疾患詳細

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板間層欠損. 長管骨皮質の肥厚 (下肢). 長管骨皮質の肥厚と髄腔狭窄 (上肢). (Khan KTS et al: Kenny-Caffey syndrome in six Bedouin sibships: Autosomal recessive inheritance is confirmed. Am J Med Genet 69: 126-132, 1997)

#244460
Kenny-Caffey syndrome, type 1 (KCS1)
(KCS)
(Kenny-Caffey syndrome, autosomal recessive)

Kenny-Caffey 症候群 1 型
(Kenny-Caffey 症候群, 常劣型)
指定難病235 副甲状腺機能低下症

責任遺伝子:604934 Tubulin-specific chaperone E (TBCE) <1q42.3>
遺伝形式」常染色体劣性

(症状)
(GARD)
 <80%-99%>
 Congenital hypoparathyroidism (先天性副甲状腺機能低下症) [HP:0008198] [2131]
 Hypocalcemic seizures (低カルシウム血症性けいれん) [HP:0002199] [01405]
 
 <30%-79%>
 Calvarial osteosclerosis (頭蓋冠骨硬化症) [HP:0005450] [160016]
 Carious teeth (齲歯) [HP:0000670] [08314]
 Cortical thickening of long bone diaphyses (長管骨骨幹の皮質肥厚) [HP:0005791] [160016]
 Decreased skull ossification (頭蓋骨骨化遅延) [HP:0004331] [160015]
 Delayed cranial suture closure (頭蓋骨縫合閉鎖遅延) [HP:0000270] [0331]
 Delayed skeletal maturation (骨成熟遅滞) [HP:0002750] [160001]
 Full cheeks (大きな頬部) [HP:0000293] [0528]
 Hypertelorism (両眼開離) [HP:0000316] [06607]
 Hypocalcemic tetany (低カルシウム性テタニー) [HP:0003472] [2008] [01405]
 Intrauterine growth retardation (子宮内成長遅滞) [HP:0001511] [0111]
 Microcephaly (小頭) [HP:0000252] [03013]
 Postnatal growth retardation (生後の成長遅滞) [HP:0008897] [0130]
 Short foot (短い足) [HP:0001773] [15605]
 Small hand (小さな手) [HP:0200055] [15200]
 Stenosis of the medullary cavity of the long bones (長管骨髄腔狭窄) [HP:0100254] [160023]
 Thin clavicles (細い鎖骨) [HP:0006645] [16131]
 Thin long bone diaphyses (薄い長管骨骨幹) [HP:0006470] [160012]
 Thin ribs (細い肋骨) [HP:0000883] [16120]
 
 
 Anemia (貧血 ) [HP:0001903] [2201]
 Autosomal recessive inheritance (常染色体劣性遺伝) [HP:0000007]
 Birth length less than 3rd percentile (出生時体長 < 3パーセンタイル) [HP:0003561] [0111]
 Delayed closure of the anterior fontanelle (大泉門閉鎖遅延) [HP:0001476] [0320]
 Hypocalcemia (低カルシウム血症) [HP:0002901] [2008]
 Hypomagnesemia (低マグネシウム血症) [HP:0002917] [2019]
 Long clavicles (長い鎖骨) [HP:0000890] [16130]
 Proportionate short stature (均衡型低身長) [HP:0003508] [0130]
 Recurrent bacterial infections (反復性細菌感染症)  [HP:0002718] [01423]
 Seizures (けいれん) [HP:0001250] [01405]
 Short palm (短い手掌) [HP:0004279] [1533]
 Slender long bone (細い長管骨) [HP:0003100] [160012]
 Tetany (テタニー) [HP:0001281] [01405]

