疾患詳細

疾患詳細



広範な手の水泡形成; 手の重症病変, 爪ジストロフィー; 口腔粘膜の水泡; 新生児の破壊性病変; エナメル室小孔; 舌背面は多数の瘢痕と完全な乳頭欠損を示す; 口唇粘膜は広範な瘢痕を示す (Oxford Univ. Press)

#226600
Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive (RDEB)
(Dystrophic epidermolysis bullosa, autosomal recessive)
(Epidermolysis bullosa dystrophica, Hallopeau-Siemens type; EBR1)
(Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive, localisata variant, included)

栄養障害型表皮水疱症 常染色体劣性
(栄養障害型表皮水疱症 Hallopeau-Siemens 型)
(栄養障害型表皮水疱症 常染色体劣性, 限局性バリアント)
(逆栄養障害型表皮水疱症 常染色体劣性)
指定難病36 表皮水疱症
小児慢性特定疾病 皮8 表皮水疱症

責任遺伝子:120120 Collagen, type VII, alpha-1 (COL7A1) <3p21.31>
遺伝形式:常染色体劣性

(症状)
(GARD)
 <80%-99%>
 Abnormal blistering of the skin (皮膚水泡異常) [HP:0008066] [18007]
 Abnormality of the anus (肛門異常) [HP:0004378] [123]
 Absent fingernail (指爪欠損) [HP:0001817] [1900]
 Absent toenail (趾爪欠損) [HP:0001802] [1900]
 Ankyloglossia (舌強直) [HP:0010296] [08101]
 Carious teeth (齲歯) [HP:0000670] [08314]
 Constipation (便秘) [HP:0002019] [01803]
 Dermal atrophy (皮膚萎縮) [HP:0004334] [18032]
 Dysphagia (嚥下障害) [HP:0002015] [01820]
 Esophageal stricture (食道狭窄) [HP:0002043] [12308]
 Milia (稗粒腫) [HP:0001056] [18025]
 Narrow mouth (狭い口) [HP:0000160] [0801]
 Pruritus (掻痒) [HP:0000989] [18021]
 Refractory anemia (反復性貧血) [HP:0005505] [2201]
 Squamous cell carcinoma of the skin (皮膚の扁平上皮癌) [HP:0006739] [2303]
 
 <30%-79%>
 Blepharitis (眼瞼炎) [HP:0000498] [06814]
 Corneal erosion (角膜びらん) [HP:0200020] [0621]
 Delayed puberty (思春期遅発) [HP:0000823] [2152]
 Ectropion (眼瞼外反) [HP:0000656] [06803]
 Flexion contracture (屈曲拘縮) [HP:0001371] [15100]
 Loss of eyelashes (睫毛喪失) [HP:0011457] [1730]
 Mitten deformity (ミトン変形) [HP:0004057] [15407]
 Osteopenia (骨減少) [HP:0000938] [160015]
 Osteoporosis (骨粗鬆症) [HP:0000939] [160015]
 Progressive visual loss (進行性視力喪失) [HP:0000529] [06011]
 Scarring alopecia of scalp (頭皮の瘢痕性禿頭) [HP:0004552] [17100]
 
 <5%-29%>
 Dilated cardiomyopathy (拡張型心筋症) [HP:0001644 [0273]
 Hypoalbuminemia (低アルブミン血症) [HP:0003073] [2083]
 
 
 Alopecia (禿頭) [HP:0001596] [17100]
 Anemia (貧血 ) [HP:0001903] [2201]
 Atrophic scars (萎縮性瘢痕) [HP:0001075] [18035]
 Autosomal recessive inheritance (常染色体劣性遺伝) [HP:0000007]
 Cataract (白内障) [HP:0000518] [0640]
 Congenital onset (先天性発症) [HP:0003577]
 Conjunctivitis (結膜炎) [HP:0000509] [06814]
 Corneal scarring (角膜瘢痕) [HP:0000559] [0621]
 Fragile skin (脆い皮膚) [HP:0001030] [18011]
 Growth delay (成長遅滞) [HP:0001510] [0130]
 Hypoplasia of dental enamel (エナメル質低形成) [HP:0006297] [08313]
 Malnutrition (栄養失調) [HP:0004395] [18045]
 Nail dysplasia (爪異形成) [HP:0002164] [1901]
 Nail dystrophy (爪ジストロフィー) [HP:0008404] [1901]
 Spontaneous esophageal perforation (自然食道穿孔) [HP:0005203] [12309]
 Squamous cell carcinoma (扁平上皮癌) [HP:0002860] [2303]

(UR-DBMS)
【一般】栄養障害による成長障害
 嚥下障害
 便秘
 皮膚感染症
【神経】嗄声 / 無声症 (aphonia)
【頸部】喉頭狭窄
【眼】角膜剥離
 眼瞼潰瘍
 結膜炎
 角膜瘢痕
 白内障
 眼瞼癒合
【口】口腔内水疱
 舌癒着
 小口
 エナメル質低形成
 齲歯
 萌出遅延 / 歯持続
【消化器】食道水泡
 食道絞扼
 自然の食道穿孔
 肛門水泡
【四肢】関節拘縮
 指趾癒合
 偽合指症
 ミトン変形
 鷲手
【X線】細い中手骨
 尖った末節骨
【毛髪】禿頭
【皮膚】ジストロフィー型水疱性表皮水疱症
 水泡, 反復性
 びらん
 皮膚脆弱性
 萎縮性瘢痕, 重度
 稗粒腫
 粘膜病変
 白色丘疹様病変が生じうる
 部分的先天性皮膚欠損
 栄養障害
 Nikolsky 現象
 多汗 (掌蹠)
(電顕) Sublamina densa level of tissue separation beneath basal membrane
Decreased number or absence of anchoring fibrils at dermal-epidermal junction
Hypotrophic anchoring fibrils
Decreased staining for collagen VII
【爪】ジストロフィー性爪
 爪萎縮
 爪喪失
【血液】栄養障害による貧血
【腫瘍】扁平上皮癌
【検査】皮膚の免疫反応性 collagenase の増加
【その他】発症は出生時または乳児期
 優性型 DEB (131750)はより軽い表現型をもつアレリック疾患phenotype

