疾患詳細

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#252920
Mucopolysaccharidosis IIIB (MPS3B)
(MPS IIIB; MPS3B)
(Sanfilippo syndrome B)
(N-acetyl-alpha-D-glucosaminidase deficiency)
(NAGLU deficiency)

ムコ多糖症 III B
(Sanfilippo 症候群 B型)
(N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ欠損症)
(NAGLU 欠損症)
(N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ多型; NAG)
(N-アセチルグルコサミニダーゼ, α-; NAGLU)
指定難病19 ライソゾーム病
小児慢性特定疾病 代77 ムコ多糖症Ⅲ型

責任遺伝子:609701 N-acetyl-alpha-D-glucosaminidase, alpha- (NAGLU) <17q21.2>
遺伝形式:常染色体劣性

(症状)
(GARD)
 Aggressive behavior (攻撃的行動) [HP:0000718] [02200]
 Asymmetric septal hypertrophy (非対称性中隔肥大) [HP:0001670]
 Autosomal recessive inheritance (常染色体劣性遺伝) [HP:0000007]
 Cardiomegaly (心拡大) [HP:0001640] [1121]
 Coarse facial features (顔貌異常) [HP:0000280] [0408]
 Dense calvaria (濃い頭蓋冠) [HP:0000250] [160113]
 Diarrhea (下痢) [HP:0002014] [01806]
 Dysostosis multiplex (多発性異骨症) [HP:0000943] [-]
 Hearing impairment 
 Hearing impairment (難聴) [HP:0000365] [091]
 Heparan sulfate excretion in urine (尿中ヘパラン硫酸排泄) [HP:0002159] [2066]
 Hepatomegaly (肝腫) [HP:0002240] [01813]
 Hirsutism (多毛) [HP:0001007] [17112]
 Hyperactivity (多動) [HP:0000752] [02204]
 Intellectual disability (知的障害) [HP:0001249] [0120]
 Joint stiffness (関節硬直) [HP:0001387] [15100]
 Juvenile onset (若年発症) [HP:0003621]
 Ovoid thoracolumbar vertebrae (卵形胸腰椎骨) [HP:0003309]
 Progressive neurologic deterioration (進行性神経学的悪化) [HP:0002344]
 Recurrent upper respiratory tract infections (反復性上気道感染症) [HP:0002788] [014230]
 Seizures (けいれん) [HP:0001250] [01405]
 Sleep disturbance (睡眠障害) [HP:0002360] [0152]
 Splenomegaly (脾腫) [HP:0001744] [01817]
 Synophrys (連続眉毛) [HP:0000664] [1721]
 Thickened ribs (分厚い肋骨) [HP:0000900]  [16121]
 
 (UR-DBMS)
【一般】発達正常 (就学前にピーク) → *重度の精神遅滞 (1-2歳から早期学童期) → 寝たきり状態
 1.5-3歳までに精神運動の遅れ
 通常は正常な身長, 高身長, 軽度の低身長
 軽度の肝脾腫
 頻回の上気道感染症
 下痢
 けいれん
 睡眠障害
【神経】神経学的退行, 進行性
 重度の行動異常 (3-4歳)
 自閉症
 多動
 攻撃的行動
【頭】長頭
 大頭
【顔】*軽度の粗い顔貌
 分厚い口唇
【眼】透明な角膜
【鼻】上向きの鼻孔
【口】分厚い歯槽隆起
【耳】難聴
【胸郭】分厚い肋骨
【心】非対称性の中隔 肥大, MI, MVP
【体幹】臍ヘルニア
【四肢】軽度の関節拘縮
 肘運動制限
 鷲手
【X線】軽度の多発性異骨症
 骨年齢促進
 点状骨端
 軽度の脊椎奇形
 卵形胸腰部脊椎骨
 くちばし状脊椎骨 (両凸の胸腰部椎体骨)
 濃い頭蓋骨
【毛髪】多毛
 粗い毛髪
 分厚い眉毛
 連続眉毛
 内側眉毛フレア
【検査】*ムコ多糖症 (硫酸ヘパランのみ)
 Heparan N-sulfatase 欠損 (線維芽細胞, 羊水細胞)
(Sanfilippo A) sulfate sulfatase 欠損
(Sanfilippo B) N-acetyl-alpha-glucosaminidase 欠損
(Sanfilippo C) acetyl CoA:alpha-glucosaminide N-acetyltransferase 欠損
(Sanfilippo D) N-acetyl-alpha-glucosamine-6-sulfate sulfatase 欠損
【治療】酵素置換療法が有効との報告はない
【出生前診断】羊水穿刺で
【その他】早期小児期発症
 10-20歳代で死亡
 数例の患者は軽い表現型をもつ
 4つの臨床型が生化学的に区別できる (例 type IIIA, 252900)

