疾患詳細

疾患詳細



MRI: 小脳橋角での両側性の強調された腫瘤NF2 患者胸部での局面様病変. これらは隆起し, 軽度色素沈着のことが多く, 毛がはえていることが多い. 上腕の主神経の皮下シュワン細胞腫. (Evans DGR et al. J Med Genet 37: 897-904, 2000)

#101000
Neurofibromatosis, type II (NF2)
(Neurofibromatosis, central type)
(Acoustic schwannoma, bilateral)
(Bilateral acoustic neurofibromatosis; BANF)
(Acoustic neurinoma, bilateral; ACN)
 
神経線維腫症 II 型
(神経線維腫症, 中枢型)
(聴神経鞘腫, 両側性)
(両側性聴神経線維腫症)
(聴神経腫, 両側性)
指定難病34 神経線維腫症
小児慢性特定疾病 悪88 神経鞘腫
 
責任遺伝子:607379 Neurofibromin 2 (NF2) <22q12.2>
遺伝形式:常染色体優性

(症状)
(GARD)
 <80%-99%>
 Ataxia (運動失調)  [HP:0001251] [028]
 Sensorineural hearing impairment (感音難聴)  [HP:0000407] [0910]
 Tinnitus (耳鳴) [HP:0000360] [01424]
 Vertigo (眩暈] [HP:0002321] [01427]
 
 <30%-79%>
 Abnormal cerebellum morphology (小脳形態異常) [HP:0001317] [16013]
 Abnormal hand morphology (手形態異常) [HP:0005922] [152]
 Babinski sign (バビンスキー反射) [HP:0003487] [0213]
 Cataract (白内障) [HP:0000518] [0640]
 Cognitive impairment (認知障害) [HP:0100543] [0123]
 Constipation [便秘] [HP:0002019] [01803]
 Delayed speech and language development (言語発達遅滞) [HP:0000750]) [01201]
 Dysphagia (嚥下障害) [HP:0002015] [01820]
 Dysuria (排尿障害)  [HP:0100518] [0190]
 Generalized hypotonia (全身性筋緊張低下)  [HP:0000939] [0242]
 Global developmental delay (全般的発達遅滞)  [HP:0001263] [0120]
 Hypertelorism (両眼開離) [HP:0000316] [06607]
 Impaired vibratory sensation (振動覚障害) [HP:0002495] [02511]
 Joint hypermobility (関節過動)  [HP:0001382] [15102]
 Migraine (偏頭痛] [HP:0002076] [014141]
 Motor delay (運動遅滞) [HP:0001270] [0120]
 Overbite (オーバーバイト) [HP:0011094] [08305]
 Short stature (低身長) [HP:0004322] [0130]
 Slurred speech (不明瞭発語)  [HP:0001350] [0230]
 Spastic dysarthria (痙性構音障害) [HP:0002464] [0230]
 Spastic paraparesis (痙性対麻痺) [HP:0002313] [02613]
 Specific learning disability (特異的学習障害)  [HP:0001328] [01202]
 Upper limb muscle weakness (上肢筋力低下) [HP:0003484] [0270]
 
 <5%-29%>
 Abnormal thumb morphology (母指形態異常) [HP:0001172] [155]
 Abnormality of the nares (鼻孔異常) [HP:0005288] [074]
 Abnormality of the retinal vasculature (網膜血管異常) [HP:0008046] [065]
 Ankle clonus (足クローヌス) [HP:0011448] [01405]
 Anxiety (不安) [HP:0000739] [02201]
 Astrocytoma (星状細胞腫) [HP:0009592] [2304]
 Clinodactyly (弯指) [HP:0030084] [15409]
 Corneal opacity (角膜混濁)  [HP:0007957] [0620]
 Distal amyotrophy (遠位筋萎縮) [HP:0003693] [0270]
 Downslanted palpebral fissures (眼瞼裂斜下) [HP:0000494] [0672]
 Dysgraphia (書字障害) [HP:0010526] [02622]
 Emotional lability (情緒不安定) [HP:0000712 ) [02205]
 Epicanthus (内眼角贅皮) [HP:0000286] [06811]
 Facial palsy (顔面神経麻痺) [HP:0010628] [02603]
 Gait disturbance (歩行障害) [HP:0001288] [028]
 Genu valgum 外反膝 [HP:0002857] [15112]
 Hallucinations (幻覚) [HP:0000738] [0206]
 Hoarse voice (粗い声) [HP:0001609] [02370]
 Increased intracranial pressure (頭蓋内圧亢進) [HP:0002516] [03010]
 Low-set ears (耳介低位) [HP:0000369] [09007]
 Meningioma (髄膜腫) [HP:0002858] [2315]
 Microcephaly 小頭 [HP:0000252] [03013]
 Multiple cafe-au-lait spots (多発性カフェオーレ斑) [HP:0007565] [18002]
 Occasional neurofibromas (まれに神経線維腫) [HP:0009595] [2318]
 Panic attack (パニック発作) [HP:0025269] [02205]
 Papule (丘疹)  [HP:0200034] [18007]
 Pes cavus 凹足 [HP:001761] [15602]
 Prominent nose (目立つ鼻) [HP:0000448] [0706]
 Pseudoepiphyses of the metacarpals  [HP:0009193]
 Psychosis (精神病) [HP:0000709]) [0206
  Sensory neuropathy (感覚ニューロパチー)  [HP:0000763] [025]
 Sleep disturbance (睡眠障害) [HP:0002360] [0152]
 Spastic gait (痙性歩行) [HP:0002064] [0241] [028]
 Speech apraxia (言語失行) [HP:0011098] [01201]
 Subcutaneous nodule (皮下結節] [HP:0001482] [18027]
 Visual impairment (視力障害) [HP:0000505] [06011]
 
 <1%-4%>
 Bilateral vestibular Schwannoma (両側性前庭シュワン細胞腫) [HP:0009589]
 Cafe-au-lait spot (カフェオーレ斑) [HP:0000957] [18002]
 Cortical cataract (皮質白内障) [HP:0100019] [0640]
 Ependymoma (上衣腫) [HP:0002888] [2304]
 Hearing impairment (難聴)  [HP:0000365] [091]
 Hydronephrosis (水腎症) [HP:0000126] [13009]
 Juvenile posterior subcapsular lenticular opacities (若年性後部嚢下水晶体混濁) [HP:0007935] [0640]
 Retinal hamartoma (網膜過誤腫) [HP:0009594] [2311]
 Seizures (けいれん)  [HP:0001250] [01405]
 Unilateral vestibular Schwannoma (片側性前庭シュワン細胞腫) [HP:0009590] [2326]
 
 
 Autosomal dominant inheritance (常染色体優性遺伝) [HP:0000006]
 Epiretinal membrane (網膜上膜) [HP:0100014] [0652]
 Headache [頭痛] [HP:0002315] [01414]
 Peripheral neuropathy (末梢ニューロパチー) [HP:0009830] [0204]
 Peripheral Schwannoma (末梢シュワン細胞腫) [HP:0009593] [2326]
 
(UR-DBMS)
【一般】*頭痛
【神経】*早期の軽度の小脳性運動失調
 末梢神経障害
【眼】*若年性後極または核性白内障 (50%)
 *Lisch 結節なし
 *網膜過誤腫
 網膜上膜
【耳】*難聴 (最初の症状) (通常10歳代で) (44%; 35%で片側性)
 *耳鳴
【皮膚】*カフェオーレ斑 (43%) (2 cm 未満, 通常6個未満, 見逃されやすい)
 シュワン細胞腫
【腫瘍】*両側性の/ 片側性の聴神経腫 + / - 脊椎周囲の神経線維腫
 *髄膜腫
 *グリオーマ
 上衣腫
 神経線維腫
 星状細胞腫
【その他】頻度 1/25,000 生産児
 60歳までにほぼ100%の浸透度
 変異の約半数が新生

【その他の症状】(眩暈), 疼痛, 嘔気と嘔吐, 知能変化, 嚥下障害
 顔面麻痺, 片麻痺, 平衡感覚障害, 情緒変化, 構音障害, 全身性および限局性ニューロパチー
 水頭症
 角膜反射低下, 視力喪失, 複視, 兎眼, 涙分泌減少
 垂手/垂足
 後側弯
 明瞭な境界のはっきりした軽度に盛り上がった粗い皮膚, 色素亢進し毛髪がある場合が多い (47%)
 末梢性神経線維腫は伴わないことが多い, 末梢神経の球状の皮下腫瘍 (33%), 皮内の乳頭状の皮膚神経線維腫 (20%)

