疾患詳細

疾患詳細



両側性眼瞼下垂,両眼開離,逆内眼角贅皮→鼻梁を幅広くみせる
左側虹彩コロボーマ,両眼開離,眼瞼下垂,幅広い鼻梁をもつ1例.
(Baraitser M, Winter RM: Iris coloboma, ptosis, hypertelorism, and mental retardation: a new syndrome. J Med Genet 25: 41-43, 1988)

#243310
Baraitser-Winter syndrome 1 (BRWS1)
(Iris coloboma with ptosis, hypertelorism, and mental retardation)
(Fryns-Aftimos syndrome)
(Pachygyria, mental retardation, epilepsy, and characteristic facies)
(Cerebrooculofacial lymphatic syndrome; COFLS)
(Mental retardation with epilepsy and charactristic facies )
(Cerebrofrontofacial syndrome)

Baraitser-Winter 症候群 1
(虹彩コロボーマ-眼瞼下垂-両眼開離-精神遅滞)
(Fryns-Aftimos 症候群)
(脳回肥厚-精神遅滞-てんかん-特異顔貌)
(大脳眼顏リンパ管症候群)
(精神遅滞-てんかん-特異顔貌)
(大脳前頭顔症候群)

責任遺伝子:Actin, beta (ACTB) <7p22.1>
遺伝形式:常染色体優性

(症状)
(GARD)
<5%-29%>
 Cleft upper lip (上口唇裂) [HP:0000204] [05511]
 Duplication of phalanx of hallux (母趾趾骨重複) [HP:0010066] [160221]
 Highly arched eyebrow (高度の弓形眉毛) [HP:0002553] [1721]
 Microphthalmia (小眼球) [HP:0000568] [06605]
 Oral cleft (口裂) [HP:0000202] [082]
 Retrognathia (下顎後退) [HP:0000278] [05402]
 Ventriculomegaly (脳室拡大) [HP:0002119] [03010]

 Abnormality of metabolism/homeostasis (代謝-ホメオスターシス異常) [HP:0001939]
 Agenesis of corpus callosum (脳梁欠損) [HP:0001274] [160122]
 Anteverted nares (上向きの鼻孔) [HP:0000463] [0740]
 Aortic valve stenosis (大動脈弁狭窄) [HP:0001650] [1120]
 Autosomal dominant inheritance (常染色体優性遺伝) [HP:0000006]
 Autosomal recessive inheritance (常染色体劣性遺伝) [HP:0000007]
 Bicuspid aortic valve (二尖大動脈弁) [HP:0001647] [1120]
 Chorioretinal coloboma (脈絡膜網膜コロボーマ) [HP:0000567] [060135]
 Cryptorchidism (停留精巣) [HP:0000028] [14010]
 Epicanthus (内眼角贅皮) [HP:0000286] [06811]
 Failure to thrive (成長障害) [HP:0001508] [01411]
 Generalized hypotonia (全身性筋緊張低下) [HP:0001290] [0242]
 Global developmental delay (全般的発達遅滞) [HP:0001263] [0120]
 Hypertelorism (両眼開離) [HP:0000316] [06607]
 Intellectual disability, profound (最重度知的障害) [HP:0002187] [0120]
 Iris coloboma (虹彩コロボーマ) [HP:0000612] [060131]
 Long palpebral fissure (長い眼瞼裂) [HP:0000637] [0678]
 Long philtrum (長い人中) [HP:0000343] [0530]
 Low posterior hairline (毛髪線低位) [HP:0002162] [1005]
 Low-set ears (耳介低位) [HP:0000369] [09007]
 Microcephaly (小頭) [HP:0000252] [03013]
 Micropenis (小陰茎) [HP:0000054] [14013]
 Midface retrusion (顔面中部後退) [HP:0011800] [05200]
 Muscular hypotonia (筋緊張低下) [HP:0001252] [0242]
 Overfolded helix (耳輪の過剰な巻き込み) [HP:0000396] [090082]
 Pachygyria (脳回肥厚) [HP:0001302] [160129]
 Patent ductus arteriosus (動脈管開存) [HP:0001643] [1120]
 Pointed chin (尖った頤) [HP:0000307] [05403]
 Postnatal growth retardation (生後の成長遅滞) [HP:0008897] [0130]
 Ptosis (眼瞼下垂) [HP:0000508] [06807]
 Seizures (けいれん) [HP:0001250] [01405]
 Sensorineural hearing impairment (感音難聴) [HP:0000407] [0910]
 Short neck (短頸) [HP:0000470] [1001]
 Short nose (短鼻) [HP:0003196] [0705]
 Short stature (低身長) [HP:0004322] [0130]
 Trigonocephaly (三角頭蓋) [HP:0000243] [03020]
 Wide mouth (幅広い口) [HP:0000154] [0802]
 Wide nasal bridge (幅広い鼻梁) [HP:0000431] [0703]

(UR-DBMS)
【一般】出生前および生後の成長遅滞
 発育障害
 小児期の身長 <5パーセンタイル
 小児期の体重 <5パーセンタイル
 出生時体長 <5パーセンタイル, 低出生体重 (<5パーセンタイル)
 発達遅滞
 けいれん (一部の患者で)
【神経】筋緊張低下
【頭】前頭縫合隆起
 三角頭蓋
 小頭
【顔】長い人中
 薄い上口唇
 目立つ/分厚い/幅広い頬部
 尖った下顎
 顔面中部低形成
 下顎後退 (一部の患者で)
【眼】眼瞼下垂
 両眼開離
 目立つ内眼角贅皮
 虹彩コロボーマ (一部の患者で)
 脈絡膜網膜コロボーマ
 小眼球 (まれ)
 弓型眉毛 (まれ)
 長い眼瞼裂
【鼻】幅広い鼻梁
 短鼻
 上向きの鼻
 大きな四角い鼻尖
 横顔で目立つ鼻根部
【口】大きな口
 分厚い/目立つ/外反した下口唇
 口唇口蓋裂 (一部の患者で)
【耳】耳介低位
 過剰な耳輪の巻き込み
 異常な形の耳介
 難聴, 感音 (一部の患者で)
【頸部】短頸
 毛髪線低位
【心】二尖大動脈弁, AS, PDA
【腎】腎異常
【性器】小さな陰茎
 停留精巣
【四肢】膝と肘の伸展制限 (一部の患者で)
 母趾重複 (まれ)
【X線】脳梁欠損 (一部の患者で)
 巣状脳回肥厚 (一部の患者で)
 滑脳症 (一部の患者で)
 後弯/側弯 (一部の患者で)
 漏斗胸/はと胸 (一部の患者で)
 帯状異所性灰白質 (一部の患者で)
 脳室拡大 (一部の患者で)
 下肢痙性 (一部の患者で)
【検査】染色体逆位 - inv2(p12q14) (2例で)
【その他】非常に多様な表現型
 一部の患者は7p22.1 欠失をもつ→隣接遺伝子欠失症候群に一致する

