疾患詳細

疾患詳細



37 か月児. 前頭突出, 狭い瞼裂斜下, 両眼接近, 両側内眼角贅皮, テント状上口唇. 小脳虫部低形成, 第4脳室および大槽拡大, 脳幹低形成 (患者2) 小脳虫部による第4脳室変形. 大きな視神経コロボーマと周囲の脈絡膜と末梢網膜色素欠乏白質領域 (Lewis SME et al. Joubert syndrome with congenital hepatic fibrosis: an entity in the spectrum of oculo-encephalo-hepato-renal disorders. Am J Med Genet 52: 419-426, 1994)

%243910
Arima syndrome
(Dekaban-Arima syndrome)
(Joubert syndrome with bilateral chorioretinal coloboma)
(Coloboma, chorioretinal, with cerebellar vermis aplasia)
(Cerebro-oculo-hepato-renal syndrome)

有馬症候群
(Dekaban-Arima 症候群)
(Joubert 症候群-両側性脈絡膜網膜コロボーマ)
(コロボーマ, 脈絡膜網膜-小脳虫部無形成)
(脳-眼-肝-腎症候群)

遺伝子座:不明
遺伝形式:常染色体劣性

(症状)
(GARD)
 <80%-99%>
 Apnea (無呼吸) [HP:0002104] [01600]
 Ataxia (運動失調) [HP:0001251] [028]
 Global developmental delay (全般的発達遅滞) [HP:0001263] [0120]
 Intellectual disability (知的障害) [HP:0001249] [0120]
 Molar tooth sign on MRI (大臼歯サイン) [HP:0002419] [1601259]
 Muscular hypotonia (筋緊張低下) [HP:0001252] [0242]
 Nephropathy (腎症) [HP:0000112] [0196]
 Retinal dystrophy (網膜ジストロフィー) [HP:0000556] [0652]
 Tachypnea (多呼吸) [HP:0002789] [01612]
 
 <30%-79%>
 Autistic behavior (自閉的行動) [HP:0000729] [02202]
 Biparietal narrowing (両頭頂径狭窄) [HP:0004422] [03009]
 Blindness (盲)  [HP:0000618] [06011]
 Chorioretinal coloboma (脈絡膜網膜コロボーマ) [HP:0000567] [060135]
 Iris coloboma (虹彩コロボーマ) [HP:0000612] [060131]
 Long face (長い顔) [HP:0000276] [0410]
 Low-set, posteriorly rotated ears (低位の後方回転耳介) [HP:0000368] [09007] [09009]
 Nystagmus (眼振) [HP:0000639] [06609]
 Ptosis (眼瞼下垂) [HP:0000508] [06807]
 
 <5%-29%>
 Abnormality of cardiovascular system morphology (心血管奇形) [HP:0030680] [1120]
 Abnormality of neuronal migration (ニューロン移動異常) [HP:0002269] [-]
 Abnormality of the hypothalamus-pituitary axis (視床下部-下垂体軸異常) [HP:0000864] [211]
 Aganglionic megacolon (無神経節性巨大結腸) [HP:0002251] [12305]
 Anteverted nares (上向きの鼻孔) [HP:0000463] [0740]
 Aplasia/Hypoplasia of the corpus callosum  (脳梁無形成/低形成) [HP:0007370] [160122
 Encephalocele (脳瘤)  [HP:0002084] [0341]
 Foot polydactyly (多趾症) [HP:0001829] [15406]
 Hand polydactyly (多指症) [HP:0001161] [15406]
 Highly arched eyebrow (高位の弓形眉毛) [HP:0002553] [1721]
 Hydrocephalus (水頭症) [HP:0000238] [03010]
 Prominent nasal bridge (目立つ鼻梁) [HP:0000426] [0706]
 Renal insufficiency (腎不全) [HP:0000083] [0196]
 Scoliosis (側弯) [HP:0002650] [161502]
 Seizures (けいれん) [HP:0001250] [01405]
 Strabismus (斜視) [HP:0000486] [06610]
 