(要約) 神経線維腫症2 (2018.3.15)
(神経線維腫症 II 型)
●神経線維腫症2 (NF2) は, 耳鳴 (10%), 難聴 (片側性35%, 両側性9%)および平衡障害 (8%)を伴う両側性前庭シュワン細胞腫(悪性ではない)が特徴である
 焦点性筋力低下 (12%), けいれん (8%), 焦点性感覚障害 (6%), 盲 (1%), 症状なし (11%)
 平均発症年齢は18〜24歳である
 ほぼ全ての患者は30歳までに両側性前庭シュワン細胞腫を生じる
 患者は他の脳および末梢神経のシュワン細胞腫, 髄膜腫, 上衣腫および非常にまれに星状細胞腫も生じうる
 NF2は成人発症疾患と考えられるので, 小児では低く認められているかもしれない
 →眼所見 (網膜過誤腫, 分厚い視神経, 皮質楔状白内障, 第3脳神経麻痺)が最初の症状かもしれない
 小児期に生じる単一ニューロパチーが次第に増加する所見である
 →持続性顔面神経麻痺 (12%), または垂手/垂足としてみられることが多い
●治療: 前庭シュワン細胞腫:外科的 (stereotactic radiosurgery→ gamma knifeによる)
※NF2関連腫瘍の放射線治療は避ける(特に小児で)→悪性化率が大きい
●診断:臨床基準+/-NF2のヘテロ接合変異の証明による
●遺伝:常染色体優性
●(示唆する所見) 以下の臨床症状をもつ患者にNF2の1度近親者でがあると可能性が大となる
(小児) 2つ以上で
 皮内を含むいずれの場所かのシュワン細胞腫
 出生時または早期小児期での皮膚局面 (組織学的には叢状シュワン細胞腫が多い)
 髄膜腫 (特に非髄膜上皮 (非くも膜)細胞起源)
 皮質楔状白内障
 網膜過誤腫
 モノニューロパチー (特に顔面神経麻痺, 垂足または垂手, または第3神経麻痺)
(成人)
 両側性前庭シュワン細胞腫
 側性前庭シュワン細胞腫+髄膜腫, シュワン細胞腫, グリオーマ, 神経線維腫, 後部嚢下水晶体混濁または皮質楔状白内障のうち2つ
 多発性髄膜腫+片側性前庭シュワン細胞腫, または, シュワン細胞腫, グリオーマ, 神経線維腫, 後部嚢下水晶体混濁のうち2つ
●臨床診断規準 (NIH 修正基準)
1) 両側性前庭シュワン細胞腫
2) NF2の1度近親者で
 片側性前庭シュワン細胞腫, または, 髄膜腫, シュワン細胞腫, グリオーマ, 神経線維腫, 後部嚢下水晶体混濁のうち2つ
3) 片側性前庭シュワン細胞腫と髄膜腫, シュワン細胞腫, グリオーマ, 神経線維腫, 後部嚢下水晶体混濁のうち2つ
4) 多発性髄膜腫と
 片側性前庭シュワン細胞腫, または, シュワン細胞腫, グリオーマ, 神経線維腫, 後部嚢下水晶体混濁のうち2つ
※疑診のある患者は遺伝子診断を受けるべきである
●遺伝子診断
 NF2 配列解析 75%
 欠失/重複解析/CMA 20%
○体細胞モザイク:多い 25-33%
 リンパ球などの罹患していない組織では分子遺伝学には正常かもしれない→腫瘍組織で診断する (両方のNF2アレルの変異の証明が必要)
 →両方に変異が証明されたらリンパ球で変異解析し, どちらが体質性でどちらた体細胞性かを決定する
●平均死亡時年齢 36歳
 確定診断からの生存期間 15年
 →早期診断とよい治療で改善する
●浸透度:ほぼ100%
●命名:神経線維腫症は間違った命名 (シュワン細胞腫と髄膜腫が主な腫瘍であるため)
●頻度:1:60,000, 出生時 1:33,000
●NF1との違い
 NF2の患者は認知障害なし, Lisch 結節なし
 NF2でのシュワン細胞腫は神経線維肉腫にはならない
 NF2では一般集団よりは多いが有意なカフェオーレ斑の増加はない
 ダンベル型脊髄根腫瘍は NF2ではシュワン細胞腫, NF1では神経線維腫である→最初診断の混乱を生じうる
(NF2)
●遺伝子構造: longest かつ predominant NF2 transcript = NM_000268.3; エクソン数16
 NF2は幅広く発現され3つのmRNA を生じる→ 7, 4.4, 2.6 kb
○病的バリアント: 少なくとも 400 が記載されている
 ミスセンス, ナンセンスおよびスプライシングバリアントが最も多い
 1塩基バリアントの90%は短縮タンパクを生じる→正常なタンパク機能の喪失が腫瘍発生の原因である
 ナンセンス変異を生じるCGAコドンの C-to-T transitions が特に多い
 10%未満はin-frame 欠失とミスセンス変異である
 →徳的の機能的ドメインの変化がNF2の腫瘍抑制活性を廃絶する
○正常産物: merlin (for moezin-ezrin-radixin-like protein)
 schwannomin とも言われる→シュワン細胞腫形成防止の役割のため

(要約)
●神経線維腫症 (NF) は神経組織が神経線維腫に成長する遺伝性疾患である
 →無害, または, 圧迫による重篤な障害を生じる可能性あり
 全ての神経堤細胞を障害する (シュワン細胞, メラニン細胞, 神経内膜線維芽細胞)
 →体全体に増殖し腫瘍を形成し, メラニン細胞機能障害は色素沈着となる
 腫瘍は, 皮膚下腫瘤, 色素斑, 骨格異常, 脊髄神経根圧迫その他を生じうる
 重症度は多様である
 突然変異は50%
●分類
(1) 神経線維腫症1型;neurofibromin 遺伝子変異 (17q11.2)
 診断は2/7でつけられる
 ・皮膚または皮膚下の2つ以上の神経線維腫または1つの叢状神経線維腫
 ・臀部または腋窩の色素斑
 ・カフェオーレ斑 (coast of California)
  思春期前では最大径 5 mm 以上, 思春期後では直径 15 mm 以上が6個以上
 ・骨格異常 (蝶形骨異形成, 長管骨皮質菲薄化, 湾曲肢)
(湾曲肢異形成-常染色体性性逆転)
湾曲肢異形成)
 ・Lisch 結節 (虹彩の過誤腫)
 ・視神経腫瘍 (視神経グリオーマ)
(2) 神経線維腫症2型;NF2 (Merlin) 遺伝子変異 (22q12)
 ・難聴となる前庭蝸牛神経 (第8脳神経)の両側性聴神経腫
  →NF2 の hallmark で20歳あたりで聴神経腫による難聴が生じる
   頭痛, 平衡感覚障害, 眩暈, 顔面衰弱/麻痺, 他の脳・脊髄腫瘍, 耳鳴
 ・NF2 の親戚
(3) シュワン細胞症; 両方の遺伝子変異で
 多発性シュワン細胞腫である
 脳神経, 脊髄神経, 末梢神経に生じる
 慢性疼痛, 無感覚, うずき, 虚弱みられる
 1/3は分節性シュワン細胞腫をもつ (腕, 下肢, 脊椎のみなど)
 前庭神経には生じない→難聴を伴わない
 学習障害など関連疾患はない
●NFでは学習障害が多い (少なくとも50%)
 小発作てんかんが多い
 腫瘍は神経がある部位のどこにでも生じうる
●頻度
 ・NF1: 1/2,500-3,000 生産児 (保因者頻度 0.0004, 遺伝子頻度 0.0002)
 ・NF-2:1/50,000-120,000 生産児
●Neurofibromin 1 は腫瘍抑制遺伝子である
 → Ras kinase 径路の negative regulator
●NFの10%未満が癌性となる
●映画 Elephant Man の Joseph Merrick は Proteus 症候群である