(要約) Baraitser-Winter 大脳前頭顔症候群 (2015.11.19)
●Baraitser-Winter 大脳前頭顔 (BWCFF) 症候群は, 多発先天奇形で, 転形低頭蓋顔面所見と知的障害 (正常脳構造での軽度からニューロン移動障害のある最重度まで) が特徴である
 多くの患者は, 虹彩または網膜コロボーマ, 感音難聴, 後弯を伴う特異な肢位, 上向きの肩, 軽度の肘および膝屈曲をもつ
 けいれん, 先天性心奇形, 腎奇形も多い
●診断:臨床表現型とACTB または ACTG1のいずれかのヘテロ接合機能獲得バリアントの証明
●遺伝:常染色体優性
 全例が新生変異をもつ
●関連表現型
 大脳前頭顔症候群1型と3型
 Fryns-Aftimos 症候群 (脳回肥厚, 精神遅滞, てんかん, 特異顔貌)
 →同じ病的バリアントで上記疾患が生じうる→ BWCFFの表現型スペクトラムである
 ACTB-関連 Baraitser-Winter 大脳前頭顔症候群, 若年発症ジストニアを伴う (Baraitser-Winter 大脳前頭顔症候群, Gearing-Proccacio 型)
●疑う所見
 典型的頭蓋顔面の特徴 (両眼開離, 幅広い鼻尖と目立つ鼻梁を伴う球状の鼻, 先天性非ミオパチー性眼瞼下垂, 目立つ前頭縫合隆起, 高位眉毛)
 知的障害
 多くでみられる所見(眼コロボーマ, 主に前頭葉の脳回肥厚, 肩帯筋の消耗, 感音難聴)
●遺伝子診断
 ACTB >60%
 ACTG1 >20%
 不明 <20%
●症状の頻度
 目立つ前頭縫合隆起または三角頭蓋 (65%)
 平坦な頬部
 尖った顎を伴う下顎後退
 幅広く短く分厚い上向きの鼻と大きく平坦な鼻尖 (85%), 分厚い鼻小柱, 上向きの分厚い鼻孔, 正中の溝 (最重症例で)
 目立つ鼻梁, 中間部分は平坦
 長くスムースな人中 (84%), 薄い上口唇唇紅部
 口角下垂を伴う幅広い口, 下口唇唇紅部外反 (45%)
 口唇口蓋裂 (10%)
 両眼開離 (95%)
 両側性眼瞼下垂 (90%)→手術を要するかも
 長く斜下した眼瞼裂 +/- 内眼角贅皮または逆内眼角贅皮
 高位の眉毛 (90%), 鼻外縁に続く
 片側性または両側性眼コロボーマ (30%), 虹彩から黄斑へ伸びるかも, 小眼球 (10%)
 小さく後方回転した耳介, 耳介聳立, 分厚い耳輪の巻き込み, 未発達な対耳輪 (73%)
 感音難聴 (33%)
 内耳奇形
 てんかん (50%)+構造的脳奇形
 後弯を伴う特異な肢位, 上向きの肩, 軽度の肘および膝屈曲, 関節運動制限.腋窩および膝窩翼状片 (出生時), 先天性多発性関節拘縮
 成人の一部で歩行困難
 ジストニア; ACTB バリアントで
 正常脳または前頭葉脳回肥厚または中央部脳回肥厚 (67%) (重度滑脳症 1-2度)
 皮質下帯または脳室周囲異所性灰白質 (20%)
 短く分厚い脳梁または欠損 (20%)
 胸郭変形, 心奇形 (33%), 水腎症 (10%), 馬蹄腎/異所性腎/腎重複 (10%), 幅広い母指趾, 中等度低身長, 軽度の小頭 (50%)
●浸透度: 完全
●頻度:まれ, 遺伝子診断で確定したもの50例未満
●アレリック疾患
1) ACTB
 p.Glu364Lys バリアントが知的障害, 光線過敏症, 反復性感染 (好中球化学遊走能の障害)をもつ12歳女児で報告
 → actin のポリマー化を障害しない変異
 散発性単独腫瘍で体細胞変異の報告あり
2) ACTG1
 常染色体優性感音難聴 DFNA20/26 (OMIM 604717)→ヘテロ接合変異あり
 BWCFF を生じる変異とオーバーラップしない
●鑑別診断
1) 両眼開離, Teebi 型 (短頭前頭鼻異形成) (OMIM 145420)
 有意な両眼開離がある→一部の患者はBWCFFかもしれない
2) oonan 症候群
 脳奇形のないBWCFF症候群では, 乳児期顔貌 (前頭縫合隆起なしの場合)と, 胸部変形と項部皮膚ヒダまたは翼状頚のため, Noonan 症候群と誤診されうる
 コロボーマは一部のNoonan 患者で報告されている
3) Kabuki 症候群
 BWCFF 症候群に似た長い眼瞼裂をもつ

