疾患詳細

疾患詳細





#252930
Mucopolysaccharidosis IIIC (MPS3C)
(MPS IIIC)
(Sanfilippo syndrome C)
(Acetyl-CoA:alpha-glucosaminide N-acetyltransferase deficiency)

ムコ多糖症 IIIC
(Sanfilippo 症候群 C型)
(アセチル-CoA: α-グルコサミン N-アセチルトランスフェラーゼ欠損症)
指定難病19 ライソゾーム病
小児慢性特定疾病 代77 ムコ多糖症Ⅲ型

責任遺伝子:610453 Heparan-alpha-glucosaminide N-acetyltransferase (HGSNAT) <8p11.21>
遺伝形式:常染色体劣性

(症状)
(GARD)
 Asymmetric septal hypertrophy (非対称性中隔肥大) [HP:0001670]
 Autosomal recessive inheritance (常染色体劣性遺伝) [HP:0000007]
 Cellular metachromasia (細胞異染性) [HP:0003653] ¥
 Coarse facial features (顔貌異常) [HP:0000280] [0408]
 Coarse hair (粗な毛髪) [HP:0002208] [17102]
 Dense calvaria (濃い頭蓋冠) [HP:0000250] [160113]
 Diarrhea (下痢) [HP:0002014] [01806]
 Dolichocephaly (長頭) [HP:0000268] [03007]
 Dysostosis multiplex (多発性異骨症) [HP:0000943] [-]
 Dysphagia (嚥下障害) [HP:0002015] [01820]
 Everted lower lip vermilion (下口唇外反) [HP:0000232] [05522]
 Growth abnormality (成長異常) [HP:0001507] [0130]
 Hearing impairment (難聴) [HP:0000365] [091]
 Heparan sulfate excretion in urine (尿中ヘパラン硫酸排泄) [HP:0002159] [2066]
 Hepatomegaly (肝腫) [HP:0002240] [01813]
 Hernia (ヘルニア) [HP:0100790] [120]
 Hirsutism (多毛) [HP:0001007] [17112]
 Hyperactivity (多動) [HP:0000752] [02204]
 Intellectual disability (知的障害) [HP:0001249] [0120]
 Joint stiffness (関節硬直) [HP:0001387] [15100]
 Kyphoscoliosis (後側弯) [HP:0002751] [161500] [161502]
 Loss of speech (発語喪失) [HP:0002371] [0233]
 Motor delay (運動遅滞) [HP:0001270] [0120]
 Motor deterioration (運動悪化) [HP:0002333]
 Ovoid thoracolumbar vertebrae (卵形胸腰椎骨) [HP:0003309] [161511]
 Recurrent upper respiratory tract infections (反復性上気道感染症) [HP:0002788] [014230]
 Rod-cone dystrophy (杆体錐体ジストロフィー) [HP:0000510] [06524]
 Seizures (けいれん) [HP:0001250] [01405]
 Sleep disturbance (睡眠障害) [HP:0002360] [0152]
 Splenomegaly (脾腫) [HP:0001744] [01817]
 Synophrys (連続眉毛) [HP:0000664] [1721]
 Thickened ribs (分厚い肋骨) [HP:0000900]  [16121]
 
(UR-DBMS)
【一般】通常は正常身長
 頻回の上気道感染症
 軽度の肝脾腫
 下痢
 1.5-3歳までのゆっくりした精神発達
 重度の精神遅滞 (1-2歳から早期学童期) → 寝たきり状態
 けいれん
 睡眠障害が多い
 嚥下障害
 言語発達喪失
 運動悪化
 けいれん
【神経】多動
 重度の行動異常 (3-4歳)
 癇癪
【頭】長頭
【顔】軽度の粗い顔貌
 下口唇外反
【鼻】肉厚の鼻尖
【耳】難聴
 分厚い耳介
【眼】透明な角膜
 色素性網膜炎 (遅発性)
【胸郭】分厚い肋骨
【心】非対称性の中隔 肥大
【体幹】臍ヘルニア
【四肢】軽度の関節拘縮
【X線】軽度の多発性異骨症
 濃い頭蓋骨
 卵形胸腰部脊椎骨
 後側弯
【毛髪】連続眉毛
 多毛
 粗い毛髪
【検査】Acetyl CoA:alpha-glucosaminidase N-acetyltransferase 欠損 (線維芽細胞)
 尿中 heparan sulfate 排泄
 メタクロマジア (白血球, 線維芽細胞)
 酵素置換療法が有効との報告はない
【その他】多様な重症度
 大多数の患者は生後1年は患者でないようにみえる
 知能退化と言語喪失は運動遅滞に10年以上先行する
 平均死亡年齢は34歳
(Sanfilippo A) sulfate sulfatase 欠損
(Sanfilippo B) N-acetyl-alpha-glucosaminidase 欠損
(Sanfilippo C) acetyl CoA:alpha-glucosaminide N-acetyltransferase 欠損
(Sanfilippo D) N-acetyl-alpha-glucosamine-6-sulfate sulfatase 欠損