 
 Agenesis of cerebellar vermis (小脳虫部無発生) [HP:0002335] [16013]
 Aplasia/Hypoplasia of the cerebellar vermis (小脳虫部無形成/低形成) [HP:0006817] [16013]
 Autosomal recessive inheritance (常染色体劣性遺伝) [HP:0000007]
 Brainstem dysplasia (脳幹異形成) [HP:0002508] [16013]
 Dilated fourth ventricle (第4脳室拡大) [HP:0002198] [03010]
 Dyspnea (呼吸困難)  [HP:0002094] [01606]
 Generalized hypotonia (全身性筋緊張低下)  [HP:0000939] [0242]
 Hepatic fibrosis (肝線維症) [HP:0001395] [1210]
 Hepatic steatosis (脂肪肝) [HP:0001397] [12101]
 Hepatomegaly (肝腫) [HP:0002240] [01813]
 Heterotopia (異所性灰白質) [HP:0002282] [160128]
 Hypoplasia of the brainstem 
 Hypoplasia of the brainstem (脳幹低形成) [HP:0002365] [16013]
 Intellectual disability, progressive (進行性知的障害) [HP:0006887] [0120]
 Intellectual disability, severe (重度知的障害) [HP:0010864] [0120]
 Nephronophthisis (ネフロン癆) [HP:0000090] [13009]
 Occipital meningocele (後頭髄膜瘤) [HP:0002436] [0341]
 Polycystic kidney dysplasia (多嚢胞腎性異形成) [HP:0000113] [13001]
 Postaxial foot polydactyly (軸後性多趾症)  [HP:0001830] [154061]
 Postaxial hand polydactyly (軸後性多指症)  [HP:0001162] [154061]
 Renal corticomedullary cysts (腎皮質髄質嚢胞) [HP:0000108] [13001]
 Stage 5 chronic kidney disease (ステージ5腎疾患) [HP:0003774] [0196]
 Tubular atrophy (尿細管萎縮) [HP:0000092] [13009]
 Tubulointerstitial fibrosis (尿細管間質線維症) [HP:0005576] [130]
 Undetectable electroretinogram (ERG検出不能) [HP:0000550] [0690]
 Wide mouth (幅広い口) [HP:0000154] [0802]

(UR-DBMS)
【一般】新生児多呼吸
 新生児呼吸困難
 精神運動発達遅滞
 発達遅滞
 精神遅滞, 重度
 腎不全
【神経】運動失調
 筋緊張低下
【眼】乳児期からの視力障害
 盲
 両側性脈絡膜網膜コロボーマ
 網膜ジストロフィー
 眼振
 異常な眼球運動
 眼瞼下垂
 ERG廃絶
【口】舌のリズム性突出
 大口
【消化器】肝線維症
 脂肪肝
 肝腫
【腎】若年性ネフロン癆
 多嚢胞腎
 皮質髄質性嚢胞
 間質性線維症
 尿細管萎縮
 分厚い尿細管基底膜
 末期腎疾患が小児期に生じる
【心】先天性心疾患
【四肢】軸後性多指 (手足)
【X線】小脳虫部無形成/ 低形成
 小脳異所性灰白質
 脳幹低形成/異形成
 後頭部髄膜瘤
 幹内の皮質脊髄線維の低形成と異所性
 第4脳室拡大
 大臼歯サイン (MRI)
【皮膚】手関節および肘の皮膚陥凹

【眼】内眼角外方偏位

<小児慢性特定疾病 11 ジュベール(Joubert)症候群関連疾患>
診断方法
Ⅰ.主要臨床症状
1. 小脳虫部の低形成または欠損, 脳幹の形態異常
2. 精神運動発達遅滞
3. 新生児期または乳児期の筋緊張低下
4. 中枢性呼吸異常(過呼吸・無呼吸など)
5. 眼球運動異常(眼球運動失行, 眼振など)
Ⅱ.他の合併症状
1. 乳幼児~思春期に生ずる進行性腎不全, 腎のう胞
2. 視覚障害(網膜色素変性, 網膜部分欠損など)
3. 眼瞼下垂
4. 脂肪肝, 肝腫大, 肝硬変などの肝障害
5. 口唇・蓋裂などの口腔内の異常, 多指(趾)
6. 小脳失調
Ⅲ.重要な検査所見
①血液検査:貧血, 高BUN, 高クレアチニン血症, 低Ca,高P血症
②尿検査:低浸透圧尿, 多尿など
③網膜電位(ERG)検査:反応消失または著減
④頭部CT, MRI検査:小脳虫部欠損・低形成, 脳幹形態異常(Molar tooth sign)
⑤腎CT, MRI, 超音波検査:多発性腎嚢胞
⑥腎生検:ネフロン癆
⑦腹部エコー検査:脂肪肝, 肝腫大, 肝硬変など。