(UR-DBMS)
【一般】*均衡型の成長障害 (しばしば出生前; ARで重度) (成人 121-149 cm)
 出生時体長 <3 パーセンタイル, 子宮内成長障害
 低出生体重 (<2,500gm)
 低カルシウム血症性テタニーのエピソード (70%) (AR)
 低カルシウム血症性けいれん (AR)
 知能正常 (精神遅滞 15%)
 新生児肝病
 反復性細菌性感染症
  apnea due to hypocalcemia (AR)
【頭】*大泉門閉鎖遅延 (90%)
microcephaly (AR)
【顔】幅広い頬部
【眼】両眼開離
【口】齲歯, Delayed tooth eruption
【胸郭】細く長い鎖骨
 細い肋骨
【X線】骨年齢遅延 (65%)
 頭蓋骨骨化不全
 板間層腔欠損
 頭蓋骨骨硬化症
 *髄腔狭窄 (管骨)
 細い長管骨
 *内部皮質肥厚 (管骨)
【四肢】小さな手
 小さな足
【内分泌】新生児副甲状腺機能低下症 (6/11)
【血液】貧血 (30%)
【検査】*エピソード性低カルシウム血症 / 高リン血症 (乳児期 - 成人) (18/21) (AR)
 マグネシウム低値〜正常下限
【その他】hypoparathyroidism-retardation-dysmorphism syndrome (241410) とアレリック

【一般】知能正常 (AD) (精神遅滞 15%; AR)
 新生児肝疾患
【頭】大頭 (AD)
 幅広い前頭縫合 (80%)
【顔】前頭突出
 高い額
 severe micrognathia (AR)
【眼】(80%)*遠視, 偽乳頭浮腫による
 近視 (初期の報告で報告)
 *小眼球, 合併所見なし
 斜視
 角膜 / 網膜石灰化 (剖検)
 先天性白内障
 血管蛇行, 黄斑混濁
  deep-set eyes (AR)
 optic atrophy
Corneal and retinal calcification (autopsy)
【耳】聴覚異常
  large low-set pinnae (AR)
【性器】cryptorchidism (AR)
 micropenis (AR)
【X線】過剰な漏斗型の骨幹端
 基底核石灰化 (歯状核, 大脳および小脳の一部)
 狭い長管骨骨幹
 正常な脊椎骨 / 丸い骨 / 顔面骨
 軽度の中手骨短縮
【毛髪】疎な眉毛 / 睫毛
 高い前頭部毛髪線
【爪】爪低形成
【検査】高カリウム血症
【内分泌】calcitonin 低値
 hypoparathyroidism
 GH正常
【血液】持続性好中球減少
 異常なT 細胞機能
 貧血 (30%)

<小児慢性特定疾病 内28 副甲状腺機能低下症(副甲状腺欠損症を除く。)> 指定難病235
診断方法
・低カルシウム血症
・高リン血症
・血中PTH低値

多くが原因不明であり,特発性副甲状腺機能低下症(IHP : idiopathic hypoparathyroidism)と総称されてきたが, 家族性発症を示すものなどで遺伝子検索が可能となってきている。(副甲状腺の先天性形成不全, 発生異常を除く)
・副甲状腺のCa感受性の異常
・自己免疫性
・PTH遺伝子異常
・低Mg血症
・続発性:頸部手術や放射線照射後などに伴い発症
当該事業における対象基準
内E
治療で補充療法, 機能抑制療法その他の薬物療法を行っている場合。ビタミンDの維持療法を行っている場合も対象とする。

概念•定義
副甲状腺機能低下症は, 副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌不全により発症するPTH分泌不全性副甲状腺機能低下症と, 標的臓器のPTHに対する不応性により発症する偽性副甲状腺機能低下症に大別される。前者のうち原因の不明なものを特発性副甲状腺機能低下症とよぶが, 責任遺伝子が明らかとなった副甲状腺機能低下症が増えている。副甲状腺機能亢進症および甲状腺機能亢進症の治療のために, 副甲状腺あるいは副甲状腺を含む甲状腺を摘除した場合に, 医原性に副甲状腺機能低下症が引き起こされる。PTH分泌は血清カルシウム値により調節されているが, この感知システムの過度の感受性はPTH分泌低下を伴い, 副甲状腺機能低下症類似の病態を呈する。
疫学
まれ。22q11.2欠失症候群は1/4,000~5,000出生の頻度で認められ, このうちの一部が副甲状腺機能低下症を呈する。
病因
① 奇形症候群に伴う副甲状腺の臓器発生の異常, ②カルシウム感受性の異常, ③免疫異常, ④PTHの異常に大別できるが, いまだに病因不明の特発性もある。奇形症候群などに合併する副甲状腺臓器発生の異常としては, 22q11.2欠失症候群, HDR症候群(Barakat症候群)Kenny-Caffey症候群などがある。
症状
低カルシウム血症, 高リン血症, PTH低値, テタニー, 痙攣など。奇形症候群に伴うものでは, それぞれ特徴的な異常を伴う。
治療
副甲状腺機能低下症の治療における目標は, 血清カルシウム値を上昇させることにより, 急性低カルシウム血症の症状を緩和し, 慢性の低カルシウム血症および高カルシウム尿症による合併症を予防することである。現在のところ, 治療の中心になるのはビタミンD製剤である。低カルシウム血症によるけいれん, テタニー, 喉頭けいれんなどの症状が認められる場合, あるいは血清カルシウム値が7 mg/dl以下の時は8.5%グルコン酸カルシウムを緩徐に静注する。血清カルシウム値の急速な変動により, 心悸亢進, 徐脈などの不整脈がおきる可能性があるため, カルシウム静脈内投与時は, 心電図モニターが必須である。
予後
短期的には低カルシウム血症を来さないようにビタミンD投与を基本とする治療を行えば問題は無い。時に過剰なビタミンD投与により, 尿路結石, 腎機能低下, 異所性石灰化が問題となる。