<小児慢性特定疾病 悪88 神経鞘腫>
定義
分化したシュワン細胞から構成され, 生物学的には良性腫瘍(WHOグレードI)である。中枢神経系腫瘍としては頭蓋内や脊柱管内の末梢神経(脳神経や脊髄神経根)から発生する。末梢神経に連続する境界明瞭で被膜に覆われた腫瘤を形成し, 核の棚状配列や細胞の粗密配列を特徴とする。
疫学
成人に多いが小児期にも発生する。日本脳神経外科学会による日本脳腫瘍統計によると, 年齢別の頭蓋内の発生頻度は4歳未満には非常にまれで, 5歳から14歳までは0.6%, 15歳以後発生頻度は増加するが, 15歳から29歳までは6.7%である。
症状
前庭神経に発生する前提神経鞘腫(従来聴神経鞘腫と呼ばれていたが, 最近は発生母地から前庭神経鞘腫と呼ばれることが多い)と呼ばれ, その他の脳神経にも発生することがある。内耳道内の前庭神経に発生して増大すれば同側の蝸牛神経障害による聴力障害を初発症状とし, 内耳道内で増大すれば同側の顔面神経麻痺を呈する。内耳道から小脳橋角部へ増大すれば, 三叉神経障害や小脳・脳幹の症状を呈し, さらに増大すれば水頭症を合併する。三叉神経に発生すれば, 顔面の知覚などの症状をきたす。神経線維腫症1型, 2型で脊椎管内の脊髄神経根に発生しやすい神経鞘腫は, 脊髄外から脊髄を圧迫して脊髄症状を呈する。神経線維腫症2型では両側の聴神経腫瘍が特徴的である。
診断
前庭神経に発生した場合は, 上記の症状に加え, 内耳道の拡大を伴う小脳橋角部の腫瘍の画像所見を呈し, 脳実質との境界は明瞭である。30歳未満に発生する一側の聴神経鞘腫は神経線維腫症2型の可能性がある。摘出した標本の病理組織検査で診断を確定する。
診断方法
症状
頭蓋内では脳神経系に発生し, 発生した脳神経の障害や周囲の神経組織を障害する。聴神経に発生しやすい。
検査
1. 画像検査では, 聴神経に発生すれば内耳孔から連続する小脳橋角部の腫瘍の形態をとり, 嚢胞形成を認めることがある。腫瘍の充実性の部分は著明な増強効果を受ける。
2. 病理組織学的検査では, 紡錘状のシュワン細胞の増殖がみられ, 細胞密度の高い部分と疎な部分とが混在している。
診断
原則として, 病理組織学的検査により診断する。生検が困難などの理由で行わない場合, 症状と画像検査から診断する場合がある。

当該事業における対象基準
悪B
頭蓋内及び脊柱管内が原発であり, 脳(脊髄)腫瘍であることを確認した場合。病理診断が困難である場合であっても対象とする。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが, 再発等が認められた場合は, 再度対象とする。

治療, 予後
腫瘍の摘出が第一選択である。組織学的に良性なので全摘出できれば治癒が期待できるが, 聴覚障害は回復しにくく, 顔面神経麻痺や周囲の脳神経障害や脳幹, 小脳の障害を合併することもある。ある程度の大きさの腫瘍であれば, 定位的放射線治療やγナイフが有効な場合も多い。
神経線維腫症2型に発生する両側聴神経腫瘍では, 早期に治療を行っても神経症状が悪化しやすいことから, 最近では聴力を温存するため腫瘍の摘出はできるだけ遅らせるとする報告がある。腫瘍の摘出に伴って発生しやすい聴力障害を避けるため, 増大速度が速い聴神経腫瘍(1年間に1cm以上の腫瘍の増大)の場合は腫瘍側の有効聴力の消失するまで, あるいは腫瘍の増大によって脳幹症状の出現や水頭症の合併があるまで, 保存的に経過を見ている。上記の条件にあえば, 顔面神経障害が発生しないように慎重に摘出を行うとしている。また, 神経線維腫症2型で脊髄神経根に神経鞘腫が多発性に発生した場合, 疼痛のみでは手術適応にならず, 感覚障害など神経症状を呈している腫瘍は摘出するとしている。
予後
小児の多数例の予後の報告はない。

<指定難病34 神経線維腫症>
概要
 神経線維腫症Ⅰ型(NF1, レックリングハウゼン病)はカフェ・オ・レ斑と神経線維腫を主徴とし, そのほか骨, 眼, 神経系, (副腎, 消化管)などに多彩な症候を呈する母斑症であり, 常染色体性優性の遺伝性疾患である。
 神経線維腫症Ⅱ型(NF2, neurofibromatosis type2)は, 両側性に発生する聴神経鞘腫(前庭神経鞘腫) を主徴とし, その他の神経系腫瘍(脳および脊髄神経鞘腫, 髄膜腫, 脊髄上衣腫)や皮膚病変(皮下や皮内の神経鞘腫, 色素斑), 眼病変(若年性白内障)を呈する常染色体優性の遺伝性疾患である。
原因
 神経線維腫症Ⅰ型(NF1, レックリングハウゼン病)は, 原因遺伝子は 17 番染色体長腕(17q11.2)に位置し, その遺伝子産物は neurofibromin(ニューロフィブロミン)と 呼ばれ, Ras 蛋白の機能を制御して細胞増殖や細胞死を抑制することにより, 腫瘍の発生と増殖を抑制すると考えられている。NF1 遺伝子に変異を来たした神経線維腫症 1 型では, Ras の恒常的な活性化のため, Ras/MAPK 経路の活性化と PI3K/AKT 経路の活性化を生じ, 神経線維腫をはじめとし, 多種の病変を生じると推測されている。しかし, 詳しい機構については不明な点も多い。
 神経線維腫症Ⅱ型の責任遺伝子は第 22 染色体長腕 22q12 に存在し, この遺伝子が作り出す蛋白質は merlin(または schwannomin)と名付けられている。merlin は腫瘍抑制因子として働くと考えら れている。神経線維腫症 II 型では, merlin の遺伝子に異常が生じ, 正常な merlin ができないために発症する。同様に, 神経線維腫症 II 型以外の一般の神経鞘腫・髄膜腫・脊髄上衣腫などでも merlin の遺伝子に異常が見つかっている。
症状
①神経線維腫症Ⅰ型(NF1, レックリングハウゼン病)は, 以下の症状を特徴とする。
・カフェ ・オ・ レ斑-扁平で盛り上がりのない斑で あり, 色は淡 いミルクコーヒー色から濃い褐色に至るまで様々 で, 色素斑内に色の濃淡はみられない。形は長円形のものが多く, 丸みを 帯びたなめらかな輪郭を呈している。小児では径 0.5cm 以上, 成人では径 1.5cm 以上を基準とする。
・神経線維腫- 皮膚の神経線 維腫は思春期頃より全身に多発 する 。このほか末梢神経内の神経線維腫(nodular plexiform neurofibroma), びまん性の神経線維腫(diffuse plexiform neurofibroma)がみられることもある。悪性末梢神経鞘腫瘍は末梢神経から発生する肉腫で患者の 2〜4%に生じる。
・その他の症候:
   皮膚病変-雀卵斑様色素斑, 大型の褐色斑, 貧血母斑, 若年性黄色肉芽腫, 有毛性褐青色斑など。
   骨病変- 頭蓋骨 ・顔面骨の骨欠損, 四肢骨の変形・病的骨折, 脊柱・胸郭の変形など 。
   眼病変-虹彩小結節(Lisch nodule), 視神経膠腫など。
   脳脊髄腫瘍-視神経膠腫, 毛様細胞性星細胞腫, 脊髄腫瘍など。
   そのほか unidentified bright object (UBO), gastrointestinal stromal tumor (GIST), 褐色細胞腫, 悪性末梢神経鞘腫瘍, 学習障害・注意欠陥多動症などがみられる。
②神経線維腫症Ⅱ型(NF2, neurofibromatosis type2)は, 発症年齢は様々であるが, 10~20 歳代の発症が多い。両側聴神経鞘腫と多数の神経系腫瘍が生じるものである。最も多い症状は, 聴神経鞘腫による難聴・ふらつきで, 脊髄神経鞘腫による手足のしびれ・知覚低下・脱力もおこる。その他に, 頭痛, 痙攣, 半身 麻痺, 視力障害などを伴うこともある。

治療法
①神経線維腫症Ⅰ型(NF1, レックリングハウゼン病)
1)色素斑
 約半数の患者が色素斑を整容上の問題と捉えて悩んでいる。しかしながら, 現在のところ色素斑を完全に消失させうる確実な治療法はないため, 希望に応じて対症療法を行う。
2)神経線維腫
 治療を希望する患者に対して, 整容的な観点ないし 患者の精神的苦痛を改善させる ため , 外科的切除が第 1 選択となる。数が少なければ, 局所麻酔下に切除する。数が多ければ全身麻酔下に出来る限り切除する。小型のものはトレパン (trepan: 穴開け器)による切除, 電気焼灼術, 炭酸ガスレーザーによる切除も有効である 。びまん性神経線維腫は 内在する豊富な血管に対処しながら切除する 。悪性末梢神経鞘腫瘍は早期の根治的切除術を原則とする。
3)多臓器病変
 中枢神経病変, 骨病変, 褐色細胞腫, 消化管間質腫瘍など , 種々の多臓器の病変に対する専門的な治療を診療科横断的に行なう。
②神経線維腫症Ⅱ型(NF2, neurofibromatosis type 2)
 治療には手術による腫瘍の摘出と定位放射線治療が行われる。薬物療法, 遺伝子治療は未だ困難である。聴神経鞘腫については左右の腫瘍サイズと残存聴力に応じて種々の病状が想定され, 各病態に応じた治療方針が要求される。一般に , 腫瘍が小さい内に手術すれば術後 顔面神経麻痺 の可能性は低く, 聴力が温存できる 可能性もある。外科手術の他に, ガンマーナイフなどの定位放射線手術も小さな腫瘍には有効である。
予後
 神経線維腫Ⅰ型の生命の予後は比較的良く, 悪性末梢神経鞘腫瘍の合併率は数パーセント以下である。 神経線維腫症Ⅱ型(NF2, neurofibromatosis type 2)は, 腫瘍があっても何年も無症状で経過することもあるが, 特に若年者では腫瘍が成長して, 急速に難聴などの神経症状が進行することがある。両側聴神経鞘腫など頭蓋内腫瘍の成長を制御できない場合には生命の危険が高い。過去の調査では, 5 年・10 年・20 年 生存率は各々85%・67%・38%であった。