診断は, Ⅰ. 1, 2, 3 は必須で, かつ 4, 5 のどちらかまたは両方を呈するものとする。
Ⅱ. の 1 ~ 6 を合併する場合も本症と診断する。
また Ⅲ. の検査所見は診断の補助として重要。
当該事業における対象基準
神A
運動障害, 知的障害, 意識障害, 自閉傾向, 行動障害(自傷行為又は多動), けいれん発作, 皮膚所見(疾病に特徴的で, 治療を要するものをいう。), 呼吸異常, 体温調節異常, 温痛覚低下, 骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

概要
有馬症候群は, 1971年に有馬正高により報告された疾患で, 乳児期早期より重度精神運動発達遅滞, 先天性視覚障害, 嚢胞腎(若年性ネフロン癆), 眼瞼下垂, 小脳虫部欠損, 下部脳幹形成異常を呈する常染色体劣性遺伝疾患である
ジュベール(Joubert)症候群は, 1969年にJoubertがフランス系カナダ人の家族に筋緊張低下, 呼吸異常, 眼球運動失行, 小脳虫部低形成あるいは欠損を呈する疾患を初めて報告し, その後世界で100例以上の報告がある。近年, この本来のJoubert症候群に腎障害, 視覚障害などの合併が報告され, Joubert症候群関連疾患として提唱されている。
疫学
有馬症候群は, 本邦で10名程度と推測される。Joubert症候群は, 8-10万に1名程度と推測されている。
病因
近年, ジュベール(Joubert)症候群, セニオール・ローケン(Senior-Loken)症候群, COACH 症候群 などのジュベール症候群関連疾患はcilia(繊毛)の障害として理解されている。
絨毛(cilia)は脊椎動物のほとんどの細胞に存在し, 非運動性の一次繊毛(primary cilium)と運動性繊毛(motile cilium)がある。
最近, 一次繊毛は多くの臓器に存在し, 機械的や化学的な刺激の受容のみならず発生や器官形成・維持に必要なシグナル因子の情報伝達を担っていることがわかってきた。その一次繊毛の機能不全は脳形成障害や多指症, のう胞腎, 肝・膵の形成障害, 網膜の形成障害などをもたらし, 知的障害などがおきる。
これらの疾患の原因遺伝子の異常として, AHI1, NPHP1, NPHP6 (CEP290), TMEM67 (MKS3 or MECKELIN) and RPGRIP1Lなどが報告されている。
有馬症候群の遺伝子の異常はいまだ不明であるがやはりciliopathy(繊毛障害)の可能性が高いといわれている。
症状
有馬症候群は, 早期より重度の精神運動発達遅滞, 小脳虫部欠損・低形成(脳幹部の形態異常を伴うことがある), 乳幼児期から思春期に生ずる進行性腎機能障害, 病初期からみられる視覚障害(網膜部分欠損などを伴うことあり), 片側あるいは両側性の眼瞼下垂様顔貌(症状の変動があることがある)が特徴である。腎機能障害, 視覚障害は, 当初異常なくても, 途中から症状が顕在化してくることがある。腎機能障害は, 脱水, 成長障害, 不明熱という症状で, 気づかれることもある。
ジュベール症候群は筋緊張低下, 呼吸異常, 眼球運動失行, 小脳虫部低形成・欠損を呈する疾患である。小脳虫部の低形成と脳幹部の形態異常は, Molar Tooth signとして知られている。ジュベール症候群は近年多彩な症状を呈することが分かり, Joubert症候群+視覚障害やJoubert症候群+腎機能障害, Joubert症候群+視覚障害+腎機能障害, Joubert症候群+顔面指異常・内臓逆位などが報告され, Joubert症候群関連疾患という概念が提唱されている。
治療
有馬症候群の治療については, 予後に関連する腎障害の治療が重要となる。早期よりの腎障害への対応, また腎障害が進行すると透析, 腎移植などが必要になる。
Joubert症候群では, 新生児期, 乳幼児期などに呼吸障害を呈する場合がある。呼吸促進剤, 酸素投与, 場合によっては, 人工呼吸器管理などを要する場合がある。
また有馬症候群, Joubert症候群ともに, 低緊張・運動発達の遅れや認知面・言語面などの遅れに対して, 早期介入などの療育を必要とする。
予後
Joubert 症候群の呼吸異常は時に死に至ることもあるので注意が必要である。しかし呼吸異常は通常は年齢と共に改善することが多い。Joubert症候群にも腎障害を合併することがあり, 予後を左右する。有馬症候群は早期に腎障害が進行することが多く, 遅くとも小児期には腎不全となる。