【一般】高身長, 軽度の低身長
【神経】破壊傾向
 自閉症
【頭】長頭
 大頭
【顔】分厚い口唇
【鼻】上向きの鼻孔
【口】分厚い歯槽隆起
【心】MI, MVP
【四肢】肘運動制限
 鷲手
【X線】骨年齢促進
 点状骨端
 軽度の脊椎奇形
 くちばし状脊椎骨 (両凸の胸腰部椎体骨)
【毛髪】分厚い眉毛
 内側眉毛フレア
【出生前診断】羊水穿刺で

<小児慢性特定疾病 代77 ムコ多糖症Ⅲ型>
概要・定義
グリコサミノグリカンのヘパラン硫酸(HS)の分解に必要なライソゾーム酵素の先天的欠損により発症する常染色体劣性遺伝性疾患である。ムコ多糖症I型やⅡ型と比べて骨の障害が少なく知的障害は重い。軽度の肝臓腫大があり、角膜混濁はない。尿中にヘパラン硫酸が出ているがデルマタン硫酸は認められない。
疫学
日本では、約10万人に1人の発生頻度である。
病因
生化学的に4つの亜型にわけられる。すなわち、heparan N-sylfatase欠損症(A型)、α-N-acetylglucosaminidase欠損症(B型)、acetylCoA:α-glucosaminide acetyltransferase欠損症(C型)、N-acetylglucosamine 6-sulfatase欠損症(D型)の4つである。
日本人では、B型の方が多い。
また、沖縄県にB型のcommon mutationがありfounder effectが推測されている。C型、D型は、どちらもまれである。
症状
2歳から6歳頃に症状が発現する。多動、乱暴な行動、発達遅滞、粗い毛、多毛が認められる。中枢神経変性症状が急速に進行し、7~8歳までに言語は消失する。言葉の獲得が見られないままに退行する症例もある。10歳代になると、睡眠障害、肝脾腫、痙攣発作が見られ、周囲とのコンタクトも消失する。Sanfilippo症候群は、ムコ多糖症に特徴的な粗な顔貌や関節・骨の変形は非常に軽度であるため、診断が難しい。身長も、ほぼ正常範囲である。10歳代で寝たきりとなり、多くは20歳代頃に呼吸器感染症等で死亡するが、30歳、40歳にまで達する症例もある。A型が比較的重症であると言われている
診断
ムコ多糖の過剰蓄積は、尿中ムコ多糖の定量で判定する。尿中ムコ多糖の分画から、病型をある程度予測できるが、最終的には、血液あるいは培養皮膚線維芽細胞などで酵素活性の低下を証明し確定診断とする。遺伝子診断は、診断を確定するのに必須ではないが重症度の予後判定や家族内の保因者診断や同胞の出生前診断には有用である。
① 画像検査:頭蓋骨肥厚、トルコ鞍拡大、腰椎卵円化、オール状肋骨、砲弾様指骨、大腿骨頭異形成などを認めるが、ムコ多糖症I型Ⅱ型に比して程度は軽い。尿中ウロン酸(GAG):DSとHSが多量に排泄される。排泄量は成長とともに減少する。
② 尿中ムコ多糖分析:尿中ウロン酸総量の増量、ヘパラン硫酸の排泄増多。
③ 末梢白血球あるいは培養線維芽細胞で上記の酵素活性のひとつが欠損している。
診断方法
(1) 下記の症状・臨床検査からムコ多糖症を疑う。
症状:特有の顔貌、関節拘縮、関節変形、骨の変形、精神運動発達障害、神経学的退行、角膜混濁、難聴、繰り返す滲出性中耳炎、アデノイド、扁桃肥大、臍ヘルニア、そけいヘルニア、肝脾腫大、閉塞性呼吸障害、騒音性呼吸、異所性の蒙古斑など。それぞれの症状は、治療を行わないと加齢に伴い進行する。
臨床検査:全身骨X線で多発性の骨形態変化を認める。その他、尿中ウロン酸排泄量の上昇があり、病型により、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸などの過剰排泄を認める。
(2) 確定診断は酵素診断によりなされる。白血球、培養線維芽細胞などの検体から、以下の酵素の活性低下を示すことにより、診断が確定する。なお、遺伝子診断は、補助的検査であり、原則として、確定診断には用いない。