<指定難病> 副甲状腺機能低下症
1.概要
 副甲状腺機能低下症は, 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone: PTH)分泌低下によるPTH作用障害から低カルシウム(Ca)血症や高リン血症が惹起され, 主に低Ca血症による症状が問題となる疾患である。

2.原因
 副甲状腺機能低下症の原因は, 遺伝子異常,頸部手術後, 肉芽腫性疾患, 免疫異常など, 多岐に渡る。

3.症状
 低Ca血症による口周囲や手足などのしびれ感・錯感覚, テタニー, 喉頭痙攣, 全身痙攣が問題となる場合が多い。これに加え, 白内障や大脳基底核の石灰化, 抑うつ, 不整脈, 皮膚や毛髪の異常など, 多彩な症候を呈しうる。

4.治療法
 テタニーや全身痙攣などに対しては, グルコン酸Caの静脈投与が行われる。慢性期の治療には, 血中Ca濃度を上昇させるために活性型ビタミンD3製剤が主として使用される。これに加え, Ca製剤が併用される場合がある。ただしこれらの治療は, 病因に基づく治療法ではなく, 高Ca血症や高Ca尿症, 腎石灰化や尿路結石, 腎機能障害などの有害事象を惹起する場合がある。

5.予後
 現状の治療により, 血中Ca濃度を上昇させ, テタニーや全身痙攣を予防することはある程度可能である。ただし, 不規則な服薬や食事量低下によるCa摂取量の減少などにより, 症状が出現する場合がある。さらに上述のように, 治療薬による有害事象が問題となる場合もある。

<診断基準>
副甲状腺機能低下症の診断基準で Definite, Probableとされたものを対象とする。
ただし, 二次性副甲状腺機能低下症, マグネシウム補充により治癒する場合を除く。

副甲状腺機能低下症の診断基準
A症状
1. 口周囲や手足などのしびれ, 錯感覚
2. テタニー
3. 全身痙攣
B検査所見
1. 低Ca血症, かつ正または高リン血症
2. eGFR 30 ml/min/1.73 m2以上
3. Intact PTH 30 pg/ml未満

<診断のカテゴリー>
Definite:Aのうち1項目以上+Bのうち3項目を満たすもの。
Probable:Bのうち3項目を満たすもの。
Possible:Bのうち1と3を満たすもの。

<除外項目>
1.二次性副甲状腺機能低下症
 二次性に副甲状腺機能低下を来す疾患は以下のとおり。
・頸部手術後
・放射線照射後
・悪性腫瘍の浸潤
・肉芽腫性疾患
・ヘモクロマトーシス
・ウィルソン病
・母体の原発性副甲状腺機能亢進症(新生児・一過性)

2.マグネシウム補充により治癒する場合
 低マグネシウム血症を認める場合には硫酸マグネシウム等による補充を行い, 低マグネシウム血症の改善に伴い低Ca血症が消失する場合には, 低マグネシウム血症に対する治療を継続する。