(要約) 栄養障害型表皮水疱症
●3つのサブクラスがある
・劣性 DEB, 重症全身性 (以前の Hallopeau-Siemens 型; RDEB-HS)
 全身の水胞が新生児期に生じうる
 口腔病変は口腔内水胞, 舌の口腔床での癒着, 口腔サイズの進行性減少を生じうる
 食道びらんが重度の嚥下障害を生じる翼や狭窄を生じうる
 →重度の栄養欠乏や二次合併症が多い
 角膜びらんは瘢痕を生じ, 視力障害となる
 手足の水胞と瘢痕化は指趾癒合を生じ "mitten" 手足となる (hallmark)
 生涯の侵襲性扁平上皮癌のリスクは90%以上である
・劣性 DEB, 全身性その他 (以前の non-Hallopeau-Siemens 型; RDEB-non-HS)
 軽症型で, 水胞は手足, 膝および肘に限局し, 屈曲面や体幹にも生じうる
 切断性瘢痕はない
・優性 DEB
 水胞は軽症が多く, 手足, 膝, 肘に限局されるが, 瘢痕を伴い治癒する
 爪ジストロフィー (特に趾) が多く, 唯一の症状かもしれない
●診断:全ての型のEBの臨床症状は有意にオーバーラップするので, 皮膚生検での透過電顕 (TEM) +/-免疫蛍光抗体/抗原マッピングが通常診断確定に必要である
●遺伝子:COL7A1のみが連関 (95%で)
 エクソン 73, 74, 75 変異が75%を示す
●管理:幽門閉鎖手術; 胃食道逆流の治療; 呼吸不全には気管切開
 新しい水胞の切開と三層保護
 必要なら気管切開
 抗菌剤, 電解質バランス, 必要なら胃瘻造設, Ca, ビタミン D, 亜鉛, 鉄補充
 拡張型心筋症への周期的エコー検査; 骨濃度チェック
 指趾手術
●遺伝:常染色体優性または常染色体劣性
・DDEB→患者の約70%は患者片親をもつ
・RDEB→
●透過電顕: 検体は固定培地 (gluteraldehydeなど), Formaldehydeは使えない
・全DEB: 表皮基底膜緻密層の真下で断裂あり
・常染色体劣性DEB, 重症全身型:係留繊維が著明に減少または欠損
・常染色体優性DEBとRDEBその他:係留繊維が減少し形態変化がみえうる
 細胞内コラーゲンVII貯留が一部の患者でみられうる
 新生児一過性水胞をもつ一部の患者では基底膜帯へ輸送されるかわりに基底ケラチン細胞内にコラーゲンVII が保持される
●免疫蛍光抗体/抗原マッピング
 コラーゲンVII への抗体染色が異常または欠損
・他の抗原 (laminin 332, collagen XVII, plectin, α6β4 integrin, keratins 5 と 14など)への染色は正常が DEBの診断を確定する

<小児慢性特定疾病 皮8 表皮水疱症>
概念・定義
平成6年に実施した全国疫学調査によると、全国推定患者数は500~640人。性比は男女ほぼ同数、年齢別では5歳未満が最も多く22%。発症年齢は約9割が1歳未満。
病型別では
(1)単純型 32%
(2)接合部型 7%
(3)優性と劣性栄養障害型 それぞれ21%と33%
(4)その他 7%
で、特定疾患治療研究事業対象((2)、(3))の合計は61%。受療状況は、主に通院が約50%で最も多く、次いで在宅療法16%、軽快10%、主に入院3%の順。軽症例も含め、実際の患者数はさらに多いと予想される。

表皮水疱症は、その遺伝形式と水疱の形成する部位によって4型に大別される。
(表1)
大分類 小分類 標的蛋白
単純型 限局型 ケラチン5, ケラチン14
ダウリングメアラ型 ケラチン5, ケラチン14
その他の汎発型 ケラチン5, ケラチン14
筋ジストロフィー合併型 プレクチン
幽門閉鎖合併型 プレクチン
接合部型 ヘルリッツ型 ラミニンβ3
非ヘルリッツ型 コラーゲン17,ラミニンβ3
幽門閉鎖合併型 インテグリンβ4, インテグリンα6
栄養障害型 優性型 コラーゲン7
劣性重症汎発型 コラーゲン7
劣性,その他の汎発型 コラーゲン7
キンドラー症候群 - キンドリン1
(新国際診断基準 Fineetal. JAm Acad Dermatol(2008)から引用)
病因
一般に、単純型と優性栄養障害型は常染色体優性遺伝、接合部型と劣性栄養障害型、キンドラー症候群は常染色体劣性遺伝形式をとる。単純型の水疱はトノフィラメントの異常に起因する基底細胞やヘミデスモゾームの脆弱化に基づく。前者はケラチン5、14遺伝子、後者はプレクチン遺伝子異常に起因する。
 接合部型は、重症なヘルリッツ型と比較的軽症な非ヘルリッツ型に大別される。両型とも水疱は基底細胞とlamina densa の間の lamina lucida に発生するが、ヘルリッツ型の水疱はlamina lucida にあるアンカリングラフィラメントの形成不全によると考えられ、ラミニン332(以前はラミニン5と呼ばれる)の遺伝子の変異が原因である。
 一方、非ヘルリッツ型の水疱はヘミデスモソームまたはアンカリングフィラメントの形成不全によると考えられ、その原因としてこれらの構成蛋白である17型コラーゲン、ラミニン332の遺伝子変異が同定されている。
 栄養障害型では、優性型も劣性型も、係留線維の構成成分である7型コラーゲンの変異で生ずる。
症状
一般に、四肢末梢や大関節部などの外力を受けやすい部位に、軽微な外力により水疱やびらんを生ずる。水疱・びらんは、単純型と優性栄養障害型では比較的速やかに治癒し、治癒後、単純型は瘢痕も皮膚萎縮も残さないが、優性栄養障害型は瘢痕を残す。
 接合部型と劣性栄養障害型では水疱・びらんは一般に難治であり、治癒した場合は接合部型では皮膚萎縮を、劣性栄養障害型では瘢痕を残す。
(1)単純型
水疱・びらんの治癒後、瘢痕も皮膚萎縮も残さず、遺伝形式は、主として常染色体優性。
【 主要病型 】
1)*ウェーバー・コケイン型、軽症型(水疱が手足に限局し、夏に増悪する。) 
2)*ケブネル型、中間型
3)ダウリング・メアラ型、重症型
4)筋ジストロフィー合併型
5)幽門閉鎖合併型
*:2008年の新分類では限局型に統一
(2)接合部型
水疱・びらんの治癒後、瘢痕は残さないが皮膚萎縮を残し、遺伝形式は、殆どが常染色体劣性。
【 主要病型 】
1)ヘルリッツ型(性成熟期に達する前に死亡する。)
2)非ヘルリッツ型(予後はヘルリッツ型より良く、生殖可能な年齢に達しうる。)
3)幽門閉鎖合併型(α6β4インテグリンの遺伝子変異により発症する。全身に水疱を認め、幽門部閉鎖を合併する。生後間もなく死にいたることが多い。)
(3)栄養障害型
水疱・びらんの治癒後、瘢痕を残し、遺伝形式は常染色体劣性と優性。
【 主要病型 】
1)優性栄養障害型
水疱・びらんの治癒後、瘢痕を残す。加齢とともに、症状が軽快することが多い。遺伝形式は常染色体優性。
2)劣性重症汎発型(アロポー・シーメンス劣性栄養障害型)
症状が重症で、7型コラーゲンの発現がない。
3)劣性、その他の汎発型(非アロポー・シーメンス劣性栄養障害型)
症状は、2)より軽く、7型コラーゲンの発現は減弱しているが確認される。
(4)合併症
皮膚悪性腫瘍、食道狭窄、幽門狭窄、栄養不良、貧血(主に鉄欠乏性)、関節拘縮、成長発育遅延などがあり、とくに劣性栄養障害型と接合部型の重症型において問題になることが多い。
診断方法
病名診断(表皮水疱症であるかの診断)
1. 主要事項
 ①臨床的事項
  軽微な機械的刺激により皮膚(ときに粘膜)に容易に水疱を生ずる。 
  原則として乳幼児期に発症し、長年月にわたり症状が持続する。
  薬剤・感染・光線過敏・自己免疫・亜鉛欠乏・重症魚鱗癬・皮膚萎縮症による水疱症を除外できる。
 ② 病理学的事項:電顕検査または表皮基底膜部部抗原局在検査により、水疱形成の初発位置は表皮内、接合部または真皮内のいずれかに一定している。
 判定:① a. b. c. の全てを満たし、かつ②を満たすものを表皮水疱症と診断する。
病型診断(表皮水疱症のうちどの病型であるかの診断)
電顕検査または表皮基底膜部抗原局在検査により水疱初発位置を確定した結果、次のように病型診断を行う。
1. 水疱初発位置が表皮内の場合:単純型と診断する。
2. 水疱初発位置が接合部の場合:接合部型と診断する。
3. 水疱初発位置が真皮内である場合:栄養障害型と診断する。