<小児慢性特定疾病 代77 ムコ多糖症Ⅲ型>
概要・定義
グリコサミノグリカンのヘパラン硫酸(HS)の分解に必要なライソゾーム酵素の先天的欠損により発症する常染色体劣性遺伝性疾患である。ムコ多糖症I型やⅡ型と比べて骨の障害が少なく知的障害は重い。軽度の肝臓腫大があり、角膜混濁はない。尿中にヘパラン硫酸が出ているがデルマタン硫酸は認められない。
疫学
日本では、約10万人に1人の発生頻度である。
病因
生化学的に4つの亜型にわけられる。すなわち、heparan N-sylfatase欠損症(A型)、α-N-acetylglucosaminidase欠損症(B型)、acetylCoA:α-glucosaminide acetyltransferase欠損症(C型)、N-acetylglucosamine 6-sulfatase欠損症(D型)の4つである。
日本人では、B型の方が多い。
また、沖縄県にB型のcommon mutationがありfounder effectが推測されている。C型、D型は、どちらもまれである。
症状
2歳から6歳頃に症状が発現する。多動、乱暴な行動、発達遅滞、粗い毛、多毛が認められる。中枢神経変性症状が急速に進行し、7~8歳までに言語は消失する。言葉の獲得が見られないままに退行する症例もある。10歳代になると、睡眠障害、肝脾腫、痙攣発作が見られ、周囲とのコンタクトも消失する。Sanfilippo症候群は、ムコ多糖症に特徴的な粗な顔貌や関節・骨の変形は非常に軽度であるため、診断が難しい。身長も、ほぼ正常範囲である。10歳代で寝たきりとなり、多くは20歳代頃に呼吸器感染症等で死亡するが、30歳、40歳にまで達する症例もある。A型が比較的重症であると言われている
診断
ムコ多糖の過剰蓄積は、尿中ムコ多糖の定量で判定する。尿中ムコ多糖の分画から、病型をある程度予測できるが、最終的には、血液あるいは培養皮膚線維芽細胞などで酵素活性の低下を証明し確定診断とする。遺伝子診断は、診断を確定するのに必須ではないが重症度の予後判定や家族内の保因者診断や同胞の出生前診断には有用である。
① 画像検査:頭蓋骨肥厚、トルコ鞍拡大、腰椎卵円化、オール状肋骨、砲弾様指骨、大腿骨頭異形成などを認めるが、ムコ多糖症I型Ⅱ型に比して程度は軽い。尿中ウロン酸(GAG):DSとHSが多量に排泄される。排泄量は成長とともに減少する。
② 尿中ムコ多糖分析:尿中ウロン酸総量の増量、ヘパラン硫酸の排泄増多。
③ 末梢白血球あるいは培養線維芽細胞で上記の酵素活性のひとつが欠損している。
診断方法
(1) 下記の症状・臨床検査からムコ多糖症を疑う。
症状:特有の顔貌、関節拘縮、関節変形、骨の変形、精神運動発達障害、神経学的退行、角膜混濁、難聴、繰り返す滲出性中耳炎、アデノイド、扁桃肥大、臍ヘルニア、そけいヘルニア、肝脾腫大、閉塞性呼吸障害、騒音性呼吸、異所性の蒙古斑など。それぞれの症状は、治療を行わないと加齢に伴い進行する。
臨床検査:全身骨X線で多発性の骨形態変化を認める。その他、尿中ウロン酸排泄量の上昇があり、病型により、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸などの過剰排泄を認める。
(2) 確定診断は酵素診断によりなされる。白血球、培養線維芽細胞などの検体から、以下の酵素の活性低下を示すことにより、診断が確定する。なお、遺伝子診断は、補助的検査であり、原則として、確定診断には用いない。