(頻度) 4 家系: Franceschini ら(1992) は, 姉弟例: Sarria ら(1980) は, いとこ2例; Khan ら(1997) は, 6同胞16例; Sabry ら(1998)は, 同胞2例
(コメント) 通常は常染色体優性 *127000
(責任遺伝子) *604934 Tubulin-specific chaperone E (TBCE) <1q42.3>
(1) Hypoparathyroidism-retardation-dysmorphism syndrome (241410)
.0001 Hypoparathyroidism-retardation-dysmorphism syndrome (244460 Kenny-Caffey syndrome, type I) [TBCE, 12-BP DEL, NT155 [dbSNP:rs786205075] (RCV000191990...)(Parvari et al. 2002; Ratbi et al. 2015)
.0002 Hypoparathyroidism-retardation-dysmorphism syndrome [TBCE, 2-BP DEL, 66AG] (RCV000005610) (Parvari et al. 2002, Tian et al. 2006)
.0003 Hypoparathyroidism-retardation-dysmorphism syndrome [TBCE, 1113T-A TBCE, CYS371TER] (dbSNP:rs121908384) (RCV000005611) (Parvari et al. 2002)
(2) Encephalopathy, progressive, with amyotrophy and optic atrophy (617207)
.0004 Encephalopathy, progressive, with amyotrophy and optic atrophy (617207) [TBCE, ILE155ASN (rs780472451)] (dbSNP:rs780472451) (RCV000412509] (Sferra et al. 2016)
.0005 Encephalopathy, progressive, with amyotrophy and optic atrophy [TBCE, 1-BP DEL, 1076C (rs750781063)] (dbSNP:rs750781063) (RCV000412635) (Sferra et al. 2016)

*TBCE: Tubulin-specific chaperone E (527 aa)
・chaperone タンパクでalpha-tubulin subunitsの適切な折畳みとalpha-beta-tubulin heterodimers形成に必要である
required for proper folding of alpha-tubulin subunits and the formation of alpha-beta-tubulin heterodimers
・Cofactor E は, 中間産物から正しく折り畳まれたbeta-tubulinを生じる径路に含まれる4つのタンパク (cofactors A, D, E, C)の1つである
 Cofactors A と D は, quasi-native confirmationでの beta-tubulin 中間産物の捕獲と安定化で役割もつと信じられている
 Cofactor E は cofactor D/beta-tubulin complex と結合する
 cofactor C との相互作用は, 自然の状態となる beta-tubulin ポリペプチドの遊離を生じる
・tubulin 折畳みみ径路の第2段階に関与する
・ニューロン微小管ネットワークの維持に関与すると思われる
・tubulin ヘテロダイマーの解離に関与する
※tubulin は細胞分裂での微小管を形成する

(ノート)
●(#) は, 常染色体劣性型 Kenny-Caffey 症候群 (KCS1)は tubulin-specific chaperone E (TBCE; 604934)をコードする遺伝子の変異が原因なため

● TBCE 遺伝子の2アレル変異は Sanjad-Sakati 症候群 (HRDS; 241410) と PEAMO (617207)も生じうる

●Kenny-Caffey 症候群の遺伝は, 常染色体優性が最も多い (KCS2; 127000) (Franceschini et al., 1992)

臨床症状
●Franceschini ら(1992) は, 正常な血縁のある両親の男女同胞例を記載した
 典型的Kenny-Caffey 症候群 (127000)の症状があった
  大多数は明らかに常染色体優性である
 Franceschini ら(1992) は少なくとも26例の常染色体優性家系の報告を見つけた
 劣性の可能性のある報告は両親の血縁のある家系で患者子供1例の家系 (Bergada ら, 1988)と
  同じ正常な父と異なる母での子供2例の家系 (Sarria ら, 1980)で示唆された
 Franceschini ら(1992) の家系では女児は生後10日で低カルシウム血症に伴う全身性筋強直性けいれんで死亡した
  弟は新生児副甲状腺機能低下症があり, 1歳時低身長であったが知能は正常であった
  両者とも典型的な骨皮質肥厚と髄腔の狭窄があった