<診断基準>
○神経線維腫症Ⅰ型
1.主な症候
(1) カフェ・オ・レ斑
 扁平で盛り上がりのない斑であり, 色は淡いミルクコーヒー色から濃い褐色に至るまで様々で, 色素斑内に色の濃淡はみられない。形は長円形のものが多く, 丸みを帯びたなめらかな輪郭を呈している。
(2) 神経線維腫
 皮膚の神経線維腫は思春期頃より全身に多発する。このほか末梢神経内の神経線維腫(nodular plexiform neurofibroma), びまん性の神経線維腫(diffuse plexiform neurofibroma)がみられることもある。

2. その他の症候
 ① 皮膚病変− 雀卵斑様色素斑, 大型の褐色斑, 貧血母斑, 若年性黄色肉芽腫, 有毛性褐青色斑など。
 ② 骨病変−頭蓋骨・顔面骨の骨欠損, 四肢骨の変形・骨折, 脊柱・胸郭の変形など。
 ③ 眼病変− 虹彩小結節(Lisch nodule), 視神経膠腫など。
 ④ 脳脊髄腫瘍−神経膠腫, 脳神経ならびに脊髄神経の神経線維腫など。
 ⑤ Unidentified bright object (UBO)
 ⑥ Gastrointestinal stromal tumor (GIST)
 ⑦ 褐色細胞腫
 ⑧ 悪性末梢神経鞘腫瘍
 ⑨ 学習障害・注意欠陥多動症

3.診断のカテゴリー
 カフェ・オ・レ斑と神経線維腫がみられれば診断は確実である。小児例(pretumorous stage)ではカフェ・オ・レ斑が 6 個以上あれば本症が疑われ, 家族歴その他の症候を参考にして診断する。ただし両親ともに正常のことも多い。成人例ではカフェ・オ・レ斑が分かりにくいことも多いので, 神経線維腫を主体に診断する。

○神経線維腫症Ⅱ型
1.診断のカテゴリー
 MRI 又は CT で両側聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)が見つかれば神経線維腫症Ⅱ型と診断する。また, 親・ 子ども・兄弟姉妹のいずれかが神経線維腫症Ⅱ型のときには, 本人に
 ①片側性の聴神経腫瘍(前庭神経鞘 腫), 又は
 ②神経鞘腫・髄膜腫・神経膠腫・若年性白内障のうちいずれか 2 種類が存在すれば診断が確定する。

2.検査所見
 造影 MRI, 聴力検査, 眼科的検査が必要で, 特に造影 MRI と聴力検査は毎年 1~2 回定期的に行う必要がある。
 頭部造影 MRI では, 前庭神経鞘腫・三叉神経鞘腫を始めとする各脳神経鞘腫, 髄膜腫のほかに, 脳室内 腫瘍や眼窩内腫瘍もみられる。また, 脊髄造影 MRI では, 多発する脊髄神経鞘腫と髄内腫瘍(多くは上衣腫) がみられる。これらの腫瘍は, 成長せずに長期間同じ大きさでとどまることもあるが, 増大することもあり, 成長の予測は困難である。
 聴力検査としては, 純音聴力検査, 語音聴力明瞭度検査, 聴覚誘発聴性脳幹反応電位検査を行う。聴力レベル損失と前庭神経鞘腫の大きさは必ずしも相関せず, 聴力レベル損失が長期間不変のことや急に悪化することもある。眼科的には白内障検査と視力検査を行う。若年性白内障(posterior subcapsular lenticular cataract)は外国では 80%と高率に報告されている。

<重症度分類>
神経線維腫症Ⅰ型
Stage 3以上に該当するものを対象とする
神経線維腫症 II 型
重症分類 Stage 1 以上を対象とする。

(コメント)
●NF I と NF II は両者とも中枢性および末梢性症状をもつかもしれないので, 以前の
 NF I は"末梢性神経線維腫症'
 NF II は'中枢性神経線維腫症'
 という用語は破棄された
(解説) schwannoma = neurilemoma (神経鞘腫)
Schwann 細胞の腫瘍と構造的に同一の, 基本的構成要素をもつ良性で被包性の新生物. 腫瘍性細胞が神経膜内に増殖し, 神経周膜は被膜を形成する. この新生物は末梢神経または交感神経, あるいは種々の脳神経, 特に第8神経から生じる. 神経が小さい場合は, (全部ではなくとも) 通常は新生物の被膜内にみられる. 神経が大きい場合は, 神経鞘腫は神経鞘内で発育し, その線維は, 新生物の拡大に伴い被膜表面上に広がる. 顕微鏡的には, 神経鞘腫は, 2腫の細胞型であるAntoni type AおよびBの組合せからなる. 2種の型のどちらかが, 神経鞘腫の種々の例で優勢であることがある.

(責任遺伝子) *607379 Neurofibromin 2 (NF2) <22q12.2>
(1) Neurofibromatosis, type II (101000)
.0001 Neurofibromatosis, type II [NF2, LEU360PRO] (rs74315492) (RCV000003443) (Rouleau et al. 1993)
.0002 Neurofibromatosis, type II [NF2, IVS2, G-T, +1 [rs587776562] (RCV000003444) (Rouleau et al. 1993)
.0005 Neurofibromatosis, type II [NF2, LEU535PRO] (rs74315493) (RCV000003447) (Evans et al. 1995)
.0006 Neurofibromatosis, type II [NF2, GLN538PRO] (rs74315494) (RCV000003448) (Kluwe and Mautner 1996)
.0007 Neurofibromatosis, type II [NF2, PHE96DEL] (rs121434260) (RCV000003449) (MacCollin et al. 1994)
.0008 Neurofibromatosis, type II [NF2, GLU182TER] (rs74315495) (RCV000003450) (MacCollin et al. 1994)
.0009 Neurofibromatosis, type II [NF2, ARG262TER] (rs74315496) (gnomAD:rs74315496) (RCV000003451) (MacCollin et al. 1994)
.0010 Neurofibromatosis, type II [NF2, GLN320TER] (rs74315497) (rs74315498) (RCV000003452) (MacCollin et al. 1994)
.0011 Neurofibromatosis, type II [NF2, ARG341TER] (rs74315499) (RCV000003453...) (MacCollin et al. 1994)
.0012 Neurofibromatosis, type II [NF2, GLN407TER] (rs74315501) (rs74315500) (RCV000003454) (MacCollin et al. 1994)
.0013 Neurofibromatosis, type II [NF2, GLU463TER] (rs74315503) (gnomAD:rs74315503) (RCV000003455) (MacCollin et al. 1994)
.0014 Neurofibromatosis, type II [NF2, ARG466TER] (rs74315504) (gnomAD:rs74315504) (RCV000003456) (MacCollin et al. 1994)
.0015 Neurofibromatosis, type II [NF2, GLU527TER] (rs74315505) (gnomAD:rs74315505) (RCV000003457) (MacCollin et al. 1994)
.0016 Neurofibromatosis, type II [NF2, PHE62SER] (rs121434261) (RCV000003458) (Scoles et al. 1996; Fernandez-Valle et al. 2002)
(2) Meningioma, somatic (607174)
.0003 Meningioma, somatic [NF2, 1-BP DEL, A993] (rs587776563) (RCV000003445) (Ruttledge et al. 1994)
.0004 Meningioma, somatic [NF2, ARG57TER] (rs121434259) (RCV000660130...) (Papi et al. 1995)
(3) Schwannomatosis, somatic (162091)
.0017 Schwannomatosis, somatic [NF2, 245-BP DEL] (RCV000003459) (Honda et al. 1995)
.0018 Schwannomatosis, somatic [NF2, 1-BP INS [rs587776564] (rs587776564) (RCV000003460) (Honda et al. 1995)
.0019 Schwannomatosis, somatic [NF2, 7-BP DEL, NT105] (rs587776565) (RCV000003461) (Jacoby et al. 1997)