ムコ多糖症I型: α-L-iduronidase
ムコ多糖症II型: Iduronate sulfarase
ムコ多糖症III型:  heparan N-sylfatase (IIIA)
 α-N-acetylglucosaminidase (IIIB)
 acetylCoA:α-glucosaminide acetyltransferase (IIIC)
 N-acetylglucosamine 6-sulfatase (IIID)
ムコ多糖症IV型: N-acetylgalactosamine 6-sulfatase欠損症
 β-galactosidase欠損症
ムコ多糖症VI型: N-Acetylgalactosamine 4-sulfatase(別名arylsulfatase B)
ムコ多糖症VII型: β-Glucuronidase
※  なお、2014年2月現在、検査センターエスアールエルで、尿中ウロン酸、ムコ多糖分画および血液検体を用いたムコ多糖症 I型、II型、III型、IV型、VI型、VII型の酵素診断が可能である。

当該事業における対象基準
全A  疾患名に該当する場合

治療
造血幹細胞移植が考慮されるな愛があるが、効果は明らかではない。酵素補充療法が、ⅢA型とⅢB型で開発中である。

予後
進行性で致死性の重篤な疾患である。
成人期以降
進行性疾患のため成人期には特に重症化する。


(治療) 効果的な酵素置換療法はない
(責任遺伝子) *609701 N-acetyl-alpha-D-glucosaminidase, alpha- (NAGLU) <17q21.2>
.0001 Mucopolysaccharidosis type IIIB (252920) [NAGLU, ARG674HIS] (dbSNP:rs104894590) (Zhao et al. 1995; Zhao et al. 1996)
.0002 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG626TER] (dbSNP:rs104894591) (Zhao et al. 1995; Zhao et al. 1996)
.0003 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG297TER] (dbSNP:rs104894592) (Zhao et al. 1995; Zhao et al. 1996; Weber et al. 1999)
.0004 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG643HIS] (dbSNP:rs104894593) (Zhao et al. 1996; Weber et al. 1999)
.0005 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, 10-BP DEL, NT503 [dbSNP:rs483352897] (Zhao et al. 1996)
.0006 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG643CYS] (dbSNP:rs104894594) (Weber et al. 1999)
.0007 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, PRO521LEU] (dbSNP:rs104894595) (Weber et al. 1999)
.0008 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG565TRP] (dbSNP:rs104894597) (Weber et al. 1999)
.0009 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG565PRO] (dbSNP:rs104894598) (Weber et al. 1999; Tanaka et al. 2002)
.0010 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, PHE48LEU] (dbSNP:rs104894599,118204024) (Yogalingam et al. 2000)
.0011 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, PHE314LEU] (dbSNP:rs104894600,118204025) (Tanaka et al. 2002)
.0012 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG482TRP] (dbSNP:rs104894596) (Tanaka et al. 2002)
.0013 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG234CYS] (dbSNP:rs104894601) (Beesley et al. 1998; Mangas et al. 2008)
.0014 Mucopolysaccharidosis type IIIB [NAGLU, ARG565GLN [dbSNP:rs104894598] (Najmabadi et al. 2011)
.0015 Charcot-Marie0Tooth disease, axonal, type 2V (616491) [NAGLU, ILE403THR [dbSNP:rs796052122] (Tetreault et al. 2015)
.0016 VARIANT OF UNKNOWN SIGNIFICANCE [NAGLU, GLU123TER [dbSNP:rs796052123] (CMT2V) (Tetreault et al. 2015)

(ノート)
●(#) は, Sanfilippo 症候群 B, またはムコ多糖症 IIIB 型は N-alpha-acetylglucosaminidase (NAGLU; 609701) をコードする遺伝子の変異が原因であるため

●Sanfilippo 症候群 B は, 常染色体劣性リソソーム蓄積症で, heparan sulfate (ヘパラン硫酸) の蓄積が特徴である
 臨床的には, 患者は進行性神経変性, 行動異常, 軽度の骨格変化および短い寿命をもつ
 臨床重症度は軽度〜重度の範囲がある (Chinen et al., 2005)

● Sanfilippo 症候群または MPS III の表現型と遺伝的異質性は MPS IIIA (252900)を参照

臨床症状
●Harris (1961) は, Sanfilippo 症候群の最も早い症例を報告したかもしれない
 同じ患者は後に Neufeld (1973) により MPS IIIB であることが示された