●Khan ら(1997) は, 劣性型の Kenny-Caffey 症候群を確認した
 ベトウィンの祖先をもつ血縁のある健康な両親に生まれた6つの別々の同胞での16例を報告した
 16例中11例を診察できた
 著明な成長障害, 頭蓋顔面奇形, 小さな手足, 低カルシウム血症, 副甲状腺機能低下症, 長管骨の皮質肥厚と隋旧狭窄, 頭蓋骨でのdiploic spaceの欠損が全員にあった
 低カルシウム血症性けいれんにより乳児期に死亡した6例があった
 全例とも大頭, 早期の精神運動発達遅滞はなかった

マッピング
●Diaz ら(1998) は, 血縁のある8つのクウェート人家系で, 常劣型の遺伝子とゲノム全体の連鎖を多型 short tandem repeat マーカーをもちいて調べた
 有意の連鎖が 1q42-q43 の座のマーカーで得られた
  D1S2649 との a maximum 2-point lod score =13.30
 近接マーカーでのハプロタイプ解析は, 動原体境界が D1S2800 でテロメア側境界が D1S2850 である, 約4-cM のインターバルの領域にKCS1 座を決めた
 これらの関連のない家系の患者全員はD1S2649 と D1S235 の同じアレルのホモ接合体であった
  これらの家系の疾患には単一の先祖の変異があることを示唆した
●Sabry ら(1998)は, 血縁のある KCS 家系で 22q11のハプロ不全 を報告した
 上記の家系について記載しなかった
 Sabry ら(1998) は患者同胞2例と患者でない母でFISH により22q11 の腕間欠失を証明した
●Diaz ら(1998) が調べた8つの家系のうち6つの患者の臨床所見は以前にKhan ら(1997)により記載されている

分子遺伝学
●Parvari ら(2002) は, Kenny-Caffey 症候群と Sanjad-Sakati 症候群の両方で TBCE 遺伝子 (604934) の変異を証明した

(ノート2)
●Kenny and Linarelli (1966) および Caffey (1967)
 大頭, 低出生体重およびテタニーとなる高リン血症を伴う低カルシウム血症のエピソードを伴う均衡型成長遅滞の症候群を最初に記載した
●約50例が報告されている
(Abdel-al Y ら 1989, Ali F ら 1998, Bergada I ら 1988, Boynton JR ら 1979, Caffey 1967, Diaz GA ら 1998, Diaz GA ら 1999, Fanconi S ら 1986, Fernandez GR ら 1992, Franceschini P ら 1992, Frech RS, McAlister WH 1968, Hershkovitz E ら 1995, Hoffman WH ら 1998, Kalam MA, Hafeez W 1992, Kenny FM, Linarelli L 1966, Khan KTS ら 1997, Larsen JL e.t al 1985, Lee WK ら 1983, Majewski F ら 1981, Parvari R ら 1998, Richardson RD, Kirk JMW 1990, Sabry MA ら 1998, Sabry MA ら 1998, Sanjad SA ら 1991, Sarria A ら 1980, Wilson MG ら 1974, Yorifuji T ら 1998)
●遺伝的異質性がありそうだ (Sabry MA ら 1998)
●垂直伝達が3回記載されたが (Kenny FM, Linarelli L 1966, Majewski F ら 1981, Sarria A ら 1980), 多数の患児が正常な両親から生まれている (Franceschini P ら 1992, Khan KTS ら 1997, Richardson RD, Kirk JMW 1990, Sabry MA ら 1998) および17家系では血縁がある (Abdel-al Y ら 1989, Bergada I ら 1988, Franceschini P ら 1992, Khan KTS ら 1997, Richardson RD, Kirk JMW 1990, Sabry MA ら 1998)
 常染色体劣性遺伝を示唆している
●1家系では, 22q11 の欠失が患者同胞4例とその臨床的には患者でない母で検出された (Kenny FM, Linarelli L 1966)
 この所見はもう一人の血縁のない片親にはなかった (Yorifuji T ら 1998)
●Sanjad-Sakati 症候群として知られる常染色体劣性型は, おそらく地中海地域出身であった
 1q42-q43 にマップされる (Ali F ら 1998, Diaz GA ら 1998, Parvari R ら 1998)
●Diaz ら(1999) は, Sanjad-Sakati 症候群と劣性 Kenny-Caffey 症候群はアレリックであることを示した
 劣性疾患の患者は精神遅滞, より顕著な成長遅滞, 小頭, 重度の小顎, 大きな低位耳介, 落ちくぼんだ目, 小さな手足, 停留精巣および小陰茎を示す (Hershkovitz E ら 1995, Kalam MA, Hafeez W 1992, Sanjad SA ら 1991)
 優性型は正常知能, 生後の成長遅滞のみ, 大頭, 濃い骨をもつ
 劣性疾患の患者は通常新生児けいれん, 低カルシウム血症によるテタニーまたは無呼吸により証明される
 数例は新生児敗血症または反復性感染症となる免疫不全をもつ
●Gorlin らは, Wilson ら(1974) が記載した患者は本疾患とは同意できない
●Khan ら(1997) は, 有用なレビューを提供した