(責任遺伝子) *102630 Actin, beta (ACTB) <7p22.1>
(1) Dystonia, juvenile-onset (607371)
.0001 Dystonia, juvenile-onset [ACTB, ARG183TRP] (dbSNP:rs104894003) (RCV000019937...) (Procaccio et al. 2006; Riviere et al. 2012)
(2) Baraitser-Winter syndrome 1 (243310)
.0002 Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, ARG196HIS [dbSNP:rs281875334] (RCV000059721...) (Riviere et al. 2012)
.0003 Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, ARG196CYS [dbSNP:rs281875333] (RCV000059720...) (Riviere et al. 2012; Di Donato et al. 2014)
.0004 Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, LEU65VAL [dbSNP:rs281875332] (RCV000059718...) (Riviere et al. 2012)
.0005 Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, ASN12ASP [dbSNP:rs281875331] (RCV000059719...) (Riviere et al. 2012)
.0006 Baraitser-Winter syndrome 1, atypical [ACTB, GLU117LYS [dbSNP:rs397515470] (RCV000056289) (Johnston et al. 2013)
.0007 Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, THR120ILE] (dbSNP:rs587779774) (RCV000133571) (Donato et al. 2014; Verloes et al. 2015)
.0008  Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, 1-BP DUP, 1097G] (Cuvertino et al. 2017)
.0009  Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, LYS373TER] (Cuvertino et al. 2017)
.0010  Baraitser-Winter syndrome 1 [ACTB, 1-BP DEL, 329T] (Cuvertino et al. 2017)

*ACTB (actin, beta): genome 36,637 bp, Minus strand; 375 aa, 41737 Da
 Exons: 6, Coding exons: 5, Transcript length: 1,921 bps, Translation length: 375 residues
・Actin はユビキタスな球状タンパクで, 知られている最も高度に保存されたタンパクの1つである
 2つの主な状態で発見される
 →G-actin (球状のモノマー型); F-actin (螺旋状のポリマー型)
 GおよびF-actin とも内在性の柔軟な構造である (ダイナミックなフィラメントネットワークとしての actin の役割による)
・4つの主な機能がある
(1) F-actin ポリマー型微小線維
 kinesin 運動タンパクに対する極性細胞内 (tracks)で, 小水疱, 小器官または他の運搬器官を輸送する
(2) 細胞骨格の構成成分で, 接着部位で alpha-actinin, E-cadherin および beta-catenin と結合する
 →細胞に機械的支持を与え, 相互および細胞外基質と接着させる
(3) 筋細胞で actin-rich な細繊維は myosin-rich の太い繊維とともに actomyosin 筋線維を形成する
 ATP の加水分解によるエネルギーを使って, 筋線維は actin-myosin 頭部相互作用を通して周期的短縮を行う (筋収縮のメカニズム)
(4) 繊維のポリマー化と脱ポリマー化を通しての細胞運動で役割をもつ

(ノート)
●(#) は, Baraitser-Winter 症候群-1 (BRWS1)は, 7p22.1 の ACTB 遺伝子 (102630) 遺伝子のヘテロ接合体変異が原因であるため

●一部の患者たちは ACTB 遺伝子と他のいろんな遺伝子を含む 7p22 のより大きな欠失をもつ
 →隣接遺伝子欠失症候群に一致する

●BRWS はまれな発生異常表現型で, 両眼開離, 大きな鼻尖と目立つ鼻根を伴う幅広い鼻, 先天性非ミオパチー性眼瞼下垂, 前頭縫合隆起, 弓形眉毛, 虹彩または網膜コロボーマ, 感音難聴, 肩帯筋量減少と進行性関節硬直, 前後へ重症度勾配のある脳回肥厚, まれに滑脳症または異所性ニューロンが特徴である
 口唇口蓋裂, 母趾重複, 先天性心奇形および尿路奇形が一部の患者でみられる
 小頭が時間とともに生じうる
 早期の筋病変 (まれに先天性関節拘縮を伴う) が存在しうる
 知的障害やてんかんは重症度が多様で, 大きく中枢神経奇形と相関する (Verloes et al., 2015)
●Di Donato et al. (2014) と Verloes et al. (2015) は, BRWS, Fryns-Aftimos 症候群および大脳前頭顔症候群は同じ臨床単位であると示唆した
 表現型は非常に多様である (Cuvertino et al., 2017)

Baraitser-Winter 症候群の遺伝的異質性
●Baraitser-Winter 症候群-2 (BRWS2; 614583) は, 17q25.3 の ACTG1 遺伝子 (102560) のヘテロ接合体変異が原因である

臨床症状
●Baraitser and Winter (1988) は, 兄妹と無関係の女児1例で, 虹彩コロボーマ, 両側性眼瞼下垂, 両眼開離, 幅広い鼻陵, 目立つ内眼角贅皮を記載した
 この報告は, 類似特徴をもつ同胞も記載していた
 → Riviere et al. (2012)は表現型と遺伝形式をもとに Baraitser-Winter 症候群ではないと示唆した

●Fryns and Aftimos (2000) は, 関連のない2例の重度精神遅滞男児の臨床歴と身体所見を提示した
 両者の頭蓋顔面形態異常は特徴的で, 浮腫, 狭い頭蓋前頭部, アーチ型の眉毛, 両側性眼瞼下垂, 三角頭蓋, 両眼開離, 幅広い鼻根部と鼻梁, 大きな口と薄い上口唇と外反した下口唇, 目立つ上顎門歯, 低形成の後方回転した耳介, 高口蓋を伴っていた
 頸部は短く幅広く翼状で, 毛髪線低位があった
 上部胸郭は狭く, 解離した低形成の逆位乳頭があった
 患者は新生児期に浮腫で受診し, その後有意な体重減少があった
 両者とも早期小児期に複雑てんかんを生じ, 精神発達の悪化を伴い, 最重度の精神遅滞となった
 けいれんは最大の薬物療法にも関わらず, 調節不能であった
 頭蓋イメージ検査は脳回肥厚があり, 前頭葉が最も著明であった
 患者は一人歩きできがた, 両側膝と肘は20-30度伸展できなかった
 伸長は3パーセンタイルであった
 代謝検査と核型は正常であった
 両者とも両親に血縁はなく, 患者同胞はいなかった