●Van Schrojenstein-de Valk と van de Kamp (1987)は, Sanfilippo 症候群B型の軽症バリアントをもつ30〜43歳の7例をレビューした
 これらの患者の身体所見に特別なものはなかった
 認知症と行動障害が疾患の後半に生じた
 7例中4例は家系Aの同胞であった
 2例は家系Bの同胞で, 7番目はこれら2例の二重いとこであった

●Yogalingam et al. (2000) は, 遺伝子解析により確定されたSanfilippo症候群Bの軽症型をもつ1例を報告した (609701.0003; 609701.0010)
 患者は, 18か月時, 発育不全, 発達遅滞, 肝腫および下痢で受診した
 3歳時, 彼は粗な毛髪, 腹部膨満, 柔らかい肝腫, 正常顔貌をもっていた
 肝機能と骨格検査は正常であった
 彼は, 多動性攻撃的行動を伴う知能障害をもっていたが, 退行はなかった
 彼は, 緩徐進行経過をたどったが, 31歳時まだ生存していた
 機能検査は, 細胞内 35-S-labeled GAG 蓄積の34%を代謝できる有意な残存 NAGLU 活性を示し, 一部の変異NAGLUがリソソームに正しくソートされていることを示唆した
 Yogalingam et al. (2000) は, 残存NAGLU活性は彼らの患者での軽症表現型を説明できると示唆した

生化学的特徴
●O'Brien (1972) は, Sanfilippo 症候群Bでの異常は, alpha-N-acetylglucosaminidase 活性の欠損または減少であると決定した

●Andria et al. (1979) は, MPS IIIB の同胞3例を報告した
 同胞2例は重症で, 1例は軽症であった
 同じ家系内での臨床的異質性の所見は異常であった
● Ballabio et al. (1984) は.Andria et al. (1979) の系症例細胞と重症例細胞との細胞融合で, 相補を認めなかった
 →軽症型と重症型の両方がアレリックであることを示す

●Pande et al. (1992) は, MPS IIIB と Glanzmann 病 (273800) の両方をもつ両親がいとこの女児1例を記載した
 両疾患は 17q21にマップされている
 この家系では, ヘテロ接合体の解析により, 2疾患間に遺伝的連鎖はなかった
 発端者の母はヘテロ接合範囲のNAGLU活性をもっていたが, 父は野生型ホモ接合に類似した正常レベルをもっていた
 数人の家族はNAGLU活性の異常高値をもち, Vance et al. (1980, 1981) や Pericak-Vance et al. (1985)が証明していた'過活性' アレルに一致した
 Pande et al. (1992) は, 発端者の父は異常なNAGLU 遺伝子型をもつと結論した
 →過活性アレルと障害のあるアレルの組み合わせ
 この所見は, NAGLU 酵素の正常レベルが義務的ヘテロ接合体で派遣されうることを示し, 生化学的基盤のみでの遺伝子型分類を不可能にした

診断
出生前診断
●Kleijer et al. (1984) は, Sanfilippo 症候群Bの出生前診断を行い, 羊水の上昇したheparan sulfateが酵素アッセーを補完することを発見した

●Minelli et al. (1988) は, Sanfilippo 症候群Bの出生前診断を絨毛膜絨毛検体により行った

治療
●Vellodi et al. (1992) は, Sanfilippo 症候群Bの双生児姉妹で骨髄移植を行った
 診断は18か月時, 臨床的に正常な時尿中の異常な heparan sulfate 発達遅滞胃切と血漿および白血球での glucosaminidase 欠乏によりつけられた
 診断は兄が患者であったため疑われた
 移植は最初ハプロ同一な父から行われた
 どちらも正着しなかったため, 2回目の移植がハプロ同一の母から行われ成功した
 移植後9年の経過観察は, どちらの双生児も治療しなかった兄の同一年齢時のような障害はなかった
 有益な効果の他の証拠が記録された