●顔貌は極く軽度の形態異常である
 前額突出, 高い毛髪線, 眉毛および睫毛減少がある
●目の所見は80%でみられる
 合併症のない小眼球と遠視から, 高度の偽乳頭浮腫, 血管蛇行, 視神経萎縮および黄斑混濁まである (Fernandez GR ら 1992)
 角膜および網膜石灰化が剖検でみられている (Boynton JR ら 1979, Lee WK ら 1983)
●頭蓋内石灰化が報告されている (Boynton JR ら 1979, Sabry MA ら 1998)
●歯萠出遅延と高度な齲歯が存在しうる (Khan KTS ら 1997, Sabry MA ら 1998).

●成人身長は 121 〜 152 cm である(Lee WK ら 1983)
●長管骨軸は狭く, 皮質肥厚と骨髄腔狭窄がある (Larsen JL e.t al 1985)
●骨年齢は約60%で遅延している
●軽度の中手骨短縮がる
●大泉門閉鎖遅延が西洋の例で非常に多いが (90%), 中東例では少ない
 板間層腔欠損を伴う幅広い前頭縫合が約80%でみられる
 Majewski ら(1981) の患者は髄腔狭窄がなかった
●精神発達は中東例をのぞき通常正常である (Khan KTS ら 1997)
●エピソード性低カルシウム血症性テタニーは約70%でみられる
(Fanconi S ら 1986, Khan KTS ら 1997, Weiland P ら 1981)
 通常副甲状腺機能低下症の症例でである
●貧血は約30%で記載されている (Franceschini P ら 1992)
●成長ホルモンは正常である
(Lee WK ら 1983, Majewski F ら 1981, Sabry MA ら 1998)
●Hoffman ら(1998)は小睾丸の2例を報告した
 1例はFSH高値, テストステロン正常であった
 1例は Leydig 細胞過形成があった

(文献)
(1) Sarria A et al. Estenosis tubular diafisaria (sindrome de Kenny-Caffey): presentacion de cuatro observaciones. An. Esp. Pediat 13: 373-380, 1980
(2) Bergada I et al. Kenny syndrome: description of additional abnormalities and molecular studies. Hum Genet 80: 39-42, 1988
(3) Franceschini P et al. Kenny-Caffey syndrome in two sibs born to consanguineous parents: evidence for an autosomal recessive variant. Am J Med Genet 42: 112-116, 1992
(4) Khan KTS et al. Kenny-Caffey syndrome in six Bedouin sibships: autosomal recessive inheritance is confirmed. Am J Med Genet 69: 126-132, 1997
(5) Diaz GA et al. The autosomal recessive Kenny-Caffey syndrome locus maps to chromosome 1q42-q43. Genomics 54: 13-18, 1998
(6) Sabry MA et al. Kenny-Caffey syndrome is part of the CATCH22 haploinsufficiency cluster. J. Med. Genet. 35: 31-36, 1998
(7) Parvari, R.; Hershkovitz, E.; Grossman, N.; Gorodischer, R.; Loeys, B.; Zecic, A.; Mortier, G.; Gregory, S.; Sharony, R.; Kambouris, M.; Sakati, N.; Meyer, B. F.; and 10 others : Mutation of TBCE causes hypoparathyroidism-retardation-dysmorphism and autosomal recessive Kenny-Caffey syndrome. Nature Genet. 32: 448-452, 2002

2009.5.20
2015/09/29 SNP
2016/11/30 ノート改訂 アレリック変異追加
2017/06/14 RCV