●Der Kaloustian ら(2001) は, 多発性頭蓋顔面および骨異形成, 精神遅滞および両側性前頭部多脳回をもつ男児を報告した
 Fryns and Aftimos (2000)の症例に類似していた
●Milunsky and Capin (2003)は, 過去の報告に非常に類似した臨床的特徴をもつ12歳の男児を報告した

●Guion-Almeida and Richieri-Costa (2001) は, 正常な血縁のない両親をもつブラジル人男児1例を記載した
 短頭, 幅広い額, 富士額, 両眼開離, 幅広い瞼裂と多発性眼瞼コロボーマ, 幅広い鼻根, 長い人中, 大口, 口唇突出, 高口蓋, 正中歯槽裂, 小さく溝のある頤, 耳介奇形, 脳梁構造の異常, 精神遅滞があった
 彼らは類似症候群の過去の報告3つについて述べた
 2つは彼らが記載したものであった
 彼らが (Guion-Almeida and Richieri-Costa, 1992) 先端脳梁症候群として報告した1例は, 血縁のない両親をもつブラジル人男児で, びまん性の皮質萎縮と脳梁欠損, 前頭鼻異骨症, 異常な上眼瞼, 口唇口蓋裂, 頸部の過剰な皮膚, 溝のある頤, 二分母指があった
 別の1例 (Guion-Almeida and Richieri-Costa, 1999) は正常な血縁のない両親をもつブラジル人女児で, 短尖頭, 幅広い額, 両眼開離, 幅広い瞼裂と多発性眼瞼コロボーマ, 幅広く高い鼻根, 鼻尖欠損, 幅広い鼻小柱, 長く平坦な人中, 鯉口, 大口, 薄い上口唇と正中部亀裂, 粘膜下口蓋裂, 小さく溝のある頤, 耳介奇形, Dandy-Walker 奇形, 脳梁の構造異常, 異所性灰白質, 精神遅滞があった
 3番目の症例は Masuno ら(2000)が報告した日本人女児で, 短頭, 幅広い額, 両眼開離, 巨大瞼裂と眼瞼コロボーマ, 眼瞼外反, 幅広い鼻根, 平坦な鼻尖, 大口, 小さく溝のある頤, 耳介奇形, 脳梁構造異常, 第4脳室拡大, 泌尿生殖器瘻および精神遅滞があった

●Winter (2001) は, このエントリーと 606156 および 608578にリストされたいくつかの報告をレビューした
 症例間に相当なオーバーラップがあることに気づき, 1つの症候群であると示唆した
 →彼らは大脳前頭顔症候群 (cerebrofrontofacial syndrome) をよんだ
  脳 MRI 所見により3つのタイプからなる
 1型は脳室周囲結節性異所性灰白質が特徴である
 2型は右角から脳室へ白質の多発性嚢胞領域がある→拡張した Virchow-Robin 腔と解釈される
 3型は上記がみられないもの

●Valente et al. (2005) は, 彼らが 'Fryns-Aftimos 症候群' と命名した18歳男児を報告した
 特異顔貌には, 顔面浮腫, 眼瞼下垂, 両眼開離, 側頭部平坦があった
 他の所見には, 翼状頸, 胸郭低形成と逆位乳頭, 肘および膝伸展制限, てんかん, 重度精神遅滞があった
 MRI はびまん性脳回肥厚と異常な頭蓋底を示し, 小さな後頭窩と狭い大孔があった
 特記すべきこととして, 患者でない母は, その後, 四肢異常をもつ無脳症男胎児の自然流産をもった

●Riviere et al. (2012) は, Baraitser-Winter 症候群と ACTB 遺伝子変異をもつ小児10例を報告した
 10例中6例は低身長をもっていた
 評価した9例中6例は, 生後小頭をもっていた
 9例全例が知能障害とけいれんをもち, 8例中4例が難聴, 10例中8例が三角頭蓋をもっていた
 10例全例が両眼開離と先天性眼瞼下垂をもち, 9例が高位弓形眉毛をもっていた
 虹彩または網膜コロボーマは10例中6例に存在した
 データが有用であった8例全例が前後に勾配のある脳回肥厚または脳回肥厚帯型の滑脳症をもっていた
 彼らが報告した18例を含むどの家系にも家族発生や血縁はなく, microarraysで病的な CNVもなかった

●Riviere et al. (2012) は, Baraitser-Winter 症候群とFryns-Aftimos 症候群 (606155) との間の実質的な表現型オーバーラップに気づいた
 →三角頭蓋, 両眼開離, 先天性眼瞼下垂, 高位弓形眉毛, 幅広い鼻, 低位後方回転した奇形耳介
  両者とも主に近位関節拘縮と皮質奇形をもつ
 Fryns and Aftimos (2000) のオリジナル報告の患者1として報告された1例 (11-11287)は, Riviere et al. (2012)により ACTB 遺伝子変異をもつことが発見された (102630.0002)

●Verloes et al. (2015) は, Baraitser-Winter 症候群, Fryns-Aftimos 症候群, または大脳前頭顔症候群の臨床診断をもつ42例の表現型と神経画像を記載し, これらの疾患が単一疾患として統合されることを示唆した
 主な臨床奇形は顕著な顔貌異常で, 両眼開離, 大きな鼻尖と鼻根を伴う幅広い鼻, 先天性非ミオパチー性眼瞼下垂, 前頭縫合隆起, 弓形眉毛, 虹彩または網膜コロボーマと感音難聴が多くの症例に存在した
 口唇口蓋裂, 母趾重複, 先天性心奇形および尿路奇形が一部の患者でみられた
 小頭が一部の患者で生じた
 ACTG1変異をもつ患者のほぼ全例とACTB変異をもつ患者の約60%が, 前後方向に重症度勾配をもつある程度の脳回肥厚, まれに滑脳症または異所性ニューロンをもっていた
 肩帯筋量減少と進行性関節硬直が多かった
 早期の筋病変 (まれに先天性関節拘縮を伴う) が存在した
 知的障害やてんかんは重症度が多様で, 大きく中枢神経奇形と相関した
 1例は ALL を生じ, 別の壱例は皮膚リンパ腫を生じた
 Verloes et al. (2015) は, Gearing et al. (2002) と Procaccio et al. (2006) により記載された若年発症ジストニア (607371) をもつとして記載された双生児の表現型は BRWS に一致すると示唆した