<指定難病> 有馬症候群
1.概要
 有馬症候群は、1971年に有馬正高により報告された疾患で、乳児期早期より重度精神運動発達遅滞、先天性視覚障害、嚢胞腎(ネフロン癆)、眼瞼下垂、小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常を呈し、腎透析などを行なわないと小児期までに死亡する常染色体劣性遺伝性疾患である。

2.原因
 CEP290遺伝子の特定の変異が原因であるが、その発症病態は不明である。

3.症状
 乳児期早期より精神運動発達遅滞、網膜欠損、嚢胞腎(ネフロン癆)、眼瞼下垂、小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常を呈し、未治療の際には腎障害のため小児期までに死亡する。また合併症として、感染症、誤嚥性肺炎などがあり、日常的に注意が必要である。

4.治療法
 現在のところ根本的治療法はない。従って、治療は対症療法のみであり、理学療法を中心とした療育が重要である。

5.予後
 未治療の場合には、腎不全のため小児期までに死亡する。腎透析や腎移植により、成人中年期の報告がある。

<診断基準>
Definite、Probableを対象とする。

有馬症候群の診断基準

A 主要症状
 ① 重度の精神運動発達遅滞
 ② 小脳虫部欠損・低形成(脳幹部の形態異常を伴うことがある。)
 ③ 乳幼児期から思春期に生ずる進行性腎機能障害
 ④ 病初期からみられる視覚障害(網膜部分欠損などを伴うことあり。)
 ⑤ 片側あるいは両側性の眼瞼下垂様顔貌(症状の変動があることがある。)

B 参考所見
1 臨床所見
 ① 顔貌の特徴:眼瞼下垂、眼窩間解離、鼻根扁平、大きな口。
 ② 病初期から脱水、成長障害、不明熱をみることがある。
2 検査所見
   ① 血液検査:貧血、高BUN、高クレアチニン血症
   ② 尿検査:低浸透圧尿、高β2マイクログロブリン尿、NAG尿
   ③ 網膜電位(ERG)検査:反応消失または著減
   ④ 頭部CT、MRI検査:小脳虫部欠損・低形成、脳幹低形成
   ⑤ 腎CT、MRI、超音波検査:多発性腎嚢胞
   ⑥ 腎生検:ネフロン癆
   ⑦ 腹部エコー検査:脂肪肝、肝腫大、肝硬変などの肝障害

C鑑別診断
 以下の疾患を鑑別する。
 ジュベール症候群、セニオール・ローケン症候群、COACH症候群。

D遺伝学的検査
繊毛に関する24遺伝子(INPP5E , TMEM216, AHI1, NPHP1, CEP290, TMEM67, RPGRIP1L, ARL13B, CC2D2A, CXORF5, TTC21B, KIF7, TCTN1, TMEM237, CEP41, TMEM138, C5ORF42, TCTN3, ZNF423, TMEM231, EXOC8, NPHP4, IQCB1, SDCCAG8)が知られている。

(ノート)
●Arima 症候群は, 常染色体劣性疾患で, 小脳虫部無発生, 眼異常, 嚢胞腎および, 数例で肝疾患が特徴である
 Joubert 症候群, COACH 症候群 (216360), および家族性若年性腎癆 (256100)と表現型を共有する