*NF2 (Neurofibromin 2)
 Genome size 95,045 bp; 595 aa, 69690 Da
 Exons: 16, Coding exons: 16, Transcript length: 5,950 bps, Translation length: 595 residues
●Merlin (Neurofibromin 2; schwannomin) は細胞骨格タンパクである
 ヒトでは神経線維腫症 II 型に関与する腫瘍抑制タンパクである
 "merlin" は, 頭字語である "Moesin-Ezrin-Radixin-Like Protein"
●Merlin は, ERM タンパクファミリー (ezrin, moesin, および radixin など)で, protein 4.1 superfamily に属する
●70 kDa タンパクである
 10の isoform が知られている (完全長分子は 595 アミノ酸)
 最も多い isoform は1型および2型と呼ばれる (各々エクソン16またはエクソン17の有無による)
 全てのバリアントは保存されたN末をもり, N末には FERM ドメインが含まれる (大多数の細胞骨格膜を構築するタンパクにみられるドメイン)
 Merlin は自身でダイマー化し, 他の ERM ファミリータンパクとヘテロダイマー化する
●Merlin は, 膜-細胞骨格の足場となるタンパクで, 細胞膜または膜糖タンパクと actin 線維で連結する
 ヒトの merlin は優位に神経組織でみられるが, 他の胎児組織でもみられ, 主に接着部位に位置する
 腫瘍抑制特性は, おそらく接触仲介性成長抑制と関係がある
●セリン518のリン酸化は, merlin の機能を変化させることが知られている
 merlin のシグナリング径路は, いくつかの主要な細胞成長調節分子を含むと提唱されている
 →eIF3c, CD44, protein kinase A および p21 activated kinases
●相互作用
 →HGS, CUL4A, EZR, SDCBP, VPRBP, RIT1, SPTBN1, MED28, DDB1

(ノート)
●(#) は, 神経線維腫症 II 型 (NF2) は, 22q12 の merlin とも呼ばれる neurofibromin-2 (NF2; 607379) をコードする遺伝子のヘテロ接合変異が原因なため

●中枢型または II 型神経線維腫症 (NF2) は, 常染色体優性多発性新生組織形成症候群は, 第8脳神経腫瘍 (通常は両側性), 脳の髄膜腫, および脊髄後根シュワン細胞腫が特徴である
 II 型神経線維腫症の頻度は 1/25,000 生産児である (Asthagiri et al., 2009)
 NF2 は末梢性または I 型神経線維腫症 (NF1) のホールマークはほとんどない

●Asthagiri et al. (2009) は, 2型神経線維腫症の詳細なレビューを提供した

臨床症状
●Gardner と Frazier (1933) は, 5世代38人が聴神経腫のため聾であった1家系を報告した
 これらのうち15人は後で盲となった
 聾の平均発症年齢は20歳であった
 第2世代の患者の平均死亡年齢は72歳, 第3世代は63歳, 第4世代は42歳, 第5世代は28歳であった
 この家系の経過観察 (Gardner と Turner, 1940; Young ら, 1970) では, von Recklinghausen 病の全身症状の証拠はなかった
●Worster-Drought ら(1937) , Feiling と Ward (1920) , および Moyes (1968) は, von Recklinghausen 病の証拠のない家系を報告した
●Worster-Drought ら(1937) は, Wishart が1822年に両側性聴神経腫の第1例を報告したと指摘した
 Wishart の患者 (Michael Blair) は, 両側性聾で初診時21歳であった
 彼は乳児期から特異な頭の形をもち, 右目の盲は生後4か月で発見された
 後半は完全な盲と聾になった
 剖検は硬膜と脳の腫瘍と, 聴神経に付着する両側性の腫瘍があった

●Nager (1969) は, 症例の4%で聴神経腫は両側性である
 常染色体優性遺伝と神経線維腫症の連関に加えて, 両側性腫瘍は片側性とは異なる
 両側性は大きなサイズになり, 側頭骨とその神経を大きく侵す
●Fabricant ら(1979) は, 中枢性神経線維腫症は30家系以上が報告されている

●Kanter ら(1980) は, 自験例9家系と15報告家系をレビュー (全130例) した
 中枢性神経線維腫症では nerve growth factor (NGF) の抗原活性が増加している
 末梢性神経線維腫症では nerve growth factor (NGF) の機能の活性のみが増加している

●Mrazek ら(1988) は, 聴神経腫 41 例のうち1例が両側性であった
 最初の腫瘍が6歳時に診断された, 10歳の von Recklinghausen 神経線維腫症であった

●Mayfrank ら(1990) は, 10例のNF2を調べたが, 全例が孤発例で, 各々が突然変異の結果であった
 これらの患者文献例で, 孤発例は両側性聴神経腫に加えて, 多発性髄膜腫と脊髄腫瘍の発生が高率であると結論した

●Pulst ら(1991) は, カフェオーレ斑とNF1 またはNF2 の他の症状 (皮膚腫瘍, Lisch 結節または聴神経腫) のない脊髄神経線維腫症の1家系を記載した
 NF1 座の変異は除外された (odds > 100,000:1)
 NF2 座のマーカーはこの家系では情報がえられなかった

●Evans ら(1992, 1990) は, 150例を調べた
 発症平均年齢は, 21.57 歳 (n = 110) で, 55歳以後は患者はいなかった
 患者は, 前庭 神経鞘腫 (聴神経腫) , 頭蓋髄膜腫, 脊髄腫瘍に起因する症状で提示された
 著者が個人的に調べた100例では, 44例が聾で受診し, 35例が片側性であった
 聾は10例が耳鳴を伴っていた
 筋衰弱が12%で初発症状であった
 100例の3例は, 末梢性の対称性感覚運動ニューロパチーがあった (神経伝導速度と筋電図で確認)
 類似の症状は, この疾患で生じる多発性脊髄および頭蓋内腫瘍でも生じるが, 全身性および単独性のニューロパチーはNF2の比較的多い症状のようである
 カフェオーレ斑は, 100例中43例に生じたが, 1人のみが6個であった
 白内障は, 90例中34例に検出された
 4例は, おそらく先天性であった
 3つのタイプの皮膚腫瘍がみられた
 1) 最も少ない, NF1で生じるような比内乳頭性皮膚神経線維腫症
 2) 境界明瞭なしばしば球形の腫瘍で末梢神経に限局するもの
 肥厚した神経がしばしば腫瘍の末端に触れられ, 皮膚は可動性があり, 腫瘍とは離れていた
 3) 最も多い型で, Martuza と Eldridge (1988) が最初に記載した
 個々の境界明瞭な, 軽度膨隆した, 皮膚の粗い領域で, しばしば色素沈着があり, 過剰の毛を伴う
 皮膚腫瘍は患者の68%でみられた
  1型が20%, 2型が33%, 3型が47%

●Evans ら(1992) は120例を2つのタイプに分類した
1) Wishart (1822) type: 早期発症, 急速な経過, 両側性前庭 神経鞘腫sに加えて, 多発性の他の腫瘍あり
2) Gardner type (1930, 1933, 1940) : 遅発性, より良性の経過, 通常両側性前庭 神経鞘腫のみ
 この分類はEldridge ら(1991) により示唆された
 Evans ら(1992) は Lee-Abbott type (Lee と Abbott, 1969) と名付けられた第3型 (全身性髄膜腫) の存在の証拠を発見できなかった
 妊娠や避妊薬が前庭 神経鞘腫sまたは他の症状を悪化させる証拠を発見できなかった
 Evans ら(1992) はNF2患者やNF2を生じるリスクのある人の経過観察に有用な提言をおこなった
 聾の発症年齢と診断時年齢に性差はなかった
 NF2の出生時罹患率は 1 / 33,000-40,562 と推定された
 Evans ら(1992) は150例の49%が突然変異によると考えた
 変異率は 6.5 x 10(-6) と推定された
 重症度への母の効果が, 母から伝達された36例で発症年齢が18.17歳, 父から伝達された20例での発症年齢24.5歳から(p = 0.027) きづかれた
 母からの伝達のほうが多かった(p = 0.03)
 (重症度への母の効果は神経線維腫症 I 型でも知られている (NF1; 162200) )
●Baser ら(2001) は, 140例を調べ, 母方遺伝は NF2 の重症度に独立して相関しないことを発見した

●Parry ら(1994) は32家系63例で遺伝的異質性の可能性を得た
 皮膚と神経学的検査の他, オージオメトリー, 水晶体と眼底のスリットランプ biomicroscopy, 脳と数人では脊髄の gadolinium-enhanced MRI などを調べた
 58例での平均発症時年齢は20.3第で, 初発症状は vestibular 神経鞘腫s (44.4%) , その他の中枢神経腫瘍 (22.2%) , 皮膚腫瘍 (12.7%) , は宮内省や網膜過誤腫を含む眼症状 (12.7%) であった
 スクリーニングは家系で無症候性の5例を発見した
 前庭 神経鞘腫s は62例で発見された (98.4%)
 その他の所見は, 白内障 (81.0%) , 皮膚腫瘍 (67.7%) , 脊髄腫瘍 (67.4%) , 髄膜腫 (49.2%) であった
 原則として, 臨床症状と経過は家系内で類似していたが, 家系の間では異なっていた
 2つのサブタイプが定義されると結論した (3つではない)