ムコ多糖症I型: α-L-iduronidase
ムコ多糖症II型: Iduronate sulfarase
ムコ多糖症III型:  heparan N-sylfatase (IIIA)
 α-N-acetylglucosaminidase (IIIB)
 acetylCoA:α-glucosaminide acetyltransferase (IIIC)
 N-acetylglucosamine 6-sulfatase (IIID)
ムコ多糖症IV型: N-acetylgalactosamine 6-sulfatase欠損症
 β-galactosidase欠損症
ムコ多糖症VI型: N-Acetylgalactosamine 4-sulfatase(別名arylsulfatase B)
ムコ多糖症VII型: β-Glucuronidase
※  なお、2014年2月現在、検査センターエスアールエルで、尿中ウロン酸、ムコ多糖分画および血液検体を用いたムコ多糖症 I型、II型、III型、IV型、VI型、VII型の酵素診断が可能である。

当該事業における対象基準
全A  疾患名に該当する場合

治療
造血幹細胞移植が考慮されるな愛があるが、効果は明らかではない。酵素補充療法が、ⅢA型とⅢB型で開発中である。

予後
進行性で致死性の重篤な疾患である。
成人期以降
進行性疾患のため成人期には特に重症化する。


(治療) 酵素置換療法は効果がみられていない
(責任遺伝子) *610453 Heparan-alpha-glucosaminide N-acetyltransferase (HGSNAT) <8p11.21>
(1) Mucopolysaccharidosis, type IIIC (252930)
.0001 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, IVS4, G-A, +1 [dbSNP:rs193066451] (Fan et al. 2006)
.0002 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, 1-BP INS, 1345G [dbSNP:rs483352894] (Fan et al. 2006; Hrebicek et al. 2006)
.0003 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, PRO311LEU] (dbSNP:rs121908282) (Hrebicek et al. 2006)
.0004 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, LEU349TER] (dbSNP:rs121908283) (Hrebicek et al. 2006)
.0005 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, MET510LYS] (dbSNP:rs121908284) (Hrebicek et al. 2006)
.0006 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, 1-BP INS, 525T [dbSNP:rs483352895] (Coutinho et al. 2008)
.0007 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, IVS3AS, A-G, -2 [dbSNP:rs483352896] (Coutinho et al. 2008; Canals et al. 2011)
.0008 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, ARG344CYS] (dbSNP:rs121908285) (Ruijter et al. 2008; Feldhammer et al. 2009; Canals et al. 2011)
.0009 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, SER518PHE] (dbSNP:rs121908286) (Ruijter et al. 2008; Feldhammer et al. 2009; Canals et al. 2011)
.0010 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, IVS2DS, G-A, +1 [dbSNP:rs483352908] (Canals et al. 2011)
.0014 Mucopolysaccharidosis, type IIIC [HGSNAT, TRP403CYS [dbSNP:rs764206492] (Hrebicek et al. 2006)
(2) Retinitis pigmentosa 73 (616544)
.0011 Retinitis pigmentosa 73 [HGSNAT, ARG124TRP [dbSNP:rs754875934] (Haer-Wigman et al. 2015)
.0012 Retinitis pigmentosa 73 (Mucopolysaccharidosis, type IIIC, included) [HGSNAT, ALA615THR [dbSNP:rs112029032] (Haer-Wigman et al. 2015; Fedele and Hopwood 2010)
.0013 Retinitis pigmentosa 73 [HGSNAT, GLY133ALA [dbSNP:rs797045120] (Haer-Wigman et al. 2015)