当該事業における対象基準
皮C
常に水疱びらんがあり、在宅処置として創傷被覆材(特定保険医療材料)を使用する必要のある場合

治療
現段階では根治療法は無く、対症療法のみである。その対症療法も病型により異なるので、まず正確な病型診断が必須不可欠である。最新の知見として、劣性重症汎発型の栄養障害型表皮水疱症において、骨髄移植を行い皮疹の改善を認めたという報告がなされている。
また本症は病型によっては種々の合併症を発生することにより、病状が増悪し、患者の日常生活を著しく制限することがあるので、各種合併症に対する処置も必要になる。さらに本症は難治の遺伝性疾患であるため、家系内患者の再発の予防にも配慮する必要がある。
(1)局所療法
水疱、びらん、潰瘍などを流水洗浄したのち、ガーゼとびらんが固着することを防ぐため、ソフトシリコンゲルを用いた非固着性の創傷被覆材やワセリンガーゼなどを貼付する。この際、水疱内容はあらかじめ穿刺排液しておく(水疱蓋は除去しない)。指趾間の癒着を伴う症例では、指間にワセリンガーゼを挟むなどして、指趾間の癒着を予防する。抗生物質含有軟膏の長期間にわたる使用は耐性菌の出現の原因となるため、特別な場合を除き、抗生物質含有軟膏を積極的に使用する必要はない。びらんや潰瘍の悪化が認められた場合は、真菌や細菌感染の合併、特に劣性栄養障害型表皮水疱症では皮膚癌の出現の可能性があるため、皮膚生検や真菌検査、細菌培養検査などを積極的に施行する。
基本的には軟膏療法を1日1回実施する。
(2)全身療法
栄養補給:特に劣性栄養障害型表皮水疱症では口腔粘膜や食道の病変により、栄養を十分摂取できず、慢性的な栄養不良、貧血になっていることが非常に多い。そのためエンシュアリキッドなどの栄養剤の経口摂取が有用である。経口摂取が困難な場合は経鼻チューブや点滴で、栄養を補給することもある。
止痒剤:掻痒がはげしい場合は抗ヒスタミン剤が奏功することもある。
(3)合併症に対する治療
劣性栄養障害型と接合部型において、指(趾)間癒着、皮膚悪性腫瘍、食道狭窄、幽門狭窄、肛門部のびらん・狭窄、栄養不良、結膜びらん、貧血などが問題になることが多い。これらの合併症に対しては、皮膚科医が中心となり、適宜臨床各分野の専門医の協力を得て、適切な処置を行う。
(4)生活指導上の注意
日常の生活では、不必要な外力を回避するように指導する。
予後
生後間もなく死に至るものから普通の社会生活を送ることが可能な軽症な病型もあるため、まず正確な病型診断が必要不可欠である。
接合部型あるいは劣性栄養障害型表皮水疱症では、有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍を併発することが多く、予後を左右することがある。

<指定難病36 表皮水疱症>
1.概要
 表皮水疱症は, 主として先天的素因により, 日常生活で外力の加わる部位に水疱が反復して生ずることを主な臨床症状とする一群の疾患である。本症は, 遺伝形式, 臨床症状並びに電顕所見に基づき30以上の亜型に細分されるが, 各亜型間に共通する特徴をまとめることにより, 7型, 4型又は3型に大別される(表)。これらの分類法のうち, 5大病型, すなわち, ①単純型, ②接合部型, ③優性栄養障害型④劣性栄養障害型, 及び⑤キンドラー症候群に分ける方法が最新の分類である。
 
2.原因
 一般に, 単純型と優性栄養障害型は常染色体優性遺伝, 接合部型と劣性栄養障害型, キンドラー症候群は常染色体劣性遺伝形式をとる。単純型の水疱はトノフィラメントの異常に起因する基底細胞やヘミデスモゾームの脆弱化に基づく。前者は, ケラチン5, 14遺伝子, 後者はプレクチン遺伝子異常に起因する。プレクチン遺伝子の変異で, 幽門閉鎖や筋ジストロフィーを合併することがある。
 接合部型は, 重症なヘルリッツ型と比較的軽症な非ヘルリッツ型に大別される。ヘルリッツ型は, ラミニン332(以前はラミニン5と呼ばれる)の遺伝子の変異が原因である。
 一方, 非ヘルリッツ型の水疱は, その原因として17型コラーゲン, ラミニン332の遺伝子変異が同定されている。また, α6やβ4遺伝子の変異で, 幽門閉鎖を合併することがある。
 栄養障害型は, 優性型も劣性型も, 係留線維の構成成分である7型コラーゲンの遺伝子変異で生じる。
 キンドラー症候群はキンドリン1の遺伝子変異で生じる。
 
3.症状
 一般に, 四肢末梢や大関節部などの外力を受けやすい部位に, 軽微な外力により水疱やびらんを生ずる。水疱・びらん自体は, 比較的速やかに治癒し, 治癒後, 瘢痕も皮膚萎縮も残さないものもあるが, 難治性で治癒後に瘢痕を残すものもある。
 合併症としては, 皮膚悪性腫瘍, 食道狭窄, 幽門狭窄, 栄養不良, 貧血(主に鉄欠乏性), 関節拘縮, 成長発育遅延などがあり, 特に重症型において問題になることが多い。
 
4.治療法
 現段階では根治療法はなく, 対症療法のみである。その対症療法も病型により異なるので, まず正確な病型診断が必須不可欠である。最新の知見として, 劣性重症汎発型の栄養障害型表皮水疱症において, 骨髄移植を行い, 皮疹の改善を認めたという報告がなされている。
 また, 本症は病型によっては種々の合併症を発生することにより, 病状が増悪し, 患者の日常生活を著しく制限することがあるので, 各種合併症に対する処置も必要になる。さらに, 本症は難治の遺伝性疾患であるため, 家系内患者の再発の予防にも配慮する必要がある。
 
5.予後
生後間もなく死に至るものから普通の社会生活を送ることが可能な軽症な病型もあるため, まず正確な病型診断が必要不可欠である。
 接合部型あるいは劣性栄養障害型表皮水疱症では, 有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍を併発することが多く, 予後を左右することがある。

<指定難病診断基準>
1.概念
 表皮水疱症は、主として先天的素因により、日常生活で外力の加わる部位に水疱が反復して生ずることを主な臨床症状とする一群の疾患である。本症は、遺伝形式、臨床症状及び電顕所見に基づき30以上の亜型に細分されるが、各亜型間に共通する特徴をまとめることにより、7型、4型又は3型に大別される。これらの分類法のうち、5大病型、すなわち、①単純型、②接合部型、③優性栄養障害型④劣性栄養障害型、及び⑤キンドラー症候群に分ける方法が最新の分類である。

2.病名診断(表皮水疱症であるか否かの診断)
(1)主要事項
 ①臨床的事項
 (a)軽微な機械的刺激により皮膚(ときには粘膜)に容易に水疱を生ずる。
 (b)原則として乳幼児期に発症し、長年月にわたり症状が持続する。
 (c)薬剤・感染・光線過敏・自己免疫・亜鉛欠乏・重症魚鱗癬・皮膚萎縮症による水疱症を除外で
きる。
 ②病理学的事項:光顕検査、電顕検査又は表皮基底膜部抗原局在検査により、水疱形成の初発位置は表皮・真皮境界部(表皮内、接合部又は真皮内のいずれか)に一定している。
(2)診断のカテゴリー:①(a) (b) (c)の全てを満たし、かつ②を満たすものを表皮水疱症と診断する。