臨床症状
●Dekaban (1969) は, 先天性皮質盲, 多嚢胞腎および脳発生異常 (小脳虫部無発生を含む) をもつ同胞2例を報告した
●Arima ら(1971) は, 盲, 重度の精神運動発達遅滞, 早期乳児期からの筋緊張低下, 小脳虫部低形成および多嚢胞腎の, 同胞2例と無関係は女児1例を報告した

●Matsuzaka ら(1986) は, 関連のない3例 (男児2例と女児1例) を報告した
 早期乳児期からの重度の視力障害, 精神運動発達遅滞, 筋緊張低下, 眼振, 眼瞼下垂, 進行性慢性腎不全があった
 12歳と13歳で死亡した男児2例の剖検は, 小脳虫部のほぼ全無形成, 脳幹奇形 (前オリーブ核の脳回肥厚と錐体路の部分欠損と位置異常など), および多嚢胞腎を示した
 1例は, 脂肪肝をもち, 別の1例は肝線維症をもっていた
 Matsuzaka ら(1986) は, これらの所見の集まりは, 彼らが, 脳眼肝腎症候群または有馬症候群と命名した独特の臨床病理学的疾患単位に一致すると結論した

●Lindhout ら(1980) は, 両側性脈絡膜網膜コロボーマを伴う Joubert 症候群の1例を報告した
 著者らは, Joubert 症候群では両側性脈絡膜網膜コロボーマは報告されていないと述べた
●Pfeiffer (1981) も, 両側性脈絡膜網膜コロボーマを伴う Joubert 症候群を報告した

●Saraiva と Baraitser (1992) は, Joubert 症候群の患者は2つのグループに分けられることを示唆した
 網膜ジストロフィーのあるものとないもの
 彼らは, 網膜ジストロフィーは家系に真性で生じ, 腎嚢胞がある時は必ずみられると結論した
 腎嚢胞は, 多発性で小さく皮質性で, 間質性慢性炎症と線維症がある
 間質性慢性炎症と線維症は腎嚢胞がなくてもみられるかもしれない
  数例の患者の腎機能異常を説明するかもしれない
 組織病理学的変化は, 網膜ジストロフィーのない患者では報告されていない
 彼らの結論は, Joubert 症候群の診断の可能性のある, 72の過去の報告例と新しい29例に基づいていた
 Saraiva と Baraitser (1992) は, この型は Dekaban (1969)が最初に報告したので Dekaban 症候群と呼ばれるべきであると示唆した

●Ivarsson ら(1993) は, Joubert 症候群, 網膜ジストロフィー (彼らは Leber 先天性黒内障と呼んだ) および多嚢胞腎の症状をもつ男児1例を記載した
 発端者の母のその後の妊娠で, Ivarsson ら(1993) はエコーによる出生前診断を行った
  後頭部髄膜瘤と両側性腎の多発性嚢胞が17週で証明された

●Lewis ら(1994) は, Joubert 症候群と肝脾腫をもつ関連のない小児2例を記載した
 組織病理学的検査で, 両者は先天性肝線維症をもっていた
 両者とも先天性腎髄質嚢胞症をもつことが発見された
 Lewis ら(1994) は, Joubert 症候群は, 中枢神経, 眼, 肝および腎を含む先天奇形症候群のスペクトラムの1つであると示唆した
 COACH 症候群 (216360) は, 小脳虫部低形成/無形成, 眼コロボーマ, 肝線維症の組合せである

●Kumada ら(2004) は, 有馬症候群の5例で, 病理所見を報告した
 2例は Matsuzaka ら(1986)により報告されたものであった
 1例は Arima ら(1971)のより報告されていた
 1例は, 両親に血縁があり, Koya ら(1973)により報告されていた
 全例が, 小児期に末期腎疾患を生じた
  主に, 腎ナトリウム喪失と尿濃縮障害が特徴であった
  また, 多尿, 多飲, 貧血および成長遅滞をもっていた
 肉眼的には, 腎は, 顆粒状の被膜表面を伴い小さく, 全体にいろんなサイズの多発性嚢胞を含んでいた
 組織学では, 間質線維症, 単核球浸潤, 嚢胞形成を伴う細尿管萎縮, 肥厚した尿細管基底膜に一致して, PAS 陽性物質の尿細管周囲への沈着を示した
 尿細管嚢胞は, 皮質髄質領域に主に位置していた
 子宮と膀胱の解剖学的異常は観察されなかった
 Kumada ら(2004) は, 彼らの 有馬症候群患者での腎疾患は, 腎癆に最も一致し, 嚢胞異形成腎や乳児多嚢胞腎ではないと示唆した
 彼らは, 有馬症候群, Joubert 症候群, COACH 症候群および家族性腎癆のいくつかの型との表現型オーバーラップと診断の難しさを強調した