(ノート)
●(#) は, ムコ多糖症 IIIC 型は, Sanfilippo 症候群Cとしても知られ, 8p11 の heparan acetyl-CoA:alpha-glucosaminide N-acetyltransferase をコードする HGSNAT 遺伝子 (610453)のホモ接合または複合ヘテロ接合変異が原因である

●Sanfilippo 症候群またはムコ多糖症 III 型は, 硫酸へパランの分解障害によるリソソーム蓄積病のいくつかの型からなる
 MPS IIIC での欠乏する酵素は acetyltransferase で, actyl-CoA の存在下で alpha-glucosaminide 残基の N-acetylglucosaminide への転換を触媒する

●一般的表現型記載と遺伝的異質性についての考案は MPS IIIA (252900)を参照

臨床症状
●Kresse et al. (1976) は, Sanfilippo 症候群の表現型をもつギリシャ人起源の関連のない2例を報告した
 heparin sulfamidase (605270) と alpha-N-acetylglucosaminidase (252920)の値は正常であった
 代謝是正は, Sanfilippo A と Sanfilippo B 線維芽細胞の共培養によって成し遂げられた
 著者らは, この疾患に C 型 Sanfilippo 病という用語を用いた

●Klein et al. (1978) は, MPS IIIC の3例で acetyl-CoA:alpha-glucosaminide N-acetyltransferase の完全欠損を証明した
 追記で, 彼らは投稿後, Sanfilippo 症候群の11例で IIIC 障害を証明したことを示唆した

●Sewell et al. (1988) は, MPS IIIC の大きな血縁トルコ人家系で姉妹2例を報告した
 姉は, 3か月時, 形態異常兆候 (粗な顔貌, 両眼隔離耳介低位, 平坦な鼻梁, および粗な毛髪) をもっていた
 彼女は, 軽度の肝脾腫と高い腰部椎体骨をもっていた
 彼女は, 運動発達遅滞が証明された
 妹は16か月時に, 類似の臨床表現型で受診した
 骨格X線では, 長骨フレア (実際的には平坦な寛骨臼) と分厚い大腿骨頸部をもっていた
 腰部椎体骨は, 卵形を示した
 尿中硫酸へパランは増加していた

●Ruijter et al. (2008) は, オランダ人 MPS IIIC 29例を報告した
 一部はトルコ人またはモロッコ人であった
 精神運動発達は生後1年は全例で正常であった
 行動異常または精神運動発達遅滞の発症は1-6歳でみられた
 行動異常は重度で, 不穏, カオス的行動, 癇癪がみられた
 睡眠障害は多くみられた
 他には, 下痢, 鼠径または臍帯ヘルニア, 反復性上気道感染およびけいれんがあった
 色素性網膜炎が30歳以上の3例にみられた
 神経学的には, 患者は言語発達喪失と発達低下が運動機能喪失の約10年前に示した
 平均死亡は34歳であった

●Canals et al. (2011) は, MPS IIIC の関連のない発端者11例 (スペイン7例, アルゼンチン1例, モロッコ1例) を報告した
 4家系には血縁があった
 発症年齢は3〜6歳であった
 臨床症状には, 運動機能悪化, 発語喪失, けいれん, 精神運動発達遅滞があった
 大多数の患者は, 粗な顔貌と多毛があった
 多様であるが多いその他の特徴には, 睡眠障害, 後側弯, 難聴および嚥下障害があった

生化学的特徴
●MPS IIIC で欠乏するリソソーム膜酵素は, 細胞質 acetyl-CoA をリソソームで硫酸へパランの末端 alpha-glucosamine 残基への輸送を触媒する
 これはリソソームで生じることが証明された最初の非加水分解活性であった
●Bame and Rome (1985) は, 酵素がピンポンメカニズムをとおして膜貫通アセチル化を行うことを発見した
 反応は2つの反応にわけることができる
 酵素のアセチル化とグルコサミンへのアセチル基の輸送である

