna et al. 1992; Suzuki and Oshima 1993)
.0011 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, TRP509CYS] (dbSNP:rs72555363) (RCV000000982) (Oshima et al. 1991)
.0015 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, TYR83HIS] (dbSNP:rs72555364) (RCV000000986) (Ishii et al. 1995)
.0016 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, ARFG482CYS] (dbSNP:rs72555365) (RCV000119100...) (Ishii et al. 1995)
.0018 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, GLY438GLU] (dbSNP:rs72555367) (RCV000000989) (Hinek et al. 2000)
.0020 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, THR500ALA] (dbSNP:rs72555368) (RCV000000991...) (Paschke et al. 2001)
.0021 Mucopolysaccharidosis type IVB [GLB1, GLN408PRO] (dbSNP:rs72555369) (RCV000667601...) (Paschke et al. 2001)

*GLB1: Galactosidase, beta-1 (677 amino acids)
・GLB1 遺伝子は beta-galactosidase-1 (EC 3.2.1.23)をコードする
・beta-galactosidase-1 はリソソーム酵素で, ganglioside 基質と他の glycoconjugates から末端βガラクトースを加水分解する
 beta-galactosidase は, 細胞表面受容体の成分である neuraminidase (NEU1; 608272) と protective protein/cathepsin A (PPCA; 256540)複合でも生じる

(ノート)
●(#) は, ムコ多糖症 IVB 型 (MPS4B) (Morquio 症候群 B 型)は,3p22 の beta-galactosidase (GLB1; 611458)をコードする遺伝子の変異が原因なため

●Morquio 症候群 B 型は, いろんな型の GM1-gangliosidosis (例, 230500) とアレリックである
 GM1-gangliosidosisは, 中枢神経病変を示す

●Morquio 症候群 B 型は, 常染色体劣性疾患で, 骨格異形成と角膜混濁が特徴である
 中枢神経病変はなく, 知能は正常である
 尿中 keratan sulfate 排泄がある (Suzuki et al., 2001)

●Morquio 症候群 A 型は, GALNS 遺伝子変異が原因でオーバーラップする臨床像をもつ遺伝的に異なる疾患である

●Morquio 症候群の非 keratansulfate 排泄型 (C型) があるかもしれない (252300).

臨床症状
●O'Brien et al. (1976) は, 脊椎骨端異形成, 角膜混濁, および beta-galactosidase 欠損をもつ14歳女児を報告した
 X線の特徴には, 椎体骨および大腿骨頭の平坦化, 外反股, 異常な中手骨骨端および狭い指骨があった
 Beta-galactosidase 活性は, 正常の5%未満で, 患者でない両親は, 約50%の残存酵素活性をもっていた
 彼女は神経学的異常がなく, そのため GM1-galactosidase I 型および II 型 (250500, 250600) から区別された

●Arbisser et al. (1977) は, 軽度の多発性異骨症, 歯状突起低形成, 低身長, 角膜混濁, 尿中keratan sulfate 増加をもつ14歳女児を報告した
 しかし, 中枢神経異常はなかった
 9歳時, 彼女は, 後弯, 揺れる歩行, 股関節痛をもっていた
 keratan sulfate の増加が Morquio 症候群 A を示唆したが, galactosamine-6-sulfate sulfatase (GALNS) 活性は正常で, beta-galactosidase 活性は減少していた
 結膜生検は, リソソーム蓄積症に典型的な細胞質内空胞を示した
 患者の母は, 中間の beta-galactosidase 値をもっていた (父は, 検査できなかった)
 Arbisser et al. (1977) は, この患者のbeta-galactosidase 欠損は, keratan sulfate の不適当な分解と軽症型のMorquio 症候群の出現に責任があると主張した
 著者らは, 古典的 Morquio 症候群 A と区別するためMorquio 症候群 B の記載を示唆した

●Spranger (1977) は, Dale (1931) により記載された通常とな異なる Morquio 症候群の型は Arbisser et al. (1977) が記載したものに類似しており, beta-galactosidase 欠乏症の可能性があるとコメントした
 Spranger (1977) は, 一部の患者で heparan sulfate 活性を検出できないのは, 技術的問題か残存酵素活性によるかもしれないとも述べた

●Groebe et al. (1980) は, beta-galactosidase 欠乏症による Morquio 症候群の2例を報告した
 beta-galactosidase が原発性障害である事実は, 内在性抑制因子がないことと, 両親での中間酵素活性により示された