●Evans ら(1999) は, 小児期での NF2 の発症を調べた
 総合英国データセットから全部で334例の NF2 が証明された
  61例 (18%) が小児期 (0-15 歳) で発症した
 うち26例の小児が前庭神経鞘腫, 19例が髄膜腫, 7例が脊髄腫瘍, 5例が皮膚腫瘍の症状で発症した
 さらに, Evans ら(1999) はある集団で1954年以来腫瘍をもつ小児の先方視的データベースである Manchester Children's Tumor Registryから髄膜腫をもつ22例の小児を証明した
 これらの小児の少なくとも3例が古典的な NF2 へ進行し, 彼らの誰にも NF2 を示唆さる家族歴をもっていなかった
 著者は NF2 は髄膜腫, 前庭神経鞘腫または神経線維腫症または神経鞘腫などの皮膚症状をもつどの小児でも考慮されるべきであると結論した
  特にカフェオーレ斑が6個以内であるため, NF1 の診断基準を満たさない場合

●Gijtenbeek ら(2001) は, 遺伝子解析で確定したNF2 の1例を報告した
 軸索単ニューロパチーで発症し, 数年かけて軸索喪失へ進行した
 腓腹神経生検は不規則な枝をもつ細胞へ変態したシュワン細胞の小さな散在性のグループと異常な細胞-細胞接触を示した
 著者はNF2 遺伝子産物である merlin の不活性化によるシュワン細胞機能障害が形態, 細胞-細胞接触, 成長の変化を誘導し, 最終的に軸索の変性となると仮説した

●Egan ら(2001) は, 単眼性挙上筋不全麻痺をもつ NF2 4例を報告した
 2例は MRI で証明できる第3脳神経腫瘍をもっていた (早期の写真にはなかった)
 他の2例はX線での検出には小さすぎる腫瘍をもっていたかもしれない
 著者は単独性不全麻痺は中脳にでるので上直筋と下斜筋を支配する第3脳神経の特異的小束の圧迫によるかもしれないと示唆した
  眼球運動異常は NF2 の患者でよくモニターすべきである

●Baser ら(2002) は, NF2 患者での死亡リスクの臨床的および分子的予測因子を評価するため, 英国 NF2 登録の261家系368例での死因を分析した
 診断時年齢, 頭蓋内髄膜腫, 治療センターのタイプが死亡リスクの予測因子であった
 死亡の相対危険率は診断時年齢がさがるほど1.13倍/年増加し, 髄膜腫の患者はない患者より2.51倍大きかった
 専門センターで治療された患者の相対死亡危険率は非専門センターと比べると0.34であった
 NF2 ミスセンス変異をもつ患者の相対死亡危険率は他のタイプの患者 (ナンセンス, フレームシフト, スプライス部位変異および大きな欠失) より非常に低かったが, ミスセンス変異の患者では死亡1であったので, confidence interval は計算できなかった

眼異常
●Pearson-Webb ら(1986) はLisch 結節 (虹彩過誤腫) は NF2 では見られないと指摘した
 しかし, 初老性後部被膜下および核白内障 (時々手術が必要で, 両側性聴神経腫に先立つ症状) の頻度が明らかに高かった
●Landau ら(1990) は NF2 で混合性色素上皮および網膜過誤腫 (CEPRH) を記載した

●Kaiser-Kupfer ら(1989) は11家系20例のNF2患者で後部被膜下白内障を発見した
●Parry ら(1991) はこれらの観察を拡大した
 患者の1親等の26人で, 21人に後部被膜下白内障を発見した
 14例のリスクのある個人で (NF1 ではないがNFの軽度の変化がある人, 片側性聴神経腫をもつ40歳以下の人, 髄膜腫+/- 神経鞘腫をもつ小児1例, 多発性髄膜腫1例) , 13例に後部被膜下白内障を発見した
 これらの患者はおそらく突然変異を現していた
 NF2 の患者の親戚で後部被膜下白内障があるとNF2を示唆した
 さらに, NF1はないが, 軽度のNF の皮膚所見, または後部被膜下白内障をもつ中枢神経腫瘍をもつ若者でNF2は考えるべきである
●Bouzas ら(1993) は29家系の45例の36例 (80%) で後部被膜下白内障/被膜白内障を発見した
 さらに, 後部被膜下白内障とNF2の連関が有意に発見された
 白内障は患者の17例 (37.8%) でみられたが, 患者でない家族員にはなかった (p < 0.0001)
 3例で, 後部被膜下白内障/被膜白内障はなかったが, 末梢性皮質混濁があった
●Bouzas ら(1993) はNIH の経験で, 54例のNF2で視力障害をレビューした
 51例 は両側性前庭 神経鞘腫s をもっていた
 視力低下の原因は白内障, 視神経路の障害, 黄斑過誤腫, 角膜混濁であった
 水晶体混濁がNF2の重要なマーカーではあるが, 水晶体混濁は通常視力を障害しない
 数人は進行し, 白内障摘出術が必要である
 6例では, 視力低下は第7または第5脳神経障害, または両者による角巻き混濁が原因であった
 第7脳神経障害は兎眼と涙分泌減少を生じた
第5脳神経障害は角膜過敏症を生じた
 神経は, 1例では前庭腫瘍の成長で障害されたが, 大多数では神経外科手術の過程で障害された

●Ragge ら(1995) は NF2 での最も多い眼異常は後部被膜下または被膜, 核, または混合性白内障が49例中33例 (67%) , 網膜過誤腫 11/49 (22%) であると結論した
 最もNF2を示唆する白内障のタイプは, 局面様の後部被膜下または被膜白内障と30歳以下での皮質白内障であった

●Baser ら(2003) は, 若い NF2 患者で白内障罹患率が高いことを確認した
 彼らは NF2 の腫瘍症状発現前の白内障の高頻度は, 小児と思春期での NF2 の診断でのこの第8脳神経では特徴の有用性を示すと示唆した

●McLaughlin et al. (2007) は, NF2 関連眼症状の3つのタイプを証明した
 若年性後部被膜下白内障, 網膜上膜, および強膜内シュワン細胞腫
 組織病理学的解析は, 若年性後部被膜下白内障での後部水晶体嚢のすぐ前に蓄積した異形成水晶体細胞を明らかにし, 異形成のある Muller 細胞がNF2関連網膜上膜の主な構成成分かもしれないことを明らかにした
 McLaughlin et al. (2007) は, 彼らの所見は上皮の特徴をもつグリア細胞の一部 (シュワン細胞, 上衣細胞および Muller 細胞) が, 特に NF2 遺伝子喪失に感受性があるかもしれないと結論した

診断
●Martuza と Eldridge (1988) はNF2 のレビューで, NF1 と NF2 の診断基準を定義した
●NIH Consensus Development Conference (1988) はNF2 の診断基準は以下の場合であると結論した
 (1) 両側性第8神経腫瘤がCTまたはMRIでみられる
 (2) 第1親等にNF2がみられ, 片側性第8神経腫瘤がある, または以下の2つがある
 神経線維腫, 髄膜腫, グリオーマ, または若年性被膜下水晶体混濁
●Pastores ら(1991) はgadolinium-enhanced MRI により, 無症候性の患者で 8 mm 以下の聴神経腫が検出できることを証明した
 7歳と11歳の無症候性の小児で証明した
 1人はオージオメトリーとABR は正常であった

●Ruttledge ら(1993) は13の NF2 同胞で多型 DNA マーカーを使って, リスクのある人の約85%で保因者状態を決定できると結論した
 リスクの予測は両親からDNAが得られた全ての例で可能であった
 情報の得られた人の76%で保因者の低リスクを同定できた
 したがって, リスク推定でプローブでの22番染色体ハプロタイプを使用すれば, 定期的スクリーニングが必要な人を大きく減少できるに違いない

●Gutmann ら(1997) はNF1とNF2の診断評価と集学的治療法のガイドラインを提供した
 厳密なNF2の診断基準は両側性前庭神経鞘腫, または
1人以上の第1度近親者での家族歴+
(a) 30歳未満での片側性前庭神経鞘腫, または
(b) いかの2つのどちらでも: 髄膜腫, 神経鞘腫, または若年性後部嚢下白内障/若年性皮質白内障
 不確実または疑診NF2は,
30歳未満の片側性前庭神経鞘腫+少なくとも下記の1つ
 髄膜腫, グリオーマ, 若年性後部嚢下白内障/若年性皮質白内障
または多発性髄膜腫 (2つ以上) +
 (a) 30歳未満の片側性前庭神経鞘腫, または
 (b) 次の1つ: グリオーマ, 神経鞘腫または若年性後部嚢下白内障/若年性皮質白内障