細胞遺伝学
●Wenger et al. (2000) は, NAGLU 遺伝子のホモ接合変異をもつSanfilippo症候群B, 糖原病 Ia 型, おそらく均衡型相互転座 t(12;20) をもつ小児1例を記載した
 両親は血縁のないチョコスロバキア人/ハンガリー人であった
 曽祖父母4人中3人は人種的に類似していた
 父と正常な兄弟1人の核型は 46,XYであった
 母はリンパ芽球が 45,X で, 線維芽細胞が 45,X/47,XXX であった
 Sanfilippo 症候群 B と GSD Ia の両方が 17q21にマップされており, 共通メカニズムを示唆した
 Wenger et al. (2000)は, 同一患者での2つの劣性疾患と新生転座が関係ないということは非常にありえないと述べた

分子遺伝学
● Zhao et al. (1996) は, Sanfilippo 症候群B患者のゲノムDNAのPCR増幅分節の SSCP 解析を使って, NAGLU 遺伝子のいくつかの劣性変異を証明した (例, 609701.0001-609701.0005).

● Tessitore et al. (2000)は, Sanfilippo 症候群B患者20例の変異スクリーニングで, NAGLU 遺伝子の28の変異を証明した
 →14は新しい変異であった
 これらの変異のなかで, 4つはホモ接合で, 1つのみが異なる片親でみられた
 →本疾患での顕著な分子遺伝学的異質性を示す

●Tanaka et al. (2002) は, 関連のない6家系から Sanfilippo 症候群 B の日本人患者7例で, NAGLU 遺伝子の分子遺伝学的解析を行った
 6つの疾患責任変異が発見され, うち2つは新しい変異であった
 2家系は沖縄からであった
 →沖縄では他の日本の地域より多くの Sanfilippo 症候群患者が発見されていた
 F314L (609701.0011) と R565P (609701.0009) の複合ヘテロ接合であった同胞2例は.軽症型を示した
 急速な退行を伴う重症表現型をもつ2例は, 各々R482W (609701.0012) と R565Pがホモ接合であった
 Tanaka et al. (2002) は, R565P 変異は沖縄に多いことを示唆した
●Chinen et al. (2005) は, 沖縄の関連のない日本人患者5例でホモ接合 R565P 変異を証明し, 創始者効果を示唆した (琉球大学知念安紹)

●Najmabadi et al. (2011) は, 常染色体劣性知能障害の症候群型または非症候群型が分離する136の血縁家系 (90%以上はイラン人, 10%未満はトルコ人またはアラブ人) でホモ接合マッピング, 続いてexon enrichment と next-generation sequencing を行った
 彼らは, 両親がいとこの子同士の子供4例中3例が, MPS IIIB (重度の知能障害, 自閉症スペクトラム, 粗な顔貌)と, NAGLU 遺伝子のホモ接合ミスセンス変異をもつ1家系 (8600486) を証明した (609701.0014).

集団遺伝学
●ほぼ全世界で集められたSanfilippo症候群症例シリーズでは, A型がB型より多い
 しかし, Beratis et al. (1986) はギリシャでの11例中, 10例がB型で1例がA型であることを発見した
 →A型の両親はトルコのギリシャ人共同体出身であった
  B型の全例が東中央ギリシャとThessaly と Macedonia近郊地域出身であった

● Nelson et al. (2003) は, 多くの患者情報源を使って, 西部オーストラリアでの 1969~1996年の Sanfilippo 症候群 (全型) の発生率を約 1/58,000 生産とした
 前部で11例があり, A型5例, B型5例, C型1例であった

●Mangas et al. (2008) は, MPS IIIBがポルトガル人で最も多いMPS型であると述べた
 著者らは, NAGLU 遺伝子の創始者変異を証明した (R234C; 609701.0013)
 →彼らのポルトガル人患者での変異アレルの32%であった
 ハプロタイプ解析は, R234C変異がスペイン人とポルトガル人の両方に共通する創始者ハプロタイプから生じたことを示した
 →変異はイベリア半島の単一の比較的最近の起源をもつことを示唆する

Animal Model
Ellinwood et al. (2003) reported naturally occurring Sanfilippo syndrome IIIB in Schipperke dogs. Two affected dogs presented at about 3 years of age with progressive ataxia, tremors, and lethargy. Other findings included mildly dystrophic corneas and small peripheral foci of retinal degeneration. Naglu activity was less than 10% of normal values. Postmortem examination showed severe cerebellar atrophy with marked Purkinje cell loss.

(文献)
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