3.病型診断(表皮水疱症のうちどの病型であるかの診断)
 電顕検査又は表皮基底膜部抗原局在検査により水疱初発位置を確定したのち、次のように病型診断を行う。
 (1)水疱初発位置が表皮内の場合:単純型と診断する。
 (2)水疱初発位置が接合部の場合:接合部型と診断する。 
 (3)水疱初発位置が真皮内である場合
 ①家族内に患者が2人以上発生している場合で、
  (a)患者が親子関係にあるものは優性栄養障害型と診断する。
  (b)患者が同胞関係にあるものは劣性栄養障害型と診断する。
 ②家族内に患者が1人のみ(孤発例)の場合で、
  (a)指間癒着が著しいものは劣性栄養障害型と診断する。
  (b)著しい指間癒着が認められない場合又は乳幼児のためこれらの症状に関する判定が困難な
場合は、
  ア)特定の施設に依頼して患者及び両親の血液DNAにつき、VII型コラーゲン遺伝子(COL7A1)遺伝子検査を実施する。その結果、VII型コラーゲン遺伝子(COL7A1)が患児のみに認められ健常な両親に認められなかった場合は優性栄養障害型と診断する。いずれかの遺伝子の病的変異が患者のみならず健常な両親にも認められた場合は、劣性栄養障害型と診断する。
  イ)遺伝子検査が実施できない場合は、患児の年齢が3~5歳に達し、症状の完成を待ってから鑑別診断を行う。
 (4)水疱形成部位が表皮内、接合部、真皮内のいずれの場合でも、皮膚所見で進行性の多型皮膚萎縮症状や光線過敏症があり、組織学的所見で基底膜の重層化を確認した場合はキンドラー症候群と診断する。
※表皮水疱症の分類
4大分類 5大分類 8大分類 35病型
単純型 単純型 優性単純型 Koebner 型; Weber-Cockayne型;Dowling-Meara型;色素異常型;色素異常を伴う疱疹状型;Ogna 型;表在型;棘融解型
単純型 単純型 劣性単純型 筋ジストロフィー合併型;致死型;Kallin 型;劣性疱疹状型
単純型 単純型 X連鎖劣性単純型 Mendes da Costa 型
接合部型 接合部型 劣性接合部型 Herlitz 型;軽症汎発性萎縮型 (ヒプスアリスミアHerlitz 型);限局性萎縮型;反対性萎縮型;進行型;瘢痕性接合部型;PA-JEB 症候群
接合部型 接合部型 優性接合部型 Traupe-Belter-Kolde-Voss 型
栄養障害型 優性栄養障害型 優性栄養障害型 Cockayne-Touraine 型;Panisi 型;前脛骨型;新生児一過性型;Bart 型:限局型;優性痒疹型
栄養障害型 劣性栄養障害型 劣性栄養障害型 Hallopeau-Siemens 型;非 Hallopeau-Siemens 型;限局型:求心型;強皮症型;劣性痒疹型
その他の病型                Kindler 症候群

(責任遺伝子) *120120 Collagen, type VII, alpha-1 (COL7A1) <3p21.31>
(1) Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive (226600)
.0001 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, MET2798LYS [dbSNP:rs121912828] (Christiano et al. 1993)
.0003 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, 1BP INS, INS2470G, FS, TER] (Christiano et al. 1996)
.0004 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, 1BP DEL, DEL3858G, FS, TER] (Christiano et al. 1996)
.0005 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, TYR311TER [dbSNP:rs121912830] (Christiano et al. 1995)
.0006 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, 1BP DEL, DEL5818C, FS, TER] (Christiano et al. 1995)
.0013 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, IVS35DS, G-T, +1] (Kon et al. 1998)
.0018 Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal recessive [COL7A1, IVS64DS, G-A, +1] (Mellerio et al. 1999)
.0019 Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal recessive [COL7A1, 1-BP DEL, 7786G] (Mellerio et al. 1999)
.0022 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, GLY2031SER [dbSNP:rs121912838] (Nordal et al. 2001)
.0034 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, ARG2063TRP [dbSNP:rs121912849] (Hovnanian et al. 1997; Titeux et al. 2008)
.0036 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, GLY2653ARG [dbSNP:rs121912851] (Christiano et al. 1996)
.0037 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, ARG2471TER [dbSNP:rs121912852] (Christiano et al. (1996)
.0038 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive [COL7A1, GLY2749ARG [dbSNP:rs121912853] (Christiano et al. 1996)
.0009 Epidermolysis bullosa dystrophica, recessive, localisata variant (226600) [COL7A1, IVS3DS, G-A, -2] (Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal recessive, included) (Gardella et al. 1996; Drera et al. 2006)
.0010 Epidermolysis bullosa dystrophica, recessive, localisata variant [COL7A1, IVS95DS, G-A, -1] (Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal recessive, included) (Gardella et al. 1996; Drera et al. 2006)
.0011 Epidermolysis bullosa dystrophica, recessive, localisata variant [COL7A1, GLY1347ARG [dbSNP:rs121912833] (Terracina et al. 1998)
.0012 Epidermolysis bullosa dystrophica, recessive, localisata variant [COL7A1, IVS70DS, G-A, -1 ] (Terracina et al. 1998)
.0040 Epidermolysis bullosa dystrophica inversa, autosomal recessive [COL7A1, ARG109TER [dbSNP:rs121912854] (Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive, included) (Hovnanian et al. 1994)
.0041 Epidermolysis bullosa dystrophica inversa, autosomal recessive [COL7A1, ARG2069CYS [dbSNP:rs121912855] (Kahofer et al. 2003)
.0042 Epidermolysis bullosa dystrophica inversa, autosomal recessive [COL7A1, GLY2316ARG] (Shimizu et al. 1999)
.0043 Epidermolysis bullosa dystrophica inversa, autosomal recessive [COL7A1, GLN2827TER [dbSNP:rs387906604] (Sato-Matsumura et al. 2002)
.0045 Epidermolysis bullosa dystrophica inversa, autosomal recessive [COL7A1, LYS142ARG [dbSNP:rs121912856] (Kahofer et al. 2003)
(2) Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant (131750)
.0002 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2040SER [dbSNP:rs121912829] (Christiano et al. 1994)
.0016 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2043ARG [dbSNP:rs121912836] (Mellerio et al. 1998)
.0026 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2006ASP [dbSNP:rs121912842] (Hammami-Hauasli et al. 1998)
.0027 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2015GLU [dbSNP:rs121912843] (Hammami-Hauasli et al. 1998)
.0028 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2034ARG [dbSNP:rs121912844] (Martinez-Mir et al. 2002)
.0031 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2037GLU [dbSNP:rs121912846] (Sawamura et al. 2006)
.0035 Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal dominant [COL7A1, GLY2076ASP [dbSNP:rs121912850] (Kon et al. 1997)
(3) Epidermolysis bullosa, pretibial (131850)
.0007 Epidermolysis bullosa, pretibial [COL7A1, GLY2623CYS [dbSNP:rs121912831] (Christiano et al. 1995)
.0021 Epidermolysis bullosa, pretibial, autosomal recessive (131850) [COL7A1, 14-BP DEL, NT33563] (Epidermolysis bullosa dystrophica, autosomal recessive, included) (Betts et al. 1999; Winberg et al. 1997)
.0029 Epidermolysis bullosa, pretibial, autosomal recessive [COL7A1, PRO1699LEU [dbSNP:rs121912845] (Gardella et al. 2002)
.0030 Epidermolysis bullosa, pretibial, autosomal recessive [COL7A1, IVS2, G-C, -1] (Gardella et al. 2002)
(4) Epidermolysis bullosa dystrophica, Bart type (132000)
.0008 Epidermolysis bullosa dystrophica, Bart type [COL7A1, GLY2003ARG [dbSNP:rs121912832] (Christiano et al. 1996)
(5) Transient bullous dermolysis of the newborn (131705) (607523 Toenail dystrophy, isolated )
.0014 Transient bullous dermolysis of the newborn (Toenail dystrophy, isolated ) [COL7A1, GLY2251GLU [dbSNP:rs121912834] (Toenail dystrophy, isolated, included) (Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal dominant, included) (Hammami-Hauasli et al. 1998; Ee et al. 2007)
.0015 Transient bullous dermolysis of the newborn [COL7A1, GLY1519ASP [dbSNP:rs121912835] (Hammami-Hauasli et al. 1998)
.0039 Transient bullous dermolysis of the newborn [COL7A1, IVS35AS, G-C, -1] (Christiano et al. 1997)
(6) Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal dominant (604129 AD)
.0017 Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal dominant [COL7A1, GLY2242ARG [dbSNP:rs121912837] (Mellerio et al. 1999; Lee et al. 1997)
.0020 Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal dominant [COL7A1, 16-BP DEL, NT6863] (Mellerio et al. 1999)
.0032 Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal recessive [COL7A1, ARG1630TER [dbSNP:rs121912847] (Drera et al. 2006)
.0033 Epidermolysis bullosa pruriginosa, autosomal [COL7A1, GLY2073VAL [dbSNP:rs121912848] (Drera et al. 2006)
(7) Toenail dystrophy, isolated (607523 AD)
.0023 Toenail dystrophy, isolated [COL7A1, GLY2287ARG [dbSNP:rs121912839] (Shimizu et al. 1999)
.0024 Toenail dystrophy, isolated [COL7A1, GLY1595ARG [dbSNP:rs121912840] (Sato-Matsumura et al. 2002)
.0025 Toenail dystrophy, isolated [COL7A1, GLY1815ARG [dbSNP:rs121912841] (Sato-Matsumura et al. 2002)
(8) Transient bullous dermolysis of the newborn (131705)
.0044 Transient bullous dermolysis of the newborn [COL7A1, GLY1522GLU [dbSNP:rs387906605] (Fassihi et al. 2005)