診断
鑑別診断
●Di Rocco (1993) は, 網膜ジストロフィーと腎嚢胞を伴うJoubert 症候群は, 炭水化物欠損性糖蛋白症候群 (CDG; 212065)を表しているかもしれないと示唆した
 彼女は, さらに CDG 症候群は, 小脳異形成と腎または肝異常を伴う患者で考慮すべきだと示唆した

出生前診断
●Ivarsson ら(1993) は, Joubert 症候群と多嚢胞腎をも小児1例の母のその後の妊娠で, エコーによる出生前診断を行った
 胎生17週で後頭脳瘤と両側腎の多発性嚢胞を証明した

(文献)
(1) Dekaban AS: Hereditary syndrome of congenital retinal blindness (Leber), polycystic kidneys and maldevelopment of the brain. Am J Ophthal 68: 1029-1037, 1969
(2) Arima, M.; Ono, K.; Hisada, K.; Handa, T. : A familial syndrome of maldevelopment of the brain, polycystic kidneys, congenital tapetoretinal dysplasia with coloboma and unilateral ptosis. No to Hattatsu 3: 330-331, 1971
(3) Koya, G.; Shinohara, T.; Morimatsu, Y.; Miura, M. : Congenital polycystic kidney syndrome--three cases with agenesis of cerebellar vermis and displacement of pyramidal tract among the brainstem. No to Hattatsu 5: 229-241, 1973
(4) Lindhout D et al. The Joubert syndrome associated with bilateral chorioretinal coloboma. Europ J Pediat 134: 173-176, 1980
(5) Pfeiffer RA: The Joubert syndrome associated with bilateral chorioretinal coloboma. Europ J Pediat 137: 101-102, 1981
(6) Laverda AM et al. Choroidoretinal coloboma and Joubert syndrome: a nonrandom association. J Pediat 105: 282-284, 1984
(7) Matsuzaka, T.; Sakuragawa, N.; Nakayama, H.; Sugai, K.; Kohno, Y.; Arima, M. : Cerebro-oculo-hepato-renal syndrome (Arima's syndrome): a distinct clinocopathological (sic) entity. J. Child Neurol. 1: 338-346, 1986
(8) Squires LA et al. Dysmorphic features of Joubert syndrome. Dysmorph Clin Genet 5: 72-77, 1991
(9) Saraiva JM, Baraitser M. Joubert syndrome: a review. Am J Med Genet 43: 726-731, 1992
(10) Di Rocco M. On Saraiva and Baraitser and Joubert syndrome: a review. Am J Med Genet 46: 732, 1993
(11) Ivarsson S-A et al. Joubert syndrome associated with Leber amaurosis and multicystic kidneys. Am J Med Genet 45: 542-547, 1993
(12) Lewis, S. M. E.; Roberts, E. A.; Marcon, M. A.; Harvey, E.; Phillips, M. J.; Chuang, S. A.; Buncic, J. R.; Clarke, J. T. R. : Joubert syndrome with congenital hepatic fibrosis: an entity in the spectrum of oculo-encephalo-hepato-renal disorders. Am J Med Genet 52: 419-426, 1994
(13) Kumada, S.; Hayashi, M.; Arima, K.; Nakayama, H.; Sugai, K.; Sasaki, M.; Kurata, K.; Nagata, M. : Renal disease in Arima syndrome is nephronophthisis as in other Joubert-related cerebello-oculo-renal syndromes. Am J Med Genet 131A: 71-76, 2004

2008.9.9
2010/12/09
2011/07/21
2017/07/25 指定難病