臨床的多様性
●Cuvertino et al. (2017) は, ACTB 遺伝子の申請ヘテロ接合機能喪失フレームシフトまたはナンセンス変異 (102630.0008-102630.0010)を伴う他面効果性発生異常をもつ関連のない3例を報告した (XXIV, XXV, XXVI)
 患者は 12, 14, および 18 歳であった
 2例は乳児期に食餌摂取障害をもっていた
 1例は生後成長遅滞, 2例は小頭をもっていた
 彼らは軽度〜中等度知的症候群といろんな発語+/-運動遅滞と多動などのいろんな行動異常をもっていた
 1例はジストニアをもち, 2例は胸郭変形をもっていた
 各々1例でみられた他の症状には, 気管食道瘻, 食道閉鎖, 遠位筋奇形, および多毛 (患者XXIV); 過剰な筆の頭蓋骨融解 (患者 XXV); およびASD, 感音難聴, 軽度の関節拘縮 (患者 XXVI)があった
 形態異常も多様で, 両眼開離, 波型眉毛, 濃い眉毛, 幅広い鼻, 幅広い口, 目立つ下顎があった
 Cuvertino et al. (2017) は, 彼らの意見として, これらの患者の表現型は, いくらかオーバーラップする症状があるが, BRWSでみられるものとは違うとコメントした

Dubowitz 症候群との表現型オーバーラップ
●Johnston et al. (2013) は, 小頭, 顔貌異常, 知能障害をもつ7歳女児を記載した
 →最初は Dubowitz 症候群 (223370)の臨床診断を受けた
 出生時, 彼女は, 耳介低位, 片側性眼瞼下垂, 前部毛髪線低位, 軽度の多毛をもっていた
 34か月時の脳 MRI は正常で, 腎エコーと骨格検査は正常であった
 4.5歳での診察は, 明らかな小頭と嗄声を伴う前頭縫合隆起を示した
 頭蓋顔面所見には, 非対称性の眼球位置, 左側眼瞼下垂, 短い眼瞼裂, 明らかな両眼開離, 耳介形態異常を伴う耳介後方回転, 幅広い鼻根, 長い鼻小柱, 鼻翼フレア, 舌提出, 幅広い口, 二分口蓋垂があった
 四肢所見には, 遠位位置付着母指, 小さな母指球, 第3, 4, 5指の屈指, 目立つ指尖パッドがあった
 7歳児, 彼女は強迫性行動と多動, 右眼の重度の近視, 視神経非対称, 軽度の伝音難聴をもつことがわかった
 左側垂直距骨が治療された
 ACTB 遺伝子変異の発見により, 彼女の診断は非典型的 Baraitser-Winter 症候群に変更された
 → BRWS のいくつかの特徴的所見がなかった (滑脳症, けいれん, 虹彩/網膜コロボーマ)

遺伝
● Baraitser and Winter (1988)が報告した小児の2例は同胞であった
 →常染色体劣性に一致するが, 染色体構造の超顕微鏡的異常は除外されない
 明らかに正常な両親をもつ同胞発生は, 片親での生殖細胞モザイクを表すかもしれない

細胞遺伝学
Chromosome 7p22 Deletion

Shimojima et al. (2016) reported 5 patients, including a set of monozygotic twin girls, with overlapping deletions of the 7p22.1 region. The shortest region of overlap included 5 genes, 1 of which was ACTB. The patients had nonspecific developmental delay, short stature, microcephaly, failure to thrive, and variable dysmorphic features, including frontal bossing, sparse eyebrows, long eyelashes, hypertelorism, low-set ears, thin lips, long philtrum, midface hypoplasia, small chin, pectus excavatum, and cryptorchidism. Ptosis was not noted. The deletions occurred de novo in 3 patients, and the twins inherited the deletion from their mother, who had developmental delay and microcephaly. Lymphocytes derived from 1 of the patients showed about a 50% reduction in ACTB expression, consistent with haploinsufficiency, which the authors suggested was responsible for the clinical features.

Cuvertino et al. (2017) reported 30 patients from 23 unrelated families with a pleiotropic developmental disorder associated with heterozygous deletions of 7p22, all of which included or putatively affected the ACTB gene as well as additional genes. The deletions, which had different breakpoints, ranged from 0.08 to 3.64 Mb in size, and ACTB was the only gene deleted within the minimal critical region. All patients had developmental delay and intellectual disability that ranged from mild to severe, and most also had motor and speech delay. Behavioral changes included attention deficit and hyperactivity, but most had a friendly sociable demeanor. Other common features included intrauterine and postnatal growth retardation, microcephaly, distal skeletal abnormalities, cryptorchidism, and inguinal hernia. About half of patients had cardiac abnormalities, such as septal defects, and about 40% had renal abnormalities, including horseshoe kidney, vesicoureteral reflux, and renal agenesis. Common dysmorphic features included wavy interrupted eyebrows, dense eyelashes, a wide nose, a wide mouth, and a prominent chin. Some patients had overlapping toes, small nails, and spinal anomalies such as sacral dimples. Eight of 10 patients with brain imaging studies showed abnormalities, including gray matter heterotopia, cortical atrophy, white matter hyperintensities, thin corpus callosum, and enlarged ventricles. Seizures were rare. Cells from 4 patients with deletions showed reduced ACTB transcript levels compared to controls. Although cytoplasmic levels of beta-actin protein in patient fibroblasts were similar to controls, the ACTB-deficient cells were significantly more circular compared to control cells; ACTB-deficient cells also showed impaired migration in an in vitro wound assay. Similar results were obtained in control fibroblasts using siRNA-mediated ACTB gene silencing. Cuvertino et al. (2017) concluded that the phenotype resulted from haploinsufficiency of the ACTB gene, which plays a role in development, particularly of the brain, heart, and kidney.