*COL7A1: collagen, type VII, alpha 1; (2944 aa)
・層状扁平上皮気体膜は固定繊維を形成し, 上皮基底膜構築とIV型コラーゲンなどの細胞外基質タンパクとの相互作用による接着に貢献するかも
・VII 型コラーゲン繊維は, 3つの同じαコラーゲン鎖からなり, 基底層真下の層状扁平上皮に限定される→外上皮と真下の間質の固定繊維である

(ノート)
A number sign (#) is used with this entry because autosomal recessive dystrophic epidermolysis bullosa (RDEB) and the RDEB localisata variant are caused by homozygous or compound heterozygous mutation in the gene encoding type VII collagen (COL7A1; 120120) on chromosome 3p21.

●常染色体劣性栄養障害型表皮水疱症は, 出生時に始まる重症皮膚疾患で, 皮膚基底膜真下の緻密下層レベルでの反復性水胞が特徴である
 →手足および関節の切断性瘢痕化と拘縮となる
 患者は, また, 粘膜病変から胃腸管狭窄を生じ, 栄養不良を生じうる
 患者は, 侵襲性扁平上皮癌を生じるリスクの増加をもつ (Christiano et al., 1996; Varki et al., 2007).

●アレリックな疾患には, 表現型がより軽い常染色体優性 DES (DDEB; 131750) と, 非症候群性爪異常症8 (NDNC8; 607523) がある
 → NDNC8は, 一部の劣性 DES 家系で, ヘテロ接合保因者が常染色体優性形質で分離することが発見されている

Clinical Features
Christiano et al. (1995) reported 3 Japanese brothers, aged 20, 16, and 13 years, with autosomal recessive DEB. All had extreme fragility of the skin since birth. The skin involvement led to extensive mutilating scarring, loss of nails, fusion of the digits, and joint contractures. The patients also had blistering of the mucous membranes in the oral cavity and esophageal strictures that caused severe malnutrition and anemia, which led to death in the oldest brother at age 21 years. Skin biopsies showed subbasal lamina dermal-epidermal separation with no anchoring fibrils.

Christiano et al. (1996) reported 4 unrelated families in which 5 individuals had autosomal recessive DEB. Two of the families were consanguineous. All presented at birth or soon after with skin blistering on the fingers, lips, oral mucosa, and ears, which later became widespread. Older patients had multiple erosions, scarring, mitten deformities of the hands from fusion, and joint contractures. Other features included loss of nails and esophageal strictures. Electron microscopy showed hypoplastic anchoring fibrils and cleavage at the level of the sublamina densa, consistent with dystrophic EB. One patient had skin missing from the left thumb and both feet at birth, showing phenotypic overlap with Bart syndrome (132000). Obligate heterozygous parents were clinically unaffected.

Recessive Dystrophic Epidermolysis Bullosa Inversa

The inversa subtype of autosomal recessive dystrophic epidermolysis bullosa is a rare variant characterized by lesions involving primarily the flexural areas of the body with sparing of the fingers and toes (Wright et al., 1993). Gedde-Dahl (1971) first described EBD inversa in 13 patients from 6 Norwegian families and noted the difference in distribution of skin involvement and in the course of the disease, including corneal, perianal and perivulvar involvement, compared to the Hallopeau-Siemens type of DEB.Hashimoto et al. (1976) described the disorder in 2 sisters.

Pearson and Paller (1988) described 4 American patients with DEB inversa and emphasized the occurrence of severe oral and esophageal mucosal involvement. Fingernails were normal or minimally involved, whereas toenails were mildly to moderately dystrophic or atrophic. The microscopic changes were said to be similar to those of the Hallopeau-Siemens form of epidermolysis bullosa.

Wright et al. (1993) reported 10 patients with RDEB inversa in whom the diagnosis was confirmed by tissue separation below the lamina densa and the clinical presentation of blister formation that typically localized to flexural areas. Although there was clinical variability in the severity and distribution of skin involvement, none of the patients showed pronounced digital webbing, severe generalized blistering, or growth retardation characteristic of Hallopeau-Siemens DEB. All patients had oral involvement, including ankyloglossia, loss of tongue papillae, and obliteration of the oral vestibule between the lips and gingiva. The oral opening was significantly reduced in older patients compared to controls. The teeth were not clinically abnormal or malformed and showed no evidence of generalized enamel hypoplasia. Wright et al. (1993)concluded that the inversa form of RDEB presents with oral findings that are similar to but milder than those seen in the Hallopeau-Siemens variant.

Hovnanian et al. (1994) reported 2 unrelated patients with recessive DEB inversa. An 11-year-old girl had neck, axilla, groin, and oral blistering with sparing of the hands and feet as well as sparing of the rest of the body. She had had severe and recurrent esophageal stenosis. The other patient had a similar clinical course. Skin biopsies of both patients showed cleavage beneath the lamina densa, absence of normal anchoring fibrils, and small numbers of rudimentary fibrils on electron microscopy.

Lin et al. (1995) reported 2 cases of dystrophic epidermolysis bullosa inversa. One patient had finger web scarring that required surgical correction and also had mild syndactyly of toes. The parents of one of the patients were cousins.