●Van Gemund et al. (1983) は, 両親に血縁のあるオランダ人同胞3例を報告した
 → Morquio 症候群 B と beta-galactosidase 欠乏症があった
 臨床症状には, 股関節異形成, 胸腰部後弯, 胸骨突出, 進行性低身長および角膜混濁があった
 X線検査は, 異常な椎体骨を伴う扁平脊椎を示した

●Beck et al. (1987) は, Morquio 症候群 B の同胞3例を記載した
 彼らは, 短躯小人症, 骨盤異形成および骨端異常をもっていた
 知能は正常であった
 全例が培養線維芽細胞で最重度の beta-galactosidase 活性欠乏をもっていた

●Giugliani et al. (1987) は, Morquio 症候群Bの臨床的, X線学的および酵素異常の証拠をもつが, 非典型的知能退行をもつ男女同胞2例を記載した
 残存 beta-galactosidase 活性にもいくらか非典型的特性があった
 Giugliani et al. (1987) は, これらの所見は, さらなる異質性が beta-galactosidase 座の変異により生じうることを示すと示唆した

生化学的特徴
●Van der Horst et al. (1983) は, Morquio 症候群Bの患者線維芽細胞は, 正常な代謝回転を伴う正常な beta-galactosidase分子をもつが, 酵素分子あたりの触媒活性の強い減少をもつことを示した
 いくつかの基質に対する異常な親和性が発見された
 → keratan sulfate とオリゴ糖への親和性が検出されなかった
 反対に, これらの親和性は成人型 GM1-gangliosidosis 線維芽細胞では正常であった
 細胞融合研究は, MPS IVB と乳児型および成人型 GM1-gangliosidosis は, 同じ相補群に属することを証明した

分子遺伝学
● Oshima et al. (1991) は, Morquio 症候群Bの3例で, GLB1 遺伝子の3つの異なる複合ヘテロ接合体を証明した (611458.0009-611458.0011).

● Ishii et al. (1995) は Morquio 症候群Bの15歳の日本人男児で, GLB1 遺伝子の2つの変異が複合ヘテロ接合体を発見した (Y83H, 611458.0015 and R482C,611458.0016).

● Paschke et al. (2001) は, Morquio 症候群Bのフランス人患者1例で, GLB1 遺伝子の2つの変異の複合ヘテロ接合体を証明した
 → T500A (611458.0020) と Q408P (611458.0021).

遺伝子型/表現型相関
●Hinek et al. (2000) は, Morquio 症候群Bとなるいくつかの GLB1 変異の機能発現研究を行った (例, G438E, 611458.0018; T500A; W273L, 611458.0009; R482H,611458.0010)
 変異の全てが GLB1 リソソーム酵素に共通するコーディング領域とそのスプライスバリアント S-Gal/EBP (elastin-binding protein)に位置したが, 変異タンパクに EBP を発現するものはなかった
 機能研究は, 変異タンパクは tropoelastin 分泌障害と弾性線維集合不能となり, 弾性線維痙性障害となることを示した

(文献)
(1) Dale, T. : Unusual form of familial osteochondrodystrophy. Acta Radiol. 12: 337-358, 1931
(2) O'Brien, J. S.; Gugler, E.; Giedion, A.; Weismann, R.; Herschkowitz, N.; Meier, C.; Leroy, J. G. : Spondyloepiphyseal dysplasia, corneal clouding, normal intelligence and acid beta-galactosidase deficiency. Clin. Genet. 9: 495-504, 1976
(3) Arbisser AI et al. Morquio-like syndrome with beta-galactosidase deficiency and normal hexosamine sulfatase activity: mucopolysaccharidosis IV B. Am J Med Genet 1: 195-205, 1977
(4) Spranger, J. W. : Beta-galactosidase and the Morquio syndrome. (Editorial) Am. J. Med. Genet. 1: 207-209, 1977
(5) Groebe H et al. Morquio syndrome (mucopolysaccharidosis IV B) associated with beta-galactosidase deficiency: report of two cases. Am J Hum Genet 32: 258-272, 1980
(6) Trojak JE et al. Morquio-like syndrome (MPS IVB) associated with deficiency of beta-galactosidase. Johns Hopkins Med J 146: 75-79, 1980
(7) van der Horst GTJ et al. Morquio B syndrome: a primary defect in beta-galactosidase. Am J Med Genet 16: 261-275, 1983
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(9) Beck, M.; Petersen, E. M.; Spranger, J.; Beighton, P. : Morquio's disease type B (beta-galactosidase deficiency) in three siblings. S. Afr. Med. J. 72: 704-707, 1987
(10) Giugliani R et al. Progressive mental regression in siblings with Morquio disease type B (mucopolysaccharidosis IV B). Clin Genet 32: 313-325, 1987
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