Chromosome 2p12-q14 Inversion
Pallotta (1991) reported a 6-year-old male with a phenotype similar to Baraitser-Winter syndrome who had a pericentric inversion of chromosome 2: inv(2)(p12q14) who had a phenotype similar to that in the patients reported by Baraitser and Winter (1988). The chromosomal rearrangement had been inherited from his mother, who was phenotypically normal.

similar phenotype was associated with a similar pericentric inversion. Again, the mother, who was phenotypically normal, had the same chromosomal rearrangement. The possibility that an odd number of crossovers in the 'inversion loops' of chromosome 2 caused a very small duplication or deletion of chromosomal material in the affected offspring was raised by Pallotta (1991).

Ramer et al. (1995) reported that 2 of 9 children, most of whom shared the features of shallow orbits, ptosis, coloboma, trigonocephaly, gyral malformations, and mental and growth retardation, had identical pericentric inversions involving 2p12-q14. Ramer et al. (1995) noted that the PAX8 gene (167415) maps to 2q12-q14, a site coincident with the distal breakpoint of the inversions identified in the children reported by Ayme et al. (1979) and Pallotta (1991).

分子遺伝学
●Riviere et al. (2012) は, 発端両親トリオ3組で whole-exome sequencing を行い, 発端者1例と2例でそれぞれ細胞質 actin をコードする遺伝子である ACTB と ACTG1 (102560) の新生ミスセンス変異を証明した
 発端者での ACTB 変異はミスセンス変異 arg196-to-his (R196H; 102630.0002), で, 他の患者15例中6例でも発見された
 このコーホートでは ACTB 遺伝子の3つの別の新生ミスセンス変異が証明された
Riviere et al. (2012) suggested that the observations supported a dominant-negative or gain-of-function mechanism for the mutations, since none of the patients had deletions or truncating mutations.

● Johnston et al. (2013) は, 最初に Dubowitz 症候群 (223370)と臨床診断された, 小頭, 眼瞼下垂と耳介低位を含む顔貌異常, および知的障害をもつ7歳女児で, ACTB 遺伝子の新生ミスセンス変異を証明し (E117K; 102630.0006), 患者は, 滑脳症, けいれんまたは虹彩/網膜コロボーマのないBaraitser-Winter症候群の非典型型をもつと結論した

● Di Donato et al. (2014)は, Fryns-Aftimos 症候群の診断をもつ患者参例で, ACTB 遺伝子の変異を証明した
 →例, BRWS1 に以前に発見されたR196C (102630.0003)と T120I (102630.0007)
 ACTB変異と臨床所見解析に基づき, 著者らはこれらの患者の診断を重症型BRWSと再分類した

●Verloes et al. (2015) は, BRWS, Fryns-Aftimos 症候群または大脳前頭顔症候群の臨床診断をもつ42例での分子遺伝学的所見を記載した
 33例はACTB変異をもち, 9例は ACTG1変異をもっていた
 ACTBの Arg196 がホットスポットであることが発見された
 →8例は R196H 置換を, 6例は R196C 置換であった
 Verloes et al. (2015) は, 同一の分子的異常をもつこれらの患者間での臨床的異質性は, BRWS での内在的表現型バリエーションを証明すると示唆した
 Verloes et al. (2015) はまた, ACTG1変異はニューロン移動でより中心的役割をもつ可能性を示唆した
 → ACTG1 変異患者9例中8例が移動障害をもつのに対し, ACTB変異患者では1/3であったため
 Guion-Almeida と Richieri-Costa (1992, 1999)が記載したBRWS表現型をもつ2例で, Verloes et al. (2015) は以前に Di Donato et al. (2014)により証明された T120I 変異を証明した
 Verloes et al. (2015) は, この変異はより重症表現型と連関すると視差した
 Verloes et al. (2015) はまた, ACTB および ACTG1遺伝子スクリーニングが陰性のBRWS表現型をもつ数例を証明した

In 3 unrelated patients (XXIV, XXV, and XXVI) with a pleiotropic developmental disorder, Cuvertino et al. (2017) identified de novo heterozygous loss of function frameshift or nonsense mutations in the ACTB gene (102630.0008-102630.0010), consistent with haploinsufficiency. Functional studies of these patient cells were not performed, but cells derived from patients with larger deletions including the ACTB gene showed decreased nuclear ACTB protein levels, abnormal regulation and expression of genes involved in the cell cycle, and decreased cellular proliferation. ACTB-deficient cells were also significantly more circular and larger overall compared to control cell, and showed impaired migration in an in vitro wound assay. Cuvertino et al. (2017) noted that the partial overlap of phenotypes of individuals with BRWS resulting from heterozygous ACTB missense mutations and individuals with ACTB loss-of-function mutations suggests that the disorder may result not only from a postulated gain-of-function mechanism, as suggested by Riviere et al. (2012), but might also include effects resulting from a loss-of-function or dominant-negative mechanism. The findings suggested that the phenotype resulted from haploinsufficiency of the ACTB gene, which plays a role in development, particularly of the brain, heart, and kidney.