Other Features
●Destro ら(1987) は, 角膜病変をもつ40歳の女性を記載した
 全指趾の癒合がありミトン様変形と重度の全四肢の拘縮があった
 自然食道穿孔から生存し, 四肢から15の扁平上皮癌が除去された
 同様に罹患した姉妹1人は26歳で転移性扁平上皮癌のため死亡した

●Travis ら(1992) は, いろんな型の表皮水疱症246例の解析をもとに, えん下障害が劣性栄養障害型表皮水疱症の76%, 優性栄養障害型表皮水疱症 (131750)の20%, 接合部型表皮水疱症 (226700)の15%, 単純型の2%に見られたと報告した
 舌癒着または小口は栄養障害型表皮水疱症でのみみられるが, 優性より劣性でのほうが8倍多い
 これらの病変は食事での外傷で誘発され, 食餌摂取の減少は肛門水泡による便秘を悪化させ, 栄養障害となる
 食道狭窄は多く, 単一または多発性の食道翼を伴う

●Bass ら(1993) は, 本疾患の未熟女児を記載した
 母は第2三半期の血清および羊水α-フェトプロテインの著明な増加をもっていた
 羊水 acetylcholinesterase band 陽性, 連続エコー検査で陰性であった

●Bourke ら(1995) は, AA 型の致死性全身性アミロイドーシスを観察した
 姉妹の1人はアミロイドーシスの診断時22歳であった
 急速な腎機能の悪化にもかかわらず, 透析は広範な皮膚感染症のため不可能であった
 姉は26歳時アミロイドーシスの検査は陰性であった
  皮膚病変は妹と同等に重症であったが, 35歳まではアミロイド神経症は発生しなかった

●Melville ら(1996) は, 常劣栄養障害型表皮水疱症の関連のない小児2例を報告した
 致死性の拡張型心筋症を生じた
 両者は栄養障害があり, 重度の成長障害を示した
 心筋症の疑われた原因は微小元素欠乏であると示唆した
  血清セレニウムが減少していた(栄養障害型表皮水疱症の25例中14例でも減少していた)
 劣性栄養障害型表皮水疱症の他の18例で心エコー検査をしたが心筋症はなかった

Diagnosis
Prenatal Diagnosis

Anton-Lamprecht et al. (1981) achieved prenatal diagnosis of the Hallopeau-Siemens type of epidermolysis bullosa dystrophica by inspection of the skin through the fetoscope, confirmed by electron microscopic examination of a skin biopsy.

Hovnanian et al. (1995) used COL7A1 gene analysis for successful first-trimester prenatal diagnosis in 6 families at risk for recurrence of generalized recessive DEB. The disorder was of the severe Hallopeau-Siemens form in 5 families and the generalized nonmutilating form in 1. In all cases analysis of fetal DNA from amniotic fluid cells showed that the fetus had inherited at least one normal COL7A1 allele.

Mapping
Hovnanian et al. (1992) demonstrated linkage between a PvuII polymorphic site in the COL7A1 gene on chromosome 3p21 and recessive dystrophic epidermolysis bullosa in 19 informative families (maximum lod score of 3.95).

Ryynanen et al. (1991) and Uitto et al. (1992) demonstrated linkage between a PvuII RFLP of the COL7A1 gene and dominant DEB, suggesting that the autosomal dominant and autosomal recessive disorders are due to mutations in the same gene.

Molecular Genetics
In an African American family in which 4 individuals related as first cousins once removed had autosomal recessive epidermolysis bullosa dystrophica, Christiano et al. (1993) identified a homozygous mutation in the COL7A1 gene (M2798K; 120120.0001). The unaffected mother and half-brother were heterozygous for the mutation.

In 3 Japanese brothers with autosomal recessive DEB, Christiano et al. (1995) found compound heterozygosity for 2 truncating mutations in the COL7A1 gene (120120.0005; 120120.0006). The unaffected parents were each heterozygous for 1 of the mutations.

Christiano et al. (1996) identified glycine substitution mutations in the COL7A1 gene in affected members of 4 unrelated families with RDEB. Two families were compound heterozygous for a glycine substitution and a premature termination mutation (see, e.g.,120120.0036; 120120.0037), whereas the other 2 families were homozygous for a glycine substitution (see, e.g., 120120.0038). In all 4 recessive families, the glycine substitution mutation was silent in heterozygous carriers who had no disease manifestations.Christiano et al. (1996) stated that the COL7A1 gene is thus unique among the collagen genes in that different glycine substitutions can be either silent in heterozygotes or can result in a dominantly inherited DEB. Inspection of the location of the glycine substitutions did not show a positional effect in terms of phenotype or pattern of inheritance.

In a patient with RDEB previously reported by Hatta et al. (1995),Shimizu et al. (1999) identified compound heterozygosity for 2 mutations in the COL7A1 gene G2316R (120120.0042) and G2287R (120120.0023). Heterozygous carriers of the G2287R allele had normal skin but isolated toenail dystrophy, also called nonsyndromic congenital nail dystrophy-8 (NDNC8; 607523).

Sato-Matsumura et al. (2002) studied 2 unrelated Japanese families with RDEB in which isolated toenail dystrophy also segregated as an autosomal dominant trait. In family members with dystrophic changes limited to the toenails but without skin fragility, they identified heterozygosity for the glycine substitutions G1595R (120120.0024) and G1815R (120120.0025), respectively. The patients with RDEB in each family were compound heterozygous for 1 of these mutations, respectively, in combination with a nonsense (120120.0043) or frameshift mutation (120120.0006) in COL7A1. These results supported the idea that certain glycine substitutions in the collagenous domain of COL7A1 cause a limited nail deformity, and that these alleles can also contribute to variable degrees of skin fragility when present in combination with nonsense or frameshift mutations in COL7A1.

Varki et al. (2007) analyzed the COL7A1 gene in 310 patients with dystrophic epidermolysis bullosa. Mutations were found in 1 or both alleles in 243 (78.4%) patients, comprising 355 mutant alleles of the anticipated 438 (81.1%) mutant alleles. The authors reviewed the spectrum of COL7A1 mutation and genotype-phenotype correlations, noting that patients with severe recessive DEB tended to have premature truncating mutations, whereas those with milder dominant DEB tended to have glycine substitutions. Seven patients had features of both dominant and recessive forms of disease and were found to carry both dominant and recessive mutations.

In 2 unrelated patients, one with recessive DEB inversa and another with classic RDEB, Hovnanian et al. (1994) identified a heterozygous mutation in the COL7A1 gene (R109X; 120120.0040). Although a second pathogenic mutation was not identified, the authors presenting convincing evidence that the disorder was recessive in both cases.

In 2 brothers with recessive DEB inversa, Kahofer et al. (2003)identified compound heterozygosity for 2 mutations in the COL7A1 gene (120120.0041; 120120.0042).

Modifier Genes

A defect in collagenase (MMP1; 120353) was implicated early on in the pathogenesis of dystrophic epidermolysis bullosa. Type VII collagen is susceptible to degradation by collagenase (Seltzer et al., 1989). Bauer (1977) found that procollagenase purified from fibroblasts of 2 patients with DEB was more thermolabile, showed decreased calcium affinity, and had decreased activity in vitro compared to control values. Bauer et al. (1977) postulated a structural gene mutation, defective posttranslational modification of the enzyme, or a mutation in a gene regulating normal degradation of collagenase.