●Kluwe ら(2000) は, 20例のNF2患者からの40の皮膚腫瘍を調べた
 15が以前に証明された白血球のNF2変異をもっていた
 体質性変異の検出率は皮膚腫瘍のない患者 (40%) より皮膚腫瘍のある患者 (65%) で高かった
 彼らは40の調べた腫瘍の5つでNF2変異 (13%) を, 18でアレル喪失(45%) を発見した
 両方のNF2のアレルの変化は17の腫瘍 (43%) で発見された
 彼らは, NF2遺伝子産物の機能喪失は, 皮膚神経鞘腫の生成に決定的で, 皮膚腫瘍での変異検出は, NF2の臨床診断があいまい, またははっきりしない患者でNF1を除外するのに, 皮膚腫瘍のある患者では有用な診断法かもしれないと結論した

●Baser ら(2002) は, 過去に専門家により作られた NF2 の4つの臨床診断基準を評価した
 the NIH Consensus Development Conference (1988) , the Consensus Development Panel (1994) of the NIH, Evans ら(1992) が報告したthe Manchester Group criteria, Gutmann ら(1997) が報告したthe National Neurofibromatosis Foundation (NNFF) criteria
 Baser ら(2002) は, 両側性前庭神経鞘腫のない患者での最初の評価にはどの基準も不十分であると結論した
  特に NF2 の家族歴のない人で

●Baser et al. (2011) は, 経験的に診断基準の改良セットをつくり試験した
 →非常に高い特異性を維持しつつ感受性を増加させるため, NF2 の自然歴と遺伝的特徴を理解するため
 絶対的 NF2 +/- の患者でいろんな年齢での臨床症状の頻度を推定するため, UK Neurofibromatosis 2 Registry および Kaplan-Meier 曲線からのデータを使用した
 この解析の基盤として, Baser et al. (2011) は, Baser 基準を作った
 →遺伝子検査を含む診断システムで, 大多数の特徴的症状や30歳以前に生じる症状により重きを置く
 絶対的 NF2 患者の独立したバリデーションのサブセットで, Baser 基準は診断感受性を 79%に増加させ (以前の診断セットより9-15%大きい), NF2 の最初の特徴的サインの発症年齢は100%特異性を維持した

NF2 モザイク
●Evans et al. (2007) は, NF2変異がモザイクとなる NF2 新生患者は, 前庭シュワン細胞腫発症年齢が増すにすれ増加することを示した
 →特に, 片側性前庭シュワン細胞腫の患者で高いが, Manchester 診断基準を満たすためには, 少なくとも2つの他のNF2関連主要をもっていた

●Evans and Wallace (2009) は, 前庭シュワン細胞腫診断時年齢による NF2 新生患者のモザイク危険率を分析した
 彼らは, 4つの年齢コーホートでリスクを分析し, シークェンシングとmultiple ligation-dependent probe amplification によるリンパ球DNA検査の前後での子供のリスクを分析した
 この研究は, 新生患者402例の実際のリンパ球DNA遺伝子検査と血液検査陰性51例での腫瘍検査に基づいていた
 20歳以前での両側性前庭シュワン細胞腫患者の子供のNF2リスクは29.3%で, 40歳以後に無症状の患者の子供のリスクは5.5%のみであった
 →モザイクである可能性は99%であった

治療
●聴神経腫に対しては低位放射線摘出法と顕微手術的摘出術が二者択一的である
 低位放射線摘出法の目標は腫瘍成長の長期的防止, 神経機能の維持, 新しい神経障害の防止である
●Kondziolka ら(1998) は, 1987年から1992年の間聴神経腫に対して連続的におこなった低位放射線摘出法の162例を評価した
 低位放射線摘出法5-10年での結果を調べた
 42例中, 13例で全摘出後腫瘍の再発をみた
 腫瘍調節率 (摘出が必要でないもの) は98%であった
 低位放射線摘出法は30例全例で成功していると信じられた
  しなかった患者85例では81例 (95%)
●Pitts と Jackler (1998) は, 若年患者で低位放射線摘出法が安全で外科的に治癒可能な腫瘍で考慮される時は, 二次腫瘍の誘導が大きな問題となると指摘した
 外的放射線照射による頭蓋内動脈閉塞の危険率も考慮されねばならない (低位放射線摘出法後に動脈硬化の促進があったという報告はないが)
 外側橋と上部髄への主な血液供給である前下小脳動脈は, 聴神経腫表面のすぐ隣に位置している

マッピング
●Seizinger ら(1986) は, 聴神経腫で22番染色体の遺伝子の喪失を発見した
 多型マーカー SIS (190040) , IGLC (147220) と, 無名 DNA 座 D22S1 が, 正常組織はヘテロであるが, 腫瘍組織はヘミ接合体 (またはホモ接合体) であった
 彼らは網膜芽細胞腫や Wilms 腫瘍tの類似性, および髄膜腫が家族性聴神経腫に連関して生じること, 22番染色体の細胞学的変化が髄膜腫で多い
●Seizinger ら(1987) は, 両側性聴神経線維腫をもつ患者からの, 2例の症候群神経腫, 2例の神経線維腫, 1例の髄膜腫で22番染色体のアレルの特異的喪失を発見した
●Wertelecki ら(1988) は, 22番染色体のマーカーとの家系調査での連鎖を証明して, 22番染色体の原因遺伝子の位置 (22q11.21-q13.1) を確認した
 Wertelecki ら(1988) は同時に連鎖を調べた1大家系の男性患者15例と女性患者8例の臨床データを提示した

●Rouleau ら(1990) はNF2 遺伝子を含む22番染色体のマーカーを証明した
 正確な発症前および出生前診断に有用で, 障害された遺伝子を単離するのに有用である
●Narod ら(1992) は, NF2 12 家系の連鎖解析で, ンF2遺伝子の22番へ同定確認し, NF2 には遺伝的異質性の証拠はないと結論した
 彼らは彼らが聴神経腫と呼んだ両側性前庭神経鞘腫の存在が診断に十分であることを示した

●Wolff ら(1992) は, 22番染色体の8つの多型座をつかって, 散発性またはNF2-連関聴神経腫, 髄膜腫, 神経鞘腫, 上衣腫の関連のない患者39例を調べた
 22番染色体末端欠失の存在に一致する loss of heterozygosity (LOH) パターンをもつ2つの腫瘍を発見した
 追加多型マーカーを使って, NF2 患者の聴神経腫の末端欠失切断点が, 以前に定義された NF2 領域にマップされた
 さらに, 彼らは体細胞組換えまたは欠失と再重複に一致する LOH パターンをもつ散発性聴神経腫を証明した
 この所見は NF2 遺伝子の劣性腫瘍抑制遺伝子モデルをさらに支持した
●Arai ら(1992) は両側性聴神経腫と中枢神経系の他の腫瘍とt(4;22) (q12;q12.2) をもつ1例を記載した
 したがって, 22q12.2 は NF2 の精製された座位である
 同じ核型は傍脊髄神経腫が発見された培養末梢リンパ球でみられた
 患者の父も転座保因者であったが, 他の親戚でもNF2 の臨床症状はなかった
 父で発現しなかった説明として Arai ら(1992) は非浸透, モザイクまたはゲノムインプリントなどのいろんな可能性を示唆した
 彼らは NF2 が母から伝達される時早期発症となることを証明した Kanter ら(1980) を引用した
●Bovie ら(2003) も, 均衡型 t(X;22) をもつ患者1例で, 神経線維腫症2の1例を報告した
 患者は, 大きな腹部シュワン細胞腫と知能障害をもっていた
 NF2 の臨床診断は, 両側性前庭シュワン細胞腫が MRI で発見された時につけられた
 t(X;22) の de novo の均衡型相互転座が証明され, この患者での疾患は最初に転座切断点での NF2 の喪失が原因と思われた
 しかし, これは発見されなかった
  切断点は NF2 遺伝子の 6 cM 動原体側で, 変異や欠失は患者の生殖細胞 NF2 遺伝子で発見されなかった
 リンパ球でのX染色体不活性化パターンはX;常染色体転座で予測されたように, 100%正常X染色体が不活性化されていたが, 腫瘍組織で, 反対側の派生X染色体の不活性化があった
 この症例での疾患のメカニズムは, シュワン細胞の一部が, NF2 がX染色体に転座したことにより, 1つの NF2 アレルが機能的にヌルとして振る舞うと癌が得られた