歴史
● Baraitser and Winter (1988) により報告された小児のうち2例は同胞で, 常染色体劣性遺伝に一致したが, 染色体構造の超顕微鏡的異常を除外しなかった
 明らかに正常な両親をもつ同胞での発生は, 片親での性腺細胞モザイクを表すのかもしれない

●Riviere et al. (2012)は, 唯一の患者同胞である Baraitser and Winter (1988)の患者1と2, 血縁のないアジア人両親をもつ男女同胞をレビューした
 これらの患者は, 両方とも, 虹彩コロボーマをもっていたが, 正常頭囲で三角頭蓋のない正常前頭領域, 正常耳介と聴覚をもっていた
 脳画像は行われなかった
 Riviere et al. (2012) は, この家系は経過観察されず, 埋没性染色体不均衡が除外されなかったと述べた
 彼らの所見を考慮し, Riviere et al. (2012)は, これらの同胞2例はおそらく Baraitser-Winter 症候群ではないに違いないと結論した
 オリジナル報告の患者3は ACTG1 変異をもつことが発見された (102560.0009)→BRWS2

(ノート 2)
●Baraitser and Winter (1988) は, 虹彩コロボーマ, 眼瞼下垂, 両眼開離, 幅広く平坦な鼻梁, 成長障害, 精神遅滞をもつ患者2例を報告した
●他に17例が記載されているが (Ayme S ら 1979, Hall 1989, Megarbane A ら 1997, Le Marec S et a 1992, Pallotta 1987, Pallotta 1991, Ramer JC ら 1992, Ramer JC ら 1995, Schaap G ら 1992, Verloes 1993), 数例は類似するが異なる疾患 (Megarbane A ら 1997)または Noonan 症候群(Hall 1989)と考えられた
●遺伝形式は常染色体劣性かもしれないが (Baraitser M, Winter RM 1988, Megarbane A ら 1997), 2例は明らかに2番染色体の均衡型腕間逆位をもっていた (切断点は p 12 と q 14)(Ayme S ら 1979, Pallotta 1987, Pallotta 1991)
 超顕微鏡的欠失または重複は除外できなかった
●Ramer ら(1995) は, 2q12-14 の PAX8 遺伝子の位置に注意を促した
●生後成長障害が全例にある
●Ramer ら(1995) と Megarbane ら(1997) は有益なレビューを提供した

頭蓋顔面所見
●通常小頭があるが, 頭囲正常も記載されている
 三角頭蓋または前頭隆起, 内眼角贅皮, 両眼開離, 眼瞼ヒダの欠損を伴う眼瞼下垂, 眼瞼裂斜下, 幅広く平坦な鼻梁, 幅広く時に上向きの鼻尖をもつ短鼻, 長く低形成の人中, 薄い上口唇唇紅部縁がある
●口は大きく, 高口蓋かもしれない
●大多数の患者は虹彩コロボーマ (Ayme S ら 1979, Megarbane A ら 1997) (時々片側性 (Baraitser M, Winter RM 1988)) をもつ
 脈絡膜網膜コロボーマがあるかもしれない
 コロボーマは小眼球と小角膜を生じうる
 耳介は短く, 低位で, 耳輪の過剰な巻き込みをもつかも
 数例に感音難聴がある(Ramer JC ら 1992, Ramer JC ら 1995, Verloes 1993)
 1例では前頭隆起の癒合は外科が必要なほど重度であった(Ramer JC ら 1992)

心症状
●VSD (Ramer JC ら 1992), PS (Hall 1989, Ramer JC ら 1992), 三尖弁閉鎖不全(Verloes 1993), 二尖大動脈弁 (Ramer JC ら 1995) が記載されている

中枢神経系
●大多数の患者は中等度ないし重度の精神遅滞をもつ
●脳の構造異常には, 滑脳症 (I型) (Ramer JC ら 1995), 巣状乏脳回(Baraitser M, Winter RM 1988, Ramer JC ら 1992), lobar 全前脳胞症 (Ramer JC ら 1995), 全般性両側性大脳萎縮 (Megarbane A ら 1997),薄い脳梁(Megarbane A ら 1997), 後頭部および側頭部虚血病変 (Ramer JC ら 1992)が報告されている

その他
●大多数の患者は短頸と翼状頸をもつ
●胸郭は幅広く (Ramer JC ら 1995) , 漏斗胸 (Hall 1989, Verloes 1993), 短い胸骨 (Ramer JC ら 1995), 乳頭低形成 (Megarbane A ら 1997, Ramer JC ら 1995)が記載されている
 1例に多発性半脊椎と明らかな片側性肺欠損があった(Ramer JC ら 1995)
  別の1例は臍帯ヘルニアと副脾があった(Le Marec s ら 1992)
  別の1例は馬蹄腎があった (Verloes 1993)
●第5指弯指と停留精巣および外性器低形成が記載されている

鑑別診断
●Verloes (1993)は, コロボーマ-眼瞼下垂-両眼開離をもつ他の症候群をレビューした
 全てが他の所見をもっていた
 Noonan 症候群と表面的に類似するが, Baraitser-Winter 症候群 (Baraitser M, Winter RM 1988)の顔貌は異なることで一致した

(ノート2)
●Fryns and Aftimos (2000) は, 生後体重喪失, 低身長, 顔貌異常, 幅広い翼状頸, 幅広い胸郭, 乳頭低形成と逆位, けいれん, 前頭葉の脳回肥厚をもつ関連のない男児2例を記載した→606155 Fryns-Aftimos syndrome
●類似患者は der Kaloustian ら(2001) と Guion-Almeida and Richieri-Costa (2001) (→608578 Cerebrofrontofacial syndrome) により気づかれた
 Guion-Almeida and Richieri-Costa (2001)の患者は女児1例で, 脳梁欠損, 口唇口蓋裂, 下顎の溝, 二分母指をもっていた
●Winter (2001) は異質性があると断言した

●小頭, 三角頭蓋, 顔浮腫, 上眼瞼下垂, 側頭骨平坦化, 対耳輪低形成を伴う耳介後方回転, 幅広い鼻根, アーチ型の眉毛叢生, 両眼開離, 長く平坦な人中, 薄い上口唇と下口唇外反, 時に中等部溝を伴う大口がみられた
 上顎切歯は目立っていた
 毛髪線低位があった
 肩は下方傾斜していた
 手は幅広く, 短く, 手背の永久的浮腫と指の先細りがあった
 膝と肘の伸展制限が明らかであった
 下肢の筋緊張亢進のため趾先歩行となった
 側弯があった