●Bame and Rome (1986) は, 5つの細胞系 (オランダに住む3家系由来) が, リソソーム膜のアセチル化を触媒し, acetyl-CoA/CoA 交換を行うことを発見した (しかし結合したアセチル基をグルコサミンへは転移できなかった)
 しかし, イタリア人祖先をもつ患者由来の6番目の細胞系は, この活性がなかった
 リソソーム内の末端α連鎖グルコサミン残基のアセチル化は, heparan sulfate の分解ステップが必要であった
 acetyl-CoA は, この反応のアセチルドナーであるが, この共因子はリソソームの酸性および水解環境で安定して存在できる可能性はない
 N-acetyltransferase は, リソソーム膜を通しての完全な分子輸送なしで, heparan sulfate 分解で細胞質由来の acetyl-CoA を使用するための細胞手段を提供する
 リソソーム膜を通してのアセチル基のベクトル輸送は, 複雑な酵素および区画の問題に対してのユニークな解決のようにみえる
 変異の2つのクラスがアレリックかどうかは決定されていない
 データは, 単一のサブユニットを推測させるモデルに一致する (Rome, 1986)

診断
●Klein et al. (1981) は, C 型Sanfilippo 症候群のホモ接合体とヘテロ接合体の白血球を検出するアッセーを記載した
 患者は, acetyl-CoA:alpha-glucosaminide N-acetyltransferase の残余活性をもっていなかった
 著者らは, 酵素は強く膜と結合することに気づいた

出生前診断
●DiNatale et al. (1987) は, 10週で得られた胎盤絨毛献体の酵素検査により胎児で MPS IIIC を診断した

遺伝
●MPS IIIC は常染色体劣性疾患である (Fan et al., 2006)

マッピング
●Ausseil et al. (2004) は, 10カ国31家系のMPS IIC 44例とその患者でない親戚でゲノム全体のスキャンを行った
 数家系に血縁があった
 患者での過剰なホモ接合体と患者親戚の遺伝子型の解析は, 8番染色体を証明した
 連鎖解析は, 8番染色体動原体領域の 8.3 cM 候補遺伝子領域を分離した
(最大多点 lod score = 10.61, マーカー D8S519 で
 患者同胞はこの領域の15の連続マーカーの状態が同じであった

分子遺伝学
●Fan et al. (2006) は, ヒト N-acetyltransferase をコードする HGSNAT 遺伝子 (610453)を証明し, 2つのヒト MPS IIIC 細胞株の4つのアレルを説明する2つの変異を証明した
 スプライス接合部変異 (610453.0001) は3つの変異アレルを説明し, 1塩基挿入 (610453.0002) は4番目を説明した

●Hrebicek et al. (2006) は, Sanfilippo 症候群C型の候補連鎖領域を8pの D8S1051 と D8S1831 の間の 2.6-cM インターバルに狭めた
 HGSNAT 遺伝子の原因変異を証明した (例, 610453.0003-610453.0005)
 MPS IIIC 発端者30例で, 彼らは4つのナンセンス変異, 欠失または重複による3つのフレームシフト変異, 6つのスプライス部位変異, 14のミスセンス変異を証明した
 発端者は, 地理的および人種的に様々であった
 この研究の変異解析に含まれた発端者30例中23例で, HGSNAT 変異は両方のアレルで証明された
 5例の発端者はミスセンス変異のヘテロ接合体で, 2番目の変異はまだ証明されなかった
 2例の発端者では, コード領域またはすぐ近接する領域の変異は証明されなかった
 これらの患者は, 全 MPS IIIC 座でのマイクロサテライトマーカーがホモ接合体で, まだ証明されていないHGSNAT変異がホモ接合体かもしれなかった
 ヒト HGSNAT とマウス相同遺伝子の機能的発現は, これがリソソーム N-acetyltransferase をコードする遺伝子であり, この酵素が細胞膜をとおして活性化された acetyl 残基を輸送する新しい構造クラスのタンパクに属することを示唆した

●Coutinho et al. (2008) は, MPS IIIC の関連のないポルトガル人患者3例で, HGSNAT 遺伝子の2つの異なる変異を証明した (610453.0006 and 610453.0007)

●Feldhammer et al. (2009) は, HGSNAT 遺伝子の50の病的変異がそれまで報告されていると述べた
 著者らは10の新しい変異を証明した
 出版された変異のレビューは, 変異が HGSNAT 遺伝子全体に広がり, 明らかな遺伝子型/表現型相関はなかった

●Canals et al. (2011) は, MPS IIIC の11例 (スペイン7例, アルゼンチン1例, モロッコ1例) で, 7つの新しい変異を含む HGSNAT 遺伝子の9つの異なる病的変異を証明した
 最も多い変異は372-2A-G (610453.0007)で, スペイン人患者4例で発見され, スペイン人患者の50%であった (7 / 14 アレル)
 2番目に多い変異は 234+1G-A (610453.0010)で, スペイン人1例とモロッコ人2例で発見された
 ハプロタイプ解析は, これらの変異の創始者効果を示した
 7つの新しい変異の各々は, 1例のみで発見された
 COS-7 細胞では in vitro 機能発現解析は, ミスセンス変異が実質的に残存酵素活性をもたないことを示した (0-1.19%).