分子遺伝学
●Rouleau ら(1993) は, NF2 患者と NF2関連腫瘍で性腺および体細胞 SCH 変異を証明し, NF2遺伝子 (607379) は II 型神経線維腫症の変異部位であるという決定的証拠を提供した
 NF2 遺伝子で証明された変異と体細胞モザイクについての考案は 607379 を見よ

●Wu ら(1998) は片側性前庭神経鞘腫と以下の1つ以上をもつ537例の患者で, 15例の患者を証明した
 他の腫瘍 (10/15) , fNF2 の特徴 (3/15) , または神経腫瘍の家族歴 (5/15)
 生殖細胞の NF2 変異は検出されなかった
腫瘍細胞が解析された9例中7例で, NF2 の生殖細胞変異が除外された
 Wu ら(1998) は NF2 の診断基準を満たさない片側性前庭神経鞘腫の大多数はchance occurrences を表すと結論した

●Baser ら(2002) は, アスベストに長期間職業的に暴露された NF2 患者で悪性中皮腫の発生を報告した
 腫瘍組織の遺伝子解析は22番染色体だけでなく, 14番および15番染色体の喪失と, 7番染色体の獲得を示した
 Baser ら(2002) はNF2 でのように, NF2 アレルの変異をもつ患者は中皮腫により罹りやすいと示唆した
 中皮腫は NF2 に多い特徴ではないが, 著者は NF2, RB1 (180200) , および p53 (191170) のような腫瘍抑制遺伝子の体細胞変異は遺伝性疾患の特徴をもたないある腫瘍のタイプに多いという Knudson (1995) の観察を引用した
  おそらく関連細胞の増殖タイミングによる

●Watson ら(1993) は軽度またはいわゆる NF2 の Gardner 型の1家系で, neurofilament heavy chain 座 (NEFH; 162230) の 超顕微鏡的欠失を定義したが, 近位はEwing sarcoma 領域 (EWS; 133450) , 遠位はleukemia inhibitory factor 座 (LIF; 159540) までは伸びていなかった
 彼らは欠失は約 700 kb であると推定した

●Mohyuddin ら(2002) は, 片側性前庭神経鞘腫症状の発症は30歳以前であった45例をみつけた
 NF2 遺伝子の分子遺伝学的解析が45例全例と28の腫瘍サンプルで行われた
 血液サンプルでは病的 NF2 変異は証明されなかった
  NF2 点変異が28腫瘍中21 (75%) で証明された
  LOH が28腫瘍中21 (75%) で証明された
 オーバーラップ, 即ち, 両方の変異が, 28腫瘍中18 (65%) で証明された
 彼らは腫瘍の異なる座位に多いことが分かっている, 1つの(おそらく第1ヒット) 変異があり, 2番目の変異が異なる座位間にある1つの多葉性腫瘍を観察した
  この患者での分子的所見は NF2 の体細胞モザイクに一致し, 臨床診断は経過中の MRI により2つの髄膜腫が存在することで確認された

●Tsilchorozidou ら(2004) は, 体質性22番染色体再構成と前庭シュワン細胞腫, 多発性頭蓋内髄膜腫および脊髄腫瘍をもつ NF2 の5例を報告した
 著者らは, 体質性 NF2 欠失が彼らのラボで NF2 FISH を使って発見された NF2 患者の10例を追加し, FISH での染色体解析が, NF2 患者で分子試験に先立つ有用な最初のスクリーニングかもしれないと示唆した

遺伝子型/表現型相関
●Parry ら(1996) は32例の関連のない NF2 患者で DNA 変異をスクリーニングするのに SSCP 解析を使用した
 変異は患者の 66% で証明され, 21例で20の異なる変異が発見された
 この結果はナンセンス変異とフレームシフト変異が臨床症状の重症度と連関することを確認すると報告した
 Parry ら(1996) は彼らのデータは各々の変異の内因的特性以外の表現型に影響を与える因子の役割が関与する可能性を示すと述べた
●Ruttledge ら(1996) はタンパク短縮変異をもつ患者と単一コドン変異をもつ患者を比べると, 臨床症状と有意な相関があると報告した (p > 0.001)
 彼らは, NF2 タンパクの早期短縮を生じる変異をもつ28例中24例が重度の表現型をもつことに気づいた
 反対に, 単一アミノ酸のみを侵す変異をもつ3家系16例全員が軽度の NF2 表現型をもっていた

●Evans ら(1998) は短縮変異をもつ38家系からの NF2 42 例を報告した
 発症平均年齢は19歳で診断年齢は22.4 歳であった
 16家系からの51例は (スプライス変異15例, ミスセンス変異18例, 大きな欠失18例) 発症平均年齢27.8歳, 診断時年齢33.4歳であた
 短縮変異の患者は有意に20歳以前に発症し (p < 0.001) , 30歳以前に前庭神経鞘腫に加え少なくとも2つの症候性中枢神経腫瘍を生じた (p < 0.001)
 短縮変異の多世代家系は有意に少なかった

●Kehrer-Sawatzki ら(1997) は46,XX,r(22) /45,XX,-22) をもつ NF2 患者1例を報告した
 重度の症状は多発性髄膜腫, 脊髄および末梢神経腫, 両側性前庭神経鞘腫を含んでいた
 患者はまた NF2 に通常伴わない重度精神遅滞があった
 著者は正常22番染色体の NF2 遺伝子の変異と体細胞分裂での多くの細胞での環状22番染色体喪失が, 多発性腫瘍の存在を説明できると仮説をたてた
 環状染色体を欠く髄膜腫細胞系を使って, Kehrer-Sawatzki ら(1997) は正常22番染色体の NF2 遺伝子の欠失, 再構成, または他の変異を調べたが, そのような変異はなかった
 著者は全22番染色体とその多発性腫瘍抑制遺伝子の喪失がこの患者での重症表現型を生じたかもと結論した

●Baser ら(2004) は, 人口ベースの英国 NF2 登録の406例で, 現在の年齢と治療センターのタイプ (専門または専門でない) の追加共変数を用いた回帰モデルを使って, いろんなタイプの第8神経腫瘍でない腫瘍での, 遺伝子型/表現型を評価した
 モデルは, また, 家系内相関も考慮した
 著者らは, 頭蓋内髄膜腫, 脊髄腫瘍, および末梢神経腫瘍で, 統計学的に有意な遺伝子型/表現型相関を発見した
 体質性 NF2 ミスセンス変異, スプライス部位変異, 大きな欠失, または体細胞モザイクをもつ人々は, 体質性ナンセンス変異またはフレームシフト NF2 変異をもつ患者より, 有意に少ない腫瘍をもっていた
 さらに, 頭蓋内髄膜腫および脊髄腫瘍に, 体質性 NF2 変異のタイプを調節後, 有意な家系内相関があった
 Baser ら(2004) は, 体質性 NF2 変異のタイプは, NF2 関連頭蓋内髄膜腫, 脊髄腫瘍および末梢神経腫瘍の数の重要な決定因子であると結論した

●Baser et al. (2005) は, NF2 の528家系831例で, スプライス部位変異部位と NF2 重症度を解析した
 症状発症年齢と頭蓋内髄膜腫をインジケーターとして
 彼らは, エクソン1からエクソン5までのスプライス部位変異をもつ患者は, エクソン11-15のスプライス部位変異をもつ患者より重症であることを発見した
 Baser et al. (2005) は, ミスセンス変異は通常軽症 NF2 を伴うという以前の観察を確認した

歴史
●Baser et al. (2004) は, NF2 の初期の遺伝子型/表現型相関の研究は, 疾患の重症度の定義に一般性により制限されていることに気付いた
 これは軽症, 中等症, または重症と報告されていることが多かった
 軽症および重症カテゴリーは'Gardner' (軽症) および 'Wishart' (重症) サブタイプの歴史的命名に相当した
 これは, NF2 の重症度は家系内で同じである傾向があるという臨床的観察に基づいていた (Wishart, 1822; Gardner and Frazier, 1930)
 もう一つのカテ後r−である, 'Lee-Abbott' (Lee と Abbott, 1969) は, 最重症 NF2 に相当し, その後の研究に一定して採用されてこなかった

細胞遺伝学
●Krone and Hogemann (1986)は, 散発性末梢性 NF と単純に記載された患者の抹消性神経線維腫症の培養細胞での主要な数的異常として22モノソミーを発見した
●Duncan et al. (1987)は, 非典型的神経線維腫症お患者で r(22) を観察した
 彼は NF 家族歴, カフェオーレ斑, および腋窩色素斑がなかった叢状神経腫をもっていた
 ISH により, Duncan et al. (1987) は, 正常な22番染色体とこの遺伝子をもつ r(22) の両方をもっていた
 
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