●腕の皮膚は特に緩く過伸展であった
●腋窩翼状片が1例であった (der Kaloustian ら 2001)
●精巣は停留精巣で陰嚢は浅かった

●けいれんは, 大発作, 小発作およびミオクローヌス型で, 約3-5歳で始まった
●精神運動発達遅滞は最初は軽度であったが, 年齢とともにより顕著となり, 痙攣発症が続いた
●びまん性の脳回肥厚, 特に前頭葉で著明, がMRIでみられた
●軽度の痙性対不全麻痺が約6歳で出現した

●水腎症を伴う VUR がみられた (Der Kaloustian, Fryns & Aftimos)
 鼠径ヘルニアもみられた (Der Kaloustian)

●前頭鼻奇形や先端前頭顔鼻異骨症などの疾患が鑑別すべきである


(Winter (2001): Cerebro-fronto-facial syndrome: three types?)
●CFFSの大多数の患者は前頭鼻異形成の1つの型をもつ
 有意な両眼開離をもつが, 他に, 広がった鼻孔を伴う非常に幅広い鼻, 顕著な内眼角贅皮, 眼窩下の溝, 幅広い口と薄い上口唇, 小顎, 小さな低位の異常な形の耳介が特徴である
 耳介上部は小さく, 耳朶は上に引き上げられ肉厚かもしれない
 軽度〜中等度の発達遅滞をもつ
 MRI/CT所見に違いがある
 一部でみられる合併奇形には, 冠状縫合早期癒合, 口唇口蓋裂, 翼状頸または翼状腋窩, ヘルニア, 軸前性多指, 短指, 幅広い母趾がある
 多くの症例に共通する特徴は, 結合織異常のようだ
 ヘルニア, 尿管逆流, 緩い皮膚, 頸部または関節翼状片が高い頻度でみられる
 Guion-Almeida and Richieri-Costa (2001) は, Guion-Almeida and Richieri-Costa (1992), Guion-Almeida and Richieri-Costa (1999), および Masuno et al . (2000)と比較した
●脳画像による分類
1)グループ1;Guion-Almeida et al. (1999); Slaney et al. (1999); Guerrini and Dobyns (1998) の症例1と症例2
 脳室周囲結節性異所性灰白質が特徴
 脳梁欠損または低形成と側脳室前角拡大あり→Guion-Almeida and Richieri-Costa, (1999) と Slaney et al . (1999)
 Dandy-Walker 奇形あり→Guion-Almeida et al . (1999)
 Guerrini and Dobyns (1998) の報告した2例は, 放射状に分布した後側頭葉と後頭領域に高輝度シグナルが散在→拡張した Virchow-Robin 腔を表す小さな多発性嚢胞と解釈される
  症例1は小脳虫部低形成あり
 Guion-Almeida and Richieri-Costa (1999) と Slaney et al . (1999)は非常に似ているが, Guion-Almeida and Richieri-Costa (1999) のほうがいくらか粗な顔貌をもつ
 Guion-Almeida and Richieri-Costa (1999) は, Slaney et al . (1999) の症例は14か月時3センタイル以下の低身長をもっていたので別疾患と考えている
 またSlaneyの報告にはない冠状縫合早期癒合があった
 Guerrini and Dobyns et al . (1998) は, 有意な両眼開離と幅広い鼻をもっていたが, 眼窩下領域と口の外観はこのグループの他の2例には似ていなかった
 症例1は正常身長をもち, 症例2は4歳時90-97センタイルの身長であった
 Slaney et al . (1999)の症例は5歳時非常に緩い皮膚と関節弛緩をもっていた
2)グループ2:Lynch et al. (2000) 症例1と症例2; Sener et al. (1994).
 直角に脳室へ放射する白質の多発性嚢胞領域あり
 →拡張したVirchow-Robin 腔と評価される
 Lynch et al . (2000)の症例1は脳梁低形成あり
 Sener et al . (1994) の症例の顔貌は, 軽度の両眼開離, 低い鼻梁があり, 疎な毛髪, 爪ジストロフィー, 歯以上などの軽度の外胚葉形成不全の特徴でをもつ
 Lynch et al . 2000の症例の顔貌は, グループ1の顔貌に非常に似ている
 頭蓋骨縫合早期癒合, 翼状頸または関節または多指症の症例はない
3)グループ3:Guion-Almeida and Richieri-Costa (1992), Fryns and Aftimos (2000) の症例1と症例2, Masuno et al . (2000), Der Kaloustian et al . (2001), Guion-Almeida and Richieri-Costa (2001)
 脳の脳室周囲結節性異所性灰白質または嚢胞領域はない
 最重症例は Guion-Almeida and Richieri-Costa (1992) の症例で, びまん性皮質萎縮と脳梁欠損をもつ
 他の症例は, 脳梁欠損または低形成 (Guion-Almeida and Richieri-Costa 2001; Masuno et al., 2000)をもつ
 3例は前頭葉無脳回/脳回肥厚をもつ (Der Kaloustian 2001, Fryns and Aftimos 2000)
 Guion-Almeida and Richieri-Costa 1992 and Der Kaloustian et al., (2001) の症例は, 有意な低身長をもつ (<3センタイル)が, Fryns and Aftimos (2000)の症例の身長は3センタイルである
 Masuno et al (2000) と Guion-Almeida and Richieri-Costa (2001) の症例は冠状縫合早期癒合をもち, Der Kaloustian et al., (2001) の症例は三角頭蓋と前頭縫合隆起をもつ
 Guion-Almeida and Richieri-Costa (1992), Fryns and Aftimos (2000) および Der Kaloustian et al (2001) の症例は全例頸部と腋窩の翼状片をもつ
 Guion-Almeida and Richieri-Costa (1992) の症例は, 両側性の幅広い母趾を伴う, 右側母指の二分末節骨と左側母指の重複をもつ
 Der Kaloustian et al. (2001) の症例は, 両側性母趾重複をもつ

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