Bauer and Eisen (1978) observed enhanced collagenase production by cultured skin fibroblasts in 8 of 10 patients with autosomal recessive dystrophic epidermolysis bullosa. Increased levels of immunoreactive collagenase were found in unaffected and affected areas of the skin. However, Winberg et al. (1989) found collagenase overexpression in only 4 of 18 RDEB patients. Bauer et al. (1986)found that enhanced expression of collagenase by fetal recessive dystrophic epidermolysis bullosa skin fibroblasts could serve as a biochemical adjunct and possibly an alternative to morphologic examination of tissue for antenatal diagnosis. Phenytoin, which was found to inhibit synthesis or secretion of collagenase, had been thought to be effective in the systemic treatment of RDEB (Bauer et al., 1980); however, in a controlled study, Caldwell-Brown et al. (1992) showed that it was without effect.

Titeux et al. (2008) found a significant association between a functional SNP (rs1799750) in the MMP1 gene (120353.0001) and disease severity in 3 affected members of an RDEB family who were discordant for the SNP. The observations were confirmed in a cohort of 31 unrelated French RDEB patients: the functional SNP resulting in increased collagenase activity was associated with more severe phenotype (p = 6.27 x 10(-5)). Titeux et al. (2008) concluded that increased MMP1 leads to increased collagen degradation and worsening disease severity, suggesting that MMP1 is a modifier gene in RDEB.

Genotype/Phenotype Correlations
Van den Akker et al. (2011) reviewed the 29 known full genotypes associated with RDEB inversa from their study and the literature and found that the functional genotype in the disorder is a homozygous, compound heterozygous, or hemizygous missense mutation within the triple helical domain of COL7A1. Of the 19 known missense mutations, all involved substitutions of arginine or glycine. Three (e.g., R2063G) of the 5 arginine substitutions (e.g., R2063G) and 9 of the 14 glycine substitutions (e.g., G1907E) were specific to the inversa form of RDEB.

Clinical Management
Gene Therapy

Chen et al. (2002) delivered and expressed full-length COL7A1 to human skin cells in cell culture using a self-inactivating minimal lentivirus-based vector. Transduction of lentiviral vectors containing the COL7A1 transgene into keratinocytes and fibroblasts from patients with RDEB and absence of type VII collagen resulted in persistent synthesis and secretion of type VII collagen. Unlike parent cells from these patients, the gene-corrected cells had normal morphology, proliferative potential, matrix attachment, and motility. Chen et al. (2002) used these gene-corrected cells to regenerate human skin on immune-deficient mice. Human skin regenerated by gene-corrected cells had restored expression of type VII collagen and formation of anchoring fibrils at the dermal-epidermal junction in vivo.

Ortiz-Urda et al. (2002) found that bacteriophage integrase-based gene transfer stably integrated the COL7A1 cDNA into genomes of primary cultured epidermal progenitor cells from 4 unrelated RDEB patients. Skin regenerated using these cells displayed stable correction of hallmark RDEB disease features, including type VII collagen protein expression, anchoring fibril formation, and dermal-epidermal cohesion. Ortiz-Urda et al. (2003) stably transfected recessive dystrophic epidermolysis bullosa fibroblasts with a plasmid encoding human COL7A1 cDNA, which led to the expression of type VII collagen protein at a level quantitatively higher than that of normal keratinocytes. Intradermal injection of these RDEB(+) cells into intact mouse skin resulted in correct localization of human type VII collagen to the epidermal-dermal basement membrane zone. This expression was stable for the 16-week duration of the experiment. Injection of RDEB(+) fibroblasts into RDEB human skin tissue regenerated on immune-deficient mice restored type VII collagen at the cutaneous basement membrane zone and corrected subepidermal blistering.

Wagner et al. (2010) reported the results of allogeneic hematopoietic stem-cell transplantation after immunomyeloablative chemotherapy in 6 children with autosomal recessive dystrophic epidermolysis bullosa. They showed variable reductions in blister formation between 30 and 130 days after transplantation. Two patients had rapid and substantial clinical improvement, 1 had slow improvement with only a modest overall benefit, 1 had rapid improvement on short-term followup, and 1 had a recurrence of blistering after an early period of almost no blistering. One recipient died at 183 days after transplant from graft rejection and infection. Skin biopsies showed a substantial proportion of donor cells in the skin and mucosa. The cells appeared to ba hematopoietic in origin, but their identity could not be fully determined. The authors suggested that the donor cells secreted type VII collagen that was subsequently incorporated into the lamina densa. Type VII collagen deposition could be detected in skin biopsies after treatment, but anchoring fibrils never appeared normal. Wagner et al. (2010) emphasized that bone marrow transplantation is a high-risk procedure, but noted that it may offer some benefits to patients with autosomal recessive dystrophic epidermolysis bullosa.

History
In the family with 3 affected sibs in which linkage studies excluded the involvement of the collagenase locus on 11q22, Hovnanian et al. (1991) found high levels of collagenase mRNA in only 2 of the 3 affected sibs, suggesting that it was not the primary defect in that family. By linkage studies, Colombi et al. (1992) also excluded the interstitial collagenase gene as the one responsible for severe generalized recessive epidermolysis bullosa dystrophica. They also excluded stromelysin I (MMP3; 185250) and stromelysin II (MMP10;185260). The same family had other members affected with a form of cerebellar ataxia of postpubertal onset. The 3 genes, as well as fibronectin (FN1; 135600) on chromosome 2, were excluded as being involved in both phenotypes.

Animal Model
In an inbred breed of golden retriever dogs with RDEB and aberrant expression of collagen type VII reported by Palazzi et al. (2000), Baldeschi et al. (2003) isolated and analyzed the 9-kb dog COL7A1 cDNA and identified a 5716G-A transition in exon 68, resulting in a gly1906-to-ser (G1906S) substitution at a conserved residue. Highly efficient transfer of the wildtype COL7A1 cDNA to both dog RDEB and human primary RDEB COL7A1-null keratinocytes, using recombinant retrovirus vectors, achieved sustained and permanent expression of the transgene product. The expression and posttranslational modification profile of the recombinant collagen type VII was comparable to that of the wildtype counterpart. The recombinant canine collagen type VII in human RDEB keratinocytes and dog cells corrected the observable defects caused by RDEB keratinocytes in cell cultures and in vitro reconstructed skin. Baldeschi et al. (2003) concluded that not only infection efficiency but also high expression levels may be required to ensure therapeutic efficacy in the presence of mutated gene products.

Fritsch et al. (2008) developed a transgenic mouse model with conditional inactivation of Col7a1 expression resulting in a Col7a1 hypomorphic animal expressing about 10% of normal Col7a1 levels. Homozygous mice appeared normal at birth, but developed blisters on the paws by 24 to 48 hours after birth. Hypomorphic mice showed poor general condition resulting from poor nutrition and blisters of the tongue. A liquid diet resulted in increased survival. Mitten deformities of the paws were found to result from soft tissue accumulation and contraction due to aberrant fibrosis that accompanied wound healing. The phenotype resembled the human recessive disorder, including skin fragility, nail dystrophy, pseudosyndactyly, and growth retardation. Intradermal injection with wildtype fibroblasts restored Col7a1 deposition and function and resulted in phenotypic improvement.