集団遺伝学
●Nelson ら(2003) は, 多数の認知源を使って, 1969年から1996年までの西オーストラリアでの Sanfilippo 症候群 (全型) の頻度 1/58,000 生産児を得た
 全体で11例 (A型5例, B型5例, C型1例) であった

●Ruijter et al. (2008) は, オランダ人で2つの HGSNAT 変異が高頻度であると報告した (R344C; 610453.0008 and S518F; 610453.0009)
 →各々変異アレルの 22% と 29.3%

●オーストラリア, ポルトガル, オランダでの MPS IIIC の有病率は, 各々 0.07, 0.12, 0.21/ 100,000 である (Feldhammer et al., 2009)

歴史
●Zaremba ら(1992) は, Sanfilippo 病 IIIC 型の同胞2例での均衡型ロバートソン転座と思われる所見から, 本疾患で変異している遺伝子は, 14番または21番染色体の動原体周囲に位置すると示唆した
 母は同じ14番と21番の均衡型ロバートソン転座をもっていた
 正常な3番目の小児は, 母から転座を受け継がなかった
 Zaremba ら(1992) は, 疾患に必要な2つの変異座の1つが, 14番か21番のどちらかの動原体周囲の再構成の結果で, 父のみが '調節' 変異の保因者である可能性をあげた

(文献)
(1) Kreisse H et al. Clinical and biochemical findings in a family with Sanfilippo disease, type C. Clin Genet 10: 364, 1976
(2) Klein U et al. Sanfilippo syndrome type C: deficiency of acetyl-CoA: alpha-glucosaminide N-acetyltransferase in skin fibroblasts. Proc Nat Acad Sci 75: 5185-5189, 1978
(3) Bartsocas C et al. Sanfilippo type C disease: clinical findings in four patients with a new variant of mucopolysaccharidosis III. Europ J Pediat 130: 251-258, 1979
(4) Hopwood JJ, Elliott H. The diagnosis of the Sanfilippo C syndrome, using monosaccharide and oligosaccharide substrates to assay acetyl-CoA: 2-amino-2-deoxy-alpha-glucoside N-acetyltransferase activity. Clin Chim Acta 112: 67-75, 1981
(5) Klein U et al. Sanfilippo syndrome type C: assay for acetyl-CoA: alpha-glucosaminide N-acetyltransferase in leukocytes for detection of homozygous and heterozygous individuals. Clin Genet 20: 55-59, 1981
(6) Rome LH et al. Utilization of exogenously added acetyl coenzyme A by intact isolated lysosomes. J Biol Chem 258: 3006-3011, 1983
(7) Bame KJ, Rome LH: Acetyl coenzyme A: alpha-glucosaminide N-acetyltransferase: evidence for a transmembrane acetylation mechanism. J Biol Chem 260: 11293-11299, 1985
(8) Uvebrant P: Sanfilippo type C syndrome in two sisters. Acta Paediat Scand 74: 137-139, 1985
(9) Bame KJ, Rome LH: Acetyl-coenzyme A: alpha-glucosaminide N-acetyltransferase: evidence for an active site histidine residue. J Biol Chem 261: 10127-10132, 1986
(10) Bame KJ, Rome LH: Genetic evidence for transmembrane acetylation by lysosomes. Science 233: 1087-1089, 1986
(5) Bartsocas C et al. First-trimester prenatal diagnosis of Sanfilippo C disease. Prenatal Diag. 7: 603-605, 1987
(11) DiNatale, P.; Pannone, N.; D'Argenio, G.; Gatti, R.; Ricci, R.; Lombardo, C. : First-trimester prenatal diagnosis of Sanfilippo C disease. Prenatal Diag. 7: 603-605, 1987
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2009/09/22
2011/10/12
2011/10/14
2015/07/13 SNP
2015/09/09 アレリック疾患変異追加
2016/05/08 SNP