(ノート2)
瘢痕形成型 EB-皮膚融解性水疱 (Hallopeau-Siemens 型).
● Gedde-Dahl (1971) と Gedde-Dahl and Anton-Lamprecht (1983)の広汎な研究は, このグループが非常に有意な異質性をもつことを示唆した
 水胞は通常出生時または生後すぐみられ, 圧迫部位に, 外傷部位にまたは自然に生じる
 乳児では, 最も多い患部は, 足, 臀部, 肩甲部, 肘, 指および後頭部である
 年長児では, 手, 足, 膝および肘が最も多い
 水胞が破裂または破れると, 生の有痛性表面が明らかとなる
 水胞に含まれる液体は, 最初は無菌であるが, 二次感染し血性となる
 治癒するにつれ, 水胞はケロイド瘢痕が続き, 狭窄を生じる
 →稗粒腫様嚢胞と伴うことが多い
 瘢痕は, 骨構造の喪失または成長障害と結果としての小人症となるかもしれない
 鷲手形成およびグラブ様表皮嚢手が頻回にみられる (Chavanas S et al 1996, Wong WL, Pemberton J 1992)
 Nikolsky サインが多く見られる
 爪は高度に障害され, ジストロフィー性または欠損することが多い (Gedde-Dahl T Jr 1971)
 掌蹠の多汗が一定しない症状であるが, 顕著かもしれない
 毛髪は欠乏するかもしれない

●眼にはいくつかの変化がみられる
 結膜の収縮, 非特異的眼瞼炎, 眼瞼癒合, 結膜炎, 角膜混濁を伴う角膜炎, 小胞形成 (Gedde-Dahl T Jr 1971).

●嗄声とまらに失声症と嚥下障害が, 喉頭または咽頭の水胞の結果として生じうる
 喉頭狭窄が瘢痕の結果生じる
 食道病変が, 完全閉塞となりうる (Becker MH, Swinyard CA 1968, Hillemeier C et al 1981).

●変化は, 本質的に, 手, 足および食道に限定される
 食道 (上半分が最も多い) は, 小児期に分節的狭窄となるかもしれず, 嚥下障害を生じる (Becker MH, Swinyard CA 1968, Wey W. Schnyder UW 1964)
 中手骨は細く, 過剰狭窄し, 末節骨は尖り, 鷲様となる (Brinn LB, Khilnam MT 1967, Wong WL, Pemberton J 1992)
 25歳までに, Cooper TWとBauer EA 1984によれば, Hallopeau-Siemens バリアントのそれぞれ23.7%と51.0%が少なくとも1つの扁平上皮癌を生じた (Otte HG et al 1990)
 さらに, このバリアントの悪性黒色腫の合計リスクは12歳までに4.1%であることがわかった (Fine J-D 1995)
 血管肉腫も合併症として報告されている (Schmutz JL et al 1998).
 20歳以後までの劣性栄養障害型EB患者にそとんど死亡率の増加はない
 しかし, 40歳までに, 死亡率は33.3%で, この集団での扁平上皮癌の時期に合致する (Fine J-D 1995).

口腔症状
●相当数の著者が, 齲歯になりやすい低形成エナメル質, 萌出遅延, 頻回の残存をもつと述べているが, これらの症状の頻度の記載はほとんどない (D'Angelo M 1981, Kinast H, Schuh E 1973, Matras H 1963, Winstock D 1962)
 Rodermund OE (1967) は, 皮膚症状の程度と歯症状の程度には相関はないと述べた
 あばたのあるエナメル質が Rodermund (1967)によりよく図示された
 未萌出歯の組織学的検査は Delaire and colleagues (1960) と Arwill and coworkers (1965)により記載された
 →プリズム構造のないエナメル質低形成あり
 抜歯は Crawford et al (1976)により調べられ, 象牙質エナメル質接合部からエナメル質表面に伸びるエナメル質タフト形成の強調を発見した
 さらに, 不規則な歯ヒダ形成とギザギザが象牙質エナメル質接合部にみられた

●口腔粘膜病変は生後すぐ生じ, 水胞は吸啜反射に関与する陰圧により明らかに形成されている (Wright JT et al 1993)
 口腔水胞は少なくとも16%で生じるが, 頻度はもっと高いと思われる
 舌粘膜は, 分厚く, 灰色で, スムースにみえ, くっつくかもしれない
 瘢痕形成を伴う反復性水胞化は, 舌強直, 舌萎縮, 口腔粘膜および前庭溝の廃絶, 口周囲狭窄となりうる (Block MS, Gross BD 1982, Crawford EG et al 1976)
 歯槽骨吸収を伴う重度の歯周病も知られている (D'Angelo M 1981)
 ルーチン歯磨きでも口唇や粘膜に水胞を生じうる (Block MS, Gross BD 1982)
 水胞形成後の瘢痕に続く開口障害や舌強直が報告されている (Block MS, Gross BD 1982)
 その他, 上顎萎縮と比較的下顎突出, 下顎角増加 (Brinn LB, Khilnam MT 1967), および口腔癌 (Klausner E 1913, Rdckl H 1963, Schiller F 1960)が報告されている
 口腔粘膜の組織学的変化は, Arwill and associates (1965)によりよく証明されている
 水胞は PAS 陽性基底膜以下で生じる (Lowe LB 1967)
 ヘミデスモソームとトノフィラメントは欠損しているか数の減少がある
●Lowe (1967) は真皮の弾性線維とプレ弾性線維の増加にも気付いた
●Hitchin (1973) はセメント質障害を記載した

遺伝と遺伝学
●遺伝は常染色体劣性または常染色体優性である
●Hovnanian and Christiano (1993) と Uitto et al (1992) は, COL7A1 と PvuII 多型部位と栄養障害型表皮水疱症との連鎖を証明した
 VII 型コラーゲンは, 層状扁平上皮の真下の基底膜帯に限定されているようであった
 皮膚基底膜帯内では, VII 型コラーゲンは緻密層と上部乳頭真皮の下部緻密層領域に局在している (Gardella R et al 1996, Naeyaert JM et al 1995)
 重症常染色体劣性栄養障害型は VII 型コラーゲン欠乏と連関していることが発見されている (Bruckner-Tuderman L 1995).

●Christiano et al (1993, 1995, 1995) は, Bart 型の劣性栄養障害型表皮水疱症をもつ患者で VII 型コラーゲンの変異を発見した (Naeyaert JM et al 1995)
 後に1996年に (Christiano AM et al 1996, Christiano AM et al 1996), 彼らは COL7A1 は異なるグリシン置換が栄養障害型表皮水疱症表現型のスペクトラムと遺伝形式となりうるコラーゲン遺伝子のなかでユニークであると述べた
●Hovnanian et al (1997) は, 劣性栄養障害型表皮水疱症の関連のない16家系の患者で, COL7A1 遺伝子の21の変異の性状を明らかにした
 →18は以前に報告されていなかった
 21変異のうち14は, 早期終止コドンをつくり, ナンセンス変異, 小さな挿入, 欠失およびスプライス部位変異であった
 他の7つの変異が分子のコラーゲンドメインでグリシンまたはアルギニン置換を予測した
 遺伝子型-表現型相関により, Hovnanian et al (1997)はこれらの変異が性状と位置は表現型の重要な決定因子であると示唆した
●Hammami-Hauasli et al (1998) は, 自然に生じる COL7A1 変異を調べ, 一部のコラーゲンVIIのグリシン置換は, 優性阻害効果でタンパク生合成を阻害することを示した
 エクソン73の3つの点変異は, コラーゲンVIIの triple helical domainのグリシン置換を生じ, 折畳みと分泌を干渉した
 反対に, triple helix のもう一つの分節のグリシン置換は表現型沈黙を維持した
 したがって, コラーゲンVIIはグリシン置換の生物学的結果が triple helix 内の位置に依存するというコラーゲンでの顕著な例外である
●Hovnanian et al (1995) は, 反復のリスクのある妊娠で, 全身性劣性栄養障害型表皮水疱症のDNA出生前診